タグ:Ulrich Thomsen ( 5 ) タグの人気記事

Mostly Martha (マーサの幸せレシピ) 

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 Martha Klein(Martina Gedeck)はハンブルクのフランス料理店で女性シェフとして働いている。優れた味覚と腕前を持ちながらも、オーナーからは“街で2番目のシェフ”と評されていた。Marthaは仕事は優秀だが、逆に自ら食事を楽しむこともない。なかなか人に心を開かず休日も一人で過ごし、デートにも出掛けない。
 だがそんな彼女にも一大転機が訪れる。姉が事故死し、その娘Lina(Maxime Foerste)をMarthaが引き取ることになった。始めは互いにギクシャクしていたが、陽気に人生を楽しむイタリア人シェフMario(Sergio Castellitto)の出現によって、忘れていた心の触れ合いに気付いていく。(作品の詳細はこちら


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料理をメインにしたドイツ映画なんて珍しい。ずいぶん前に観たリメイク版『幸せのレシピ』がなかなか良かったので、このオリジナルも楽しみにしていた。期待を裏切らない作品だった。主役の2人が美男美女でないところにも、親近感を抱いた。

Marthaを演じたMartina Gedeckが、とても魅力的だった。誰にも心を開かず、ひねくれ者で拘りの強いMartha。そこに登場するのが、これまたMarthaに似た性格の姪っ子Lina。自分自身のことさえ持て余しているMarthaに、姪の扱い方なんて分かるはずがない。しかしMarioや階下に引っ越してきたバツイチのSam(Ulrich Thomsen)のお陰で、徐々に角がとれ、心の氷がゆっくり融けていく。固い表情だったMarthaやLinaから、笑顔が見え隠れするようになるにつれ、視聴者も嬉しくなる。


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Marthaが目隠しをされて、味をあてるゲーム。このシーンは本作品もリメイクも、エロティックでドキドキする。最後にMarioが優しく口づけするシーンは、甘くロマンティックでとろけそうになる。音楽も素晴らしい。それからMarioやLinaが厨房でスパゲッティを食べるシーン。Marioのリズミカルなフォーク使いや、ぎこちない手つきで食べるLinaを見ていたら、速攻でスパゲッティが食べたくなった。スパゲッティには、ラーメンのような威力があって、見たらすぐに食べたくなる。満腹でも食べられる。Marthaのセラピストを演じるAugust Zirnerや、階下の隣人を演じるUlrich Thomsenが、何気に可笑しい。


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by amore_spacey | 2016-03-21 18:46 | - Other film | Comments(0)

A Second Chance (真夜中のゆりかご)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (74点)

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【あらすじ】 刑事のAndreas(Nikolaj Coster-Waldau)は、湖畔の家で妻Anna(Maria Bonnevie)や生まれたての息子とともに幸せな毎日を送っていた。そんなある日、通報を受けて同僚のSimon(Ulrich Thomsen)とともに現場にかけつけた一室で、薬物依存に陥った男女Tristan(Nikolaj Lie Kaas)とSanne(May Andersen)と育児放棄された赤子の衝撃的な姿を目にする。夫婦交代で息子をあやし愛に満ちた日々を送るAndreasだったが、ある朝思いがけない悲劇に見舞われ、彼の中の倫理観が揺らいでいく。(作品の詳細はこちら


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繰り返し出てくる寒々としたデンマークの湖畔の景色は、母性や育児放棄や虐待、貧困やドラッグやアルコール依存、家庭内暴力や離婚…と、リアルで深刻な社会問題を演出するのに、ぴったり。寂しげな湖や曇り空の薄暗さが重苦しく迫り、観ているだけで鬱々としてくる。余計なラストシーンで、弱冠安っぽくなってしまったのは残念だけど。

作品に登場するどの人も、何らかの問題を抱えて生きている。平静を装って暮らしているが、何かの拍子に些細なことが引き金となり、あっと言う間に心のバランスを崩し、その後の人生が全く違うものになってしまう。人間や人生ってものは、儚く脆いものだ。死んだわが子と育児放棄された赤子を取り替えたAndreas。妻のために犯した罪を隠し通さねばならないと思いつつ、ジャンキーTristanを尋問しながら、真相が発覚するのをどこかで期待している。保身と良心の呵責、両局面の抱き合わせ。ぎりぎりのところで行き来するAndreasの姿が、切実で痛々しい。


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ドラッグに家庭内暴力に育児放棄で自己中心。Tristan(Nikolaj Lie Kaas)ってば、最低なヤツ、人間のクズだ。『しあわせな孤独』でNikolaj Lie Kaasを初めて観て、「おっ、イケメンじゃん!」 好印象の出会いだったのに、その後は情けない役回りばかり。時にはイケてる役もお願いします。Simon演じたUlrich Thomsenが、いいのだ。好きだなぁ。あんなおじさんと、寂れた居酒屋で飲んでみたい。


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ところで夜泣きする赤ちゃんをあやすのに、何も外に連れ出さなくなって、家の中で出来ることがいくらでもあるでしょう。どうして外なの?不可解です、誰か教えてェ。


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by amore_spacey | 2015-10-25 17:51 | - Other film | Comments(2)

Banshee season1 10 episodes (バンシー シーズン1 全10話)

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆ (84点)

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【あらすじ】 前科者である大泥棒の男 (Antony Starr)が、15年の刑期を終えて出所した。その足で向かったのは、アーミッシュのいるペンシルヴァニア州のBansheeという田舎町だった。そこにはかつての恋人Anastasia(Ivana Milicevic)が、名前を変え別の男と結婚して2人の子どもたちと暮らしている。その彼女が、昔一緒に強奪したダイヤモンドを持っており、自分の分け前を要求するためである。
  男がBansheeの居酒屋で飲んでいると、新しくこの町に赴任してきたという保安官Lucas Hoodが入ってきた。そこに現れた地元のギャングはHoodと一触即発の状態になり、撃ち合いになった挙げ句、Hoodはあっけなく死亡する。一計を案じた前科者の男はこの保安官Hoodになりすまし、依然として犯罪に手を出しながら、その一方で悪を成敗し町を支配していく。(作品の詳細はこちら


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『ブレイカウェイ』『アダムのりんご』で、地味な役どころながら好印象を抱いたUlrich Thomsen(↑左の人)が気になって、このTVドラマシリーズを観始めたが、、、偽保安官を演じるAntony Starrにすっかりハマッてしまい、Ulrichそっちのけで一気にシーズン1を観た(笑) 私の中ではUlrich=スキンヘッドだったので、髪ありUlrichに違和感があったというのもあるが、今回演じている地元ギャングの元締めKai Proctorという役どころが、まぁぁぁトコトン悪いヤツで好きになれない。冷静沈着で温厚な男に見えるが、いったん切れると怖い、なんてもんじゃない。残虐非道な男に豹変して、手がつけられない。


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こちらが偽保安官Lucas Hoodを演じるAntony Starr(*^^*) 鍛え抜かれた身体は身軽でしなやかだが、言葉より先に手が出るわ、弾丸をぶっ放すわ、血の気が多い。来るものは拒まずで、若い女が身体を提供すれば遠慮なく頂戴する。正義感も強いが大泥棒のDNAも濃い。ハードボイルドな男なんだけど、どこか隙があって、母性本能をくすぐる。笑った顔がたまらなくいい。「前科者が保安官になりすます」というあり得ない設定も、彼なら許せる!


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脇役にも個性的な人材が揃っている。Job(Hoon Lee)の表の顔は美容師、実はコンピューターの達人で、危機一髪のところでいつもHoodを救い出す。毎回ヅラや化粧や衣装に工夫がこらされているので、それを見るのが小さな楽しみの1つである。


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居酒屋&食堂を営む前科者のSugar Bates(Frankie Faison)も、Hoodの良き理解者の1人。普段は静かに暮らしているが、ここぞというときに力を発揮してHoodを助けてくれる。Sugareの店で世間話をしながら食事したり一杯飲んだりするのが、Hoodにとって最高の安らぎであり幸せなひとときだ。

その他Hoodの昔の恋人Anastasiaや彼女の夫、Hoodの職場の同僚たち、Hoodが大泥棒だったころにかかわったロシア人マフィアのボスMr. Rabbit(Ben Cross)、15年の刑期の間ムショで出会ったギャングたち、Ulrich Thomsenの秘書Clay Burton (Matthew Rauch 彼も不気味だー) 、Hoodを通り過ぎる女たちなど、癖のある脇役が続々と出てくる。

小気味の良いテンポで話が進んで、気持ちがよい。腕力や暴力で決着をつけるなんて、野生動物の縄張り争いと大差ないが、人間も一皮剥けば動物とそれほど変わりはないんじゃないか?喧嘩に勝ったものが王者。敗北=死。裏切り者には、制裁や報復や復讐が待っている。とても分かりやすい構図だから、脳みそカラカラな私向きのドラマだ。

 
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by amore_spacey | 2015-08-16 01:26 | - TV series | Comments(0)

Flickering Lights (ブレイカウェイ)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 ギャングのリーダーTorkild(Søren Pilmark)は40歳の誕生日を迎えた。しかし彼女には振られ、せっかくの誕生パーティーでも、ボスに因縁をつけられる。何をやってもうまくいかない人生をやり直すため、Torkildはボスの大金を略奪しようと画策。腐れ縁のPeter(Ulrich Thomsen)とArne(Mads Mikkelsen)とStefan(Nikolaj Lie Kaas)を巻き込んで、計画を実行したTorkildたちは、銃撃戦で負傷しながらも、何とか逃亡先へ車を走らせた。しかし国境寸前まで来て、車が故障してしまう。なすすべもないまま、4人は廃墟となったレストランに身を隠すことになった。(作品の詳細はこちら


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そこらじゅうに銃弾が散乱し、流血事件が起きるにもかかわらず、オープニングからは予想もつかない結末が、静かに私たちを待っている。見終わったあとの余韻が、なかなかいい。これ、監督の愛情ですね。1回きりの人生、どこかで報われなくちゃ。現実はなかなかこう上手くはいかないけれど、せめて映画の中で夢を見させてくれてありがとう。

デンマーク作品ならではの、全体を包むブラックでシュールな空気、でも嵐を潜り抜けたトンネルの向こうに雪解けの春が待っている、そんな流れが、ドラッグのように病みつきになりつつある。そんなデンマーク映画と、切れると恐ろしい子になっちゃう不気味な髪型のMadsにハマった。私も危ない子になりつつある。


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ならず者の4人は心の交流の少ない家庭に育ったためか、大人になった今でも、心の中に癒されない子どもを抱えて生きている。精神的に危なくてどこか挙動不審の彼らは、互いの傷を舐めあうような共依存で大人になった。だから仲間のやり方や行動が気に入らなくても、文句を言いながらも濡れ落ち葉のようにくっついているし、足手まといになると分かっていても見捨てることができない。あー、イライラ!そんなどうしようも ない奴らなんだけど、どこか憎めない。彼らに比べると、Stefanの彼女は、あの中では一番マトモにみえたのに・・・(絶句) もう少し空気読めよ!卵なんてどうでもいいよ。


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どこをどうすると、「レストランを開業しよう」てなことになるのか?そこは深く追求しないけれど、人生の転機は案外こんなものかもしれない。ふっと頭をよぎった冗談のようなことが運気を変え、人生を好転させてくれるって、意外にあるものだ。とにかく、どのキャラも強烈!狩人のおっちゃんのラストシーンは、 本人はもちろんだけど、私もスカーッとした(笑)


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by amore_spacey | 2015-08-03 00:14 | - Other film | Comments(2)

Adams Æbler/Adam's Apple (アダムのりんご)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 善良で信心深いIvan司祭(Mads Mikkelsen)は、田舎の小さな教会で犯罪者の更生プログラムに携わっている。そこにはアラブ系のKhalid(Ali Kazim)や盗癖のある太っちょGunnar(Nicolas Bro)がいた。このプログラムに新しく加わることになったネオナチのリーダーAdam(Ulrich Thomsen)は、Ivanから更生期間中の目標を決めように言われ、 「アップルパイを焼くこと」と冗談のような人を舐めた目標を設定する。しかし思いがけない苦難が待ち受けていた。(作品の詳細はこちら


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『ハンニバル シーズン3』が始まり、私の中でMads熱が再燃してきました。彼の出演作品を観なけりゃ忘れてしまう、そんな程度のファンなのか?と言われれば、返す言葉もございません(汗)が、Mads一人祭りを細々と続けていきたいなと思っています。

さてこの作品はブラックユーモアが満載で、現実離れした漫画のようなシーンあり、流血 シーンあり、アブナイ人たちが大集合して、いったいこの話はどこへ進んでいくのだろう?と思わせるが、雲間から光がさすような小さな希望を暗示させるエンディングに安堵した。一番救われたのはIvanだな。


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何よりもAdamとIvanの掛け合いや2人の対照的な表情が、漫才のようでおかしくて仕方がない。「暴力が正義だ!」が信条のネオナチと、 どこか浮世離れした善良なる神の使い。そんな2人だから、うまく噛み合うはずがない。 狼狽するIvanが見たくてAdamはわざと色々仕掛けるのに、さらりとIvanにかわされるばかりか、逆に懇々と説教までされてしまう。「何なんだ、コイツは?」「頭イカレてるんじゃねぇのか?」

このAdamの予感は的中。聖人のようなIvanこそが、誰よりも更生(=カウンセリングや心のサポート)を必要としている人だったのだ。不幸な生い立ちに加え、結婚後もなお続く苦難。こんな状況の中で生きていくには、過去の出来事を「なかったことにする」以外に手立てがなかった。あまりにも辛すぎて消化しきれず、どうしても受け入れることができないのだ。


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Ivanの生い立ちや不幸を聞いたAdamは、スキンヘッドに腕には刺青、いつも苦虫を噛み潰したようなとっつきにくい顔つきだが、情にもろい下町気質なのか、弱い者を見ると放っておけない無法者の魂が 「コイツを助けてやらにゃいかん!」とささやいたのか? 「てやんでぇ、バカ野郎!」と毒づきながらも、AdamはIvanに手を差し伸べる。しかしネオナチの乱暴者だから、デリカシーなんてまるでない。ボコボコに殴りまくりの荒療治に出た。このあたりからAdamの善良な心がどんどん引き出され、表情や言動に丸みが出てくる。Adam、手荒いけどいいヤツだ。スキンヘッドが、よく似合うな。


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Madsもいい。無条件に可愛い。あんなに背が高くて体格がいいのに、小さな子どもみたい。眉毛のないMads、ハーフパンツのMads、白のエリザベスカラーをつけたMads(天正少年使節団とかザビエルが頭に浮かぶ)、鼻の曲がったMads、 クッキーを(人の分まで奪って)コーヒーに浸して食べるMads、お気に入りの歌を口ずさむMads、痛いところを指摘されると目が泳いでしまうMads、包帯ぐるぐる巻きの顔でアップルパイを食べるMads。どれも愛おしく守ってあげたくなるMadsだった。HannibalからIvanまで、ホントに芸域が広い役者だ。『フレッシュ・デリ』などで Madsとよく共演するNikolaj Lie Kaas、今回は残念で情けない役回りだったけど、こんなMikolajも好き。


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by amore_spacey | 2015-06-14 18:18 | - Other film | Comments(0)