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バール・マルゲリータの仲間達 (Gli amici del bar Margherita)

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

1954年、ボローニャ。バール・マルゲリータに集まる常連客たちの甘くてほろ苦い思い出を、もっと大人になったらこのバールの常連になりたいと夢見る18歳の青年Taddeo(Pierpaolo Zizzi)の目を通して描かれた、Pupi監督の半自伝的な作品。



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Taddeoはマンマ(Katia Ricciarelli)&祖父Carlo(Gianni Cavina)と一緒に、バール・マルゲリータのお向かいの家で暮している。そのバールには個性豊かな男たちが毎晩集まるのだ。常連客の親分的な存在Al(Diego Abatantuono)は、Taddeoが運転する車で毎晩ナイトクラブに通い、そこで一杯引っ掛けた後、ボローニャ駅構内のバールでラザーニャを食べ新聞を読むのが日課。シチリアから来たManuelo(Luigi Lo Cascio)は、盗んだ車を人に売りつける詐欺商売をしている。女性の裸が透けて見えるというメガネを通販で手に入れて大喜びをするおかしなヤツなのだ。Bep(Neri Marcorè)には近い将来結婚する予定の婚約者Beatrice(Maria Pia Timo)がいるのに、自称女子大生Marcella(Laura Chiatti)の神秘的な美しさに惹かれ、挙式前夜にMarcellaと駆け落ちを試みるのだが…。

レインコートを売るSarti(Gianni Ippoliti)は、一つしかないサイズをチビ・デブ・痩せの誰彼なく売りつける。Gian(Fabio De Luigi)は才能がないのに歌手を志し、歌手デビューの登竜門と呼ばれるサンレモ音楽祭に応募する。ゴム紐つき簡単ネクタイを発明したZanchi(Claudio Botosso)といったら、工場で働く女工達に片端から手をつけている。Mentos(Bob Messini)はバールのトイレに入ると、必ず扉を開けっ放しにして用を足すのだ。Taddeoの祖父Carloは、急に思い立って始めたピアノレッスンの若い女性講師Ninni(Luisa Ranieri)に淡い思いを寄せる。Taddeo自身は図書館の受付の女の子に憧れている。常連客同士の悪い冗談やTaddeoの恋のエピソードが縦横に絡まり、彼のバースデー・パーティーで話は佳境を迎える。



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演技派が一堂に会し、クスッと笑えるシーンが盛りだくさんです。唸ったのがLuigi Lo Cascio。『輝ける青春』で「Luigiっていいよね。すごくいいよね。」という声を聞いたが、「うーん、そうかなぁ?」と思っていた。あの時はAlessio Boniばかり観てたから。あのLuigiと同一人物とは思えないくらい今回は壊れてたけど、私は濃いキャラの今回のLuigiに好感が持てる。

この作品が浮ついたものにならなかったのは、Taddeoのマンマを演じたKatia Ricciarelliや祖父Carloを演じたGianni Cavinaなど、重厚な脇役に恵まれたからだろう。Pupi監督や音楽担当のLucio DallaやBortoloniを演じたCesare CremoniniやCarloを演じたGianni Cavinaは、何れもボローニャ生まれ。 

製作国:Italy
初公開年:2009年
監督:Pupi Avati
音楽:Lucio Dalla
キャスト:Diego Abatantuono, Laura Chiatti, Luigi Lo Cascio, Fabio De Luigi, Luisa Ranieri, Neri Marcorè, Pierpaolo Zizzi, Gianni Ippoliti, Katia Ricciarelli, Cesare Cremonini ...


by amore_spacey | 2009-11-19 03:35 | - Italian film | Comments(2)
Commented by s_fiorenzo at 2010-05-03 22:02
イタリア映画祭2010で観ました。
面白くて温かい作品でしたね。
が、Cesare Cremoniniに気がつかなかった! 残念!!
Commented by amore_spacey at 2010-05-06 03:07
☆ ACCOさんへ。
この手の作品ってすきなんです。古きよき時代を背景に色んなキャラクターが登場する。大事件が起きるわけではないけれど、観終わったあとほわんと幸せな気持ちになれるんです。3回目でやっとCremoniniを見つけました(^ー^)
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