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おと・な・り

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 カメラマンの聡(岡田准一)は、人気モデルの撮影に忙しい日々を送りながらも、風景写真を撮りたいという思いを抱えている。七緒(麻生久美子)は、花屋でバイトをしながらフラワーデザイナーを目指し、フランス留学を控えている。同じアパートの隣同士に暮らす、30歳&恋人なしの二人が顔を合わせたことは、一度もない。口ずさむ「風をあつめて」のメロディーやフランス語やコーヒー豆を挽く音。いつしか互いの生活音に癒しを感じるようになる。


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タイトルの「おと・な・り」は、「お隣り」に「音鳴り」をかけているんですね。なんか、いいな。2人の暮すアパートが、昭和初期の小学校のような雰囲気で、なかなか良い感じなのです。それにしても色んな音があそこまで筒抜けだなんて、壁の薄いアパートだな、なんて突っ込みはなしで…。苦笑

大きな事件が起きるわけではなく、日常生活の中の小さな出来事を紡ぎ合わせた静かな作品である。恋人なしの男女が微妙なすれ違いを何度も繰り返したあと、ぽんと繋がる。従来のラブストーリーのように、熱い思いを語ったり修羅場を繰り広げたり、というのが全くない。彼らの人生や恋がそっと動き出すまでの時間を、淡々と描いている。

それが今どきの恋愛なのかな?それだけに聡のところに転がり込んで来た威勢のいい茜(谷村美月)が、とても生き生きしていて好感がもてた。私は七緒より茜タイプのほうが好き(私自身は七緒に近いけど)。2人の会話だけが聞こえてくるエンドロールが、ものすごくよかった。この作品をそのまま歌にしたような、はっぴいえんどの♪ 風をあつめて♪(音が出ます!)が、心の中で何度も流れる。懐かしい。

製作国:Japan
初公開年:2009年
監督:熊澤尚人
キャスト:岡田准一, 麻生久美子, 谷村美月, 池内博之, とよた真帆, 平田満, 森本レオ ...


by amore_spacey | 2011-05-30 02:40 | - Japanese film | Comments(4)
Commented by 紫香楽 早和子 at 2011-06-01 04:00 x
風をあつめて ほのぼのとしてホッとできる曲ですね!
エミリアさんの解説で とても 見たくなりました。
七緒と茜タイプ 私は、どちらがすきになるのかなぁ~!?
Commented by sandonomeshi at 2011-06-01 15:52
今年のベルリナーレで観て気に入った”Medianeras”という映画を思い出しました。向かい合わせに建っているアパートにそれぞれ住んでいる一人の男と女。ブエノス・アイレスという大都会で孤独に暮らしながら、あちこちですれ違っているのに知り合えない二人。それぞれの暮らしをそれぞれの目で追いながら、最後には・・・。(ご興味ありましたら→http://sandonomes.exblog.jp/14257529/) 
“おと・な・り”とはまた違った雰囲気のような気がしますが、こちらも気になります。^^
Commented by amore_spacey at 2011-06-02 01:17
☆ 紫香楽 早和子さんへ。
特に山場がなく日常の風景が淡々と描かれているので、途中で退屈になるかもしれません。長いし…。でもラストシーン&エンドロールがとってもよかったので◎です。風をあつめて、がとても効果的に使われていました~♪
Commented by amore_spacey at 2011-06-02 01:29
☆ さんどさんへ。
トレーラーを観てみました(な、長いっ!) さすが大都会ブエノス・アイレスという風景が次々と出てきますね。国やそれぞれが置かれた状況は違っても、『おと・な・り』『Medianeras』の2つの作品には同じ空気が流れているような気がします。『Medianeras』のエンディングが気になるので(^^)、探して観てみますね。ご紹介ありがとうございます!
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