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点と線 (2007年ドラマ版) 

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 昭和32年。福岡市香椎の海岸で、男女の情死体が発見される。その数日前に東京駅のプラットホームで、2人が夜行列車に乗る姿を、政財界に顔が広い実業家・安田辰郎(柳葉敏郎)や小料理屋の女中たちが目撃していた。
 一見ありふれた情死に見えたが、死んだ男・佐山憲一(大浦龍宇一)が、現在社会をにぎわしている産業建設省の汚職事件の関係者であったことから、博多のベテラン刑事・鳥飼重太郎(ビートたけし)と本庁の三原紀一刑事(高橋克典)が中心となり、他殺の線で事件の捜査に乗り出す。その結果、東京駅で13番線プラットフォームから15番線プラットフォームが見えるのは、1日の中でわずか4分間しかないことを突き止め、安田を容疑者として追及しようとする。だが安田には、完璧なアリバイがあった。


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いつの頃からか?ヴェネチア映画祭の常連となり、日本マニアのイタリア人に大人気のビートたけし(伊人には北野たけしのほうが馴染みがある)。彼が主演と聞いて、う~む?と躊躇したが、つい最近『珈琲屋の人々』で再会した高橋克典も出ているので、克典一人祭りの一環で観ることにしました。

まず主役級の超豪華キャストに圧倒された。謎解きも面白かったが、本庁の刑事たちが鳥飼の人間性に次第に尊敬の念を抱いて行く過程は、なかなか見応えがありました。博多に帰る鳥飼に向かって、刑事たちが深々と頭を下げるシーンに、胸がジーンと熱くなり、夏川結衣が演じる安田の妻・亮子の女の情念には、ぞくぞくして鳥肌が立った。ギバちゃんが苦手な私としては、あの役を一見クールだけど熱いものを秘めている、内野聖陽や長谷川博己のような人にやって欲しかった。


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安田のアリバイを崩すのに刑事たちは四苦八苦していたが、移動手段は電車のほかに飛行機があるじゃないか!と視聴者はすぐに気づく。21世紀の私たちにとって、飛行機は日常生活に密着しているからだ。が、昭和32年当時、庶民の生活には無縁だったから、こんなストーリーが成り立つわけですね。電車フェチや時刻表フェチにはたまらないシーンやトリックが満載で、そちらも面白い。


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高橋克典には軟派なイメージがあるんだけど、こういう硬派も悪くありませんね。謎解きとともに、彼の喜怒哀楽の表情に一喜一憂したワタクシ。『砂の器』と同じくこの作品にも、海の景色がよく登場する。海水浴客でにぎわう、あるいは波が静かに寄せては引く砂浜ではなく、荒波の日本海やごつごつした海岸が多い。象徴的だ。

製作国:Japan(テレビ朝日)
放映日:2007年11月24 日~25日
監督:石橋冠
原作:松本清張
キャスト:ビートたけし, 高橋克典, 小林稔侍, 橋爪功, 柳葉敏郎, 夏川結衣, 名高達男, 江守徹, 竹中直人, 大鶴義丹, 内山理名, 市原悦子, 池内淳子, 宇津井健, 石坂浩二(ナレーション) ...


by amore_spacey | 2014-06-08 04:00 | - Japanese film | Comments(0)
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