私のお気に入り度
★★★★☆(85点)
【あらすじ】 1993年10月3日。ソマリアの首都モガディシオの市街地に、100名の米軍特殊部隊の兵士たちが舞い降りた。彼らの任務は、現地の独裁者Mohamed Farrah Aidid将軍の副官2名を捕らえること。当初、作戦は1時間足らずで終了するはずだったが、ブラックホーク・ヘリが撃墜されたことから、兵士たちの運命は一変した。 実際にソマリアで起こった、15時間に及ぶ壮絶な激闘を映画化。「兵士たちはアメリカやソマリアのためでなく、ただ窮地に陥った仲間を救うためだけに戦った。」
2時間20分という長さを感じさせない、リアルで迫力ある作品だった。暴徒と化した大勢のソマリア民兵が、負傷した米兵たちをじわじわと取り囲んでいくシーンや、弾丸が発射された瞬間は、自分がそこにいるかのような錯覚に陥り、心臓バクバク。今まで味わったことのない緊張感に、観終わったあと疲労困憊してグッタリ。主役・準主役級の素晴らしいキャストが集まったのも、脚本やRidley Scott監督の手腕によるところが大きかったに違いない。
戦場がどんなものなのか?死と隣り合わせにいる兵士たちの、追い詰められた精神状態。無秩序や混沌が渦巻いた極限状態で味わう、怒りや恐怖や痛みや絶望。それらはとうてい想像もつかないが、少なくともこれを観た多くの人は、強烈な何かを感じたはずだ。
ブラック・ホークが墜落。それは全く想定外だった。かくして容易なはずのミッションが、困難な救出作戦へと変わる。市街戦に集中させたことで、もはや人間の手では止められない次元で、戦闘が拡大していく過程をじっくり描き出した。始めたら最後、もうやめられない。引き返せない。その恐ろしさ、そこに生じる膨大な負のエネルギー。それが戦争なのだと思うのです。
作品の詳細は
こちら。