バンバン・クラブ （The Bang Bang Club）

私のお気に入り度 ★★★★☆ （８０点）

【あらすじ】　1990年、戦場カメラマンGreg Marinovich（Ryan Phillippe）は、激しい内戦が続く南アフリカの紛争地帯に潜入。そこで彼はベテランカメラマンKen Oosterbroek（Frank Rautenbach）、Kevin Carter（Taylor Kitsch）、João Silva（Neels Van Jaarsveld）らと出会う。
　4人は競い合うように危険地帯にカメラを向けるが…。1990年代初頭の南アフリカで活躍した4人の戦場カメラマンのうち、生還した2人が記したノンフィクションを映画化。（作品の詳細はこちら）


Taylor Kitsch1人祭り、続行中。現地の惨劇をよりリアルに知ってもらいたいと、写真で世界に訴える戦場カメラマン。賞獲得や名声に躍起になる駆け出しのカメラマン。過激な写真を大金で買いあさる大手メディア。安全なところから一歩も出ないで、「カメラマンに正義はあるのか？」「少女を助けるべきではないか？」と批判し、大衆を煽るマスコミ。


ハゲワシと少女の写真が世界中で物議を醸したのを、私も覚えている。写真には、被写体になった人だけでなく、彼らを取り巻く人生そのものがある。それらを勝手に切り取って公表するのは、人権を蹂躙することになりはしないだろうか？人命優先ではないのか？カメラマンたちはこのボーダーライン上で逡巡しつつ、自分の命と引き換えにシャッターを押す決断をする。戦場カメラマンの姿をストイックに捉えた作品だ。