Dabba/The Lunchbox (めぐり逢わせのお弁当)

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 インドの大都会ムンバイでは、ダッバーワーラー(弁当配達人)という業者たちが、ランチタイムに弁当をオフィスに届けてくれる。主婦Ila(Nimrat Kaur)の作った弁当が、ある日Saajan Fernandes(Irrfan Khan)に誤って配達された。冷え切った夫との関係が寂しいIlaは、夫の愛情を弁当で取り戻そうと、心を込めて作ったのだった。妻に先立たれたSaajanは、久々の手料理の味に心動かされる。(作品の詳細はこちら


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約2年ぶりのアジア映画。久しぶりだなぁ。で、これは、キンキラの衣装で歌って踊りまくる、エネルギー炸裂のインド映画とは一線を画す作品だった。黙々と働く弁当配達人、猥雑としたインドの町、日本の通勤ラッシュ時のような光景を繰り広げるインドの通勤列車、夫に愛人のいる妻、妻に先立たれた男、お節介な叔母、鬱陶しい新人…。その中でIlaが作るスパイシーな弁当に、私の目は釘付けだった。5段の小さな丸いステンレスの容器に、色んなものが少しずつ入っている。それを1つ1つ開ける楽しみやワクワク感っといったらない。そうだ、今夜はカレーライスにしよう!


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ヒロインIlaを演じたNimrat Kaurの、ちょっぴりアンニュイな雰囲気にも惹かれた。インドというより、ヨーロッパの香りがする。こんなに美しく料理上手な妻がいるのに、愛人を作る夫って何考えているんだろう。きれいに洗われた空の弁当箱には、手紙まで入っている。空の弁当箱が手元に返ってくるのを、Ilaは待ち切れない。

満たされない気持ちのIlaを支えるのが、階上に住む叔母である。弁当の具や調理の仕方やスパイスの使い方から夫の気持ちを取り戻すノウハウまで、上から大声でまくしたてる。イタリアにもいるいる、こういうタイプ。叔母は最後の最後まで声のみで姿は見せないが、あの絶大な存在感!


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ハエの様に煩い新人Shaikh(Nawazuddin Siddiqui)と物静かなSaajanは、まるでお笑いコンビのように対照的で、初めはSaajanも視聴者も、「ったく、鬱陶しいヤツだなぁ」とイライラしつつ、人懐こくて可愛げのあるSiddiquiのペースに巻き込まれていく。呆れるほど使えないヤツなんだけど、たぶんSaajanの後釜として、会計監査のエキスパートになってくれるだろう(希望的観測)

Saajanは会社の会計監査で、この35年間一度もミスしたことがない。趣味らしい趣味はなく、面白味に欠けるかもしれないが、実直で勤勉な男だ。そんな彼がIlaに会ってみようか、という思いが頭をよぎるものの、自分のニオイに老いを感じ、愕然とする様子にほろりとする。「誤配送のおかげで、ほんのひととき、いい夢を見させてもらったよ。ありがとう」 彼はそれ以上、彼女に深く踏み込もうとはしなかった。その判断は、正しかったと思う。想像を膨らませるような描き方や、無理やりこじつけたりハッピーエンドにしないで、その後の展開を視聴者に委ねるようなラストがよかった。


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by amore_spacey | 2016-07-23 18:10 | - Asian film | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2016-07-25 12:36
映画館で見て、この春スカパーでも見ました。
上の階のオバサンは一度も顔を出さずして、
存在感がありました。でも寝たきりのご主人の話を何度も
繰り返すあたりはどこの国もお年寄りって同じなんだって
笑ってしまいました。
後釜さんにはイラッとさせられます。車内で大事な帳簿の
上で野菜を切るって、インド式ユーモアなのか、こんなにも
おバカな奴だと表したかったのかが引っかかりました。
カフェでイラに声かけなかったのは年齢差を感じてから?
結果はどうあれ、とりあえず、声をかけて欲しかった。
結末がちょっとフランスのようにハッキリしなくて
歯がゆかった。
Commented by amore_spacey at 2016-07-31 17:33
☆ ソーニャさんへ。
2回ご覧になったんですね。ホント、繰り返し同じ話をしたりするところは、世界共通ですね。キラキラ(けばけばしい?)して、歌って踊ってしゃべりまくりのインド映画は、観る側にエネルギーがないと、疲れてしまいますが、本作品のタイプは何回も観たくなります。スパイシーな食べ物も魅力的^^ 白黒はっきりしない結末は、歯がゆい部分もありますが、色んな結末を私たちが想像できるってことですね。
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