私のお気に入り度
★★★☆☆ (73点)
【あらすじ】 1950年代のローマ。Nando Moriconi(Alberto Sordi)はアメリカに憧れる若者で、変なアメリカ英語を話しながら、コーンフレークにケチャップをかけて食べたり、John Wayneの歩き方を真似たりする。彼の夢はアメリカに行くことだが、渡米するにはビザが必要だ。そこで何を思ったか、彼はコロッセオのてっぺんにのぼり、アメリカ大使館がビザを出してくれなければ、ここから飛び降りる!と駄々をこねるのだった。(作品の詳細は
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ローマを歩いていると、この写真が必ず目に飛び込んでくる。とても有名なシーンだ。イケメンとはかけ離れ、いかにも労働者といった雰囲気のあるAlbertoが、ローマ訛りのおかしなアメリカ英語を気取って話す姿は、ルー大柴や長嶋茂雄のように、滑稽で愉快・痛快。
アメリカにぞっこんのNandoは、衣食住すべてをアメリカっぽくしたいが、それには限界がある。その中途半端さや思い込みが、バカバカしいやら可笑しいやら。しかし本人は大真面目なのだ。変な英語で相手を煙に巻きながら、あちこちで事件を起こし、界隈でもお騒がせ男として有名だ。
彼のアメリカかぶれっぷりは、ドイツ兵やアメリカ兵が相手でも変わらず、挙げ句の果て逮捕されてしまう。ローマの下町を舞台に、あり得ないシチュエーションで話は展開していくが、人懐こいAlbertoを見ているだけで笑いがこみあげ、気持ちが和む。