私のお気に入り度
★★★☆☆ (72点)
【あらすじ】 書店でアルバイトをしている34歳の彩(上野樹里)は、給食センターでアルバイトをする20歳上のバツイチ男・伊藤さん(リリー・フランキー)と交際中。ある日、彼らが一緒に住むアパートを、息子の家を追われてしまった彩の父(藤竜也)が訪れる。父親は伊藤さんの存在に驚きながらも、「この家に住む」と言い出した。(作品の詳細は
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機内上映のレビューは、これで終わり。この作品は観る人の立場によって、感じ方や捉え方が違ってくるでしょう。私は娘の立場で観ていたから、彩とほぼ一心同体でした。が、あそこまでクールに対応できない。感情が先走り、学習能力もないから、修羅場を繰り返しそうですわよ。
彼女のさらに上を行くのが伊藤さんだ。結婚しないし子供もいらない、彼でもなく夫とも違う。彼の正体は謎に包まれているが、お父さんと年齢的に近く男同士というのも手伝って、結構ウマが合い、波風立てずうまくやってくれる。フンワリとして掴み所がないようで、ここぞと言うときには要(かなめ)になり、彩の家族を良い方向に導いてくれる。
伊藤さんが彼でも夫でもないという曖昧な立場だからこそ、あんな台詞が言えたりこんな行動をとることができたのかもしれない。都合が良すぎるし、現実はこんなもんじゃない。年老いた親の問題に正解はないし、どんな道を選んでも、割り切れないもやもやした気持ちは残るんだから。あの3人はたぶん一緒に暮らしていくだろう。決してなだらかな道のりではないが、伊藤さんがいるから大丈夫。修羅場になった時「伊藤さーん」と叫んだら、みんなのところに飛んで来てくれないかしら。
何度も出てくる食事のシーンが、空腹の私を直撃して、あの飯テロには参りました。トンカツやエビフライがすこぶる美味しそうだったから、明日はトンカツにするかなァ?ところでお父さんは、何だってあんなにスプーンを集めたんでしょうか?