Ovosodo

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (74点)

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【あらすじ】 奥手でおとなしい高校生Piero(Edardo Gabbriellini)は、LivornoのOvosodo地区で暮らしている。幼い頃に母親を亡くしたが、父親はさっさとMara(Monica Brachini)と再婚して、女の子が生まれた。ようやく家族5人で落ち着いた日々が続くかと思いきや、父親は窃盗罪で刑務所に送られてしまう。1997年ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。(作品の詳細はこちら


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思春期真っ只中のPieroは、シャイでちょっぴり奥手の高校生だ。家の中は常にゴタゴタしていて、居心地が悪く、ちっとも気が休まらない。自分の気持ちをぶちまけたい実の母親も、この世にいない。女の子との付き合い方も良く分からず、心の中はもやもや。この先ボクは、いったいどうなるんだろう?この作品はそんな彼の成長記であり、彼の人生を変えた人々の話である。

両親や兄弟やアパートの住人たち、単なる幼馴染から恋愛関係に発展していったSusi(Claudia Pandolfi)、幼い頃の懐かしい風景や思い出、勉強の大切さを教えてくれた中学の教師Giovanna(Nicoletta Braschi)、高校の同級生で親友になったTommaso(Marco Cocci)、初恋相手のLisa(Regina Orioli)のことなどが淡々と描かれ、あんなに頼りなかったPieroが、映画が終わる頃には結婚して家庭を築いている。青春時代の荒波をのり越え、様々な経験を経て、やっと居心地の良い場所を見つけた。ぐんと大人になった表情が、逞しく清々しい。Pieroを見つめる監督の眼差しが、これまた優しくて温かい。


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舞台となったLivornoは、Paolo Virzì監督の故郷であり、タイトルのOvosodo(固ゆで卵=uovo sodoが訛った)地区はとても庶民的な界隈である。向かい合ったアパートには労働者階級の家族が暮らし、住人たちはみんな顔見知りで、互いに助けあって暮らしている。だからちょっとしたことも筒抜けで、噂になって知れ渡ってしまう。窓からは食器の触れる音やテレビの音、赤ちゃんが泣く声や夫婦喧嘩などが聞こえてきて、隣人の暮らしぶりが手に取るように分かる。一昔前のイタリアのありふれた日常が、丁寧に描かれている。

そんな界隈で育ったPieroだから、素朴で人が良く、彼の持つ雰囲気は穏やかだ。医者や弁護士の子息子女が通う由緒ある高校に通っているが、父親が刑務所に入っているPieroは、異質の存在である。でもそこで彼は捻くれたり腐ったりしない。クラスのみんなもハブったりしない。それどころかイタリア語が得意な彼を、みんなが頼りにしている。取り繕ったりしない誠実で素直な姿に、ほっと気持ちが安らぐのです。


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by amore_spacey | 2018-04-02 02:34 | - Italian film | Comments(0)
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