終着駅 (Stazione Termini)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 アメリカ人の若い人妻Mary(Jennifer Jones)は、妹を訪ねてローマにやって来た。数日間町の見物をしたが、そこで英語教師のGiovanni(Montgomery Clift)と知り合い、激しい恋に落ちる。しかし夫や娘のことを思い、アメリカに帰国することに決めたMaryは、引き裂かれるような思いでテルミニ駅に来た。そこへGiovanniが駆けつけるが、慌しく哀切に満ちた別れは、刻一刻と迫ってくるのだった。(作品の詳細はこちら


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子どもの頃、たしか親と一緒に観たような気がする。テルミニ駅で繰り広げられる悲恋物語に、両親は深く感動していたけれど、陰気で辛気臭いMontgomeryに私はうんざりしてしまった。これを観るのは2度目だが、どうしても彼が苦手。だから彼のやることなすこと全てが、癇に障る。Mary から紹介された甥っ子Paulを、彼はにこりともせず無愛想な顔で見る。甥っ子のほうがよほど大人で紳士だ。入線してくる電車の前を横切る暴挙や、女性の頬を引っ叩くのは、全くありえない行為。短期で粘着気質な男だ。重箱の隅っこ的だけど、動き始めた列車から飛び降りて転んだ彼を心配して、助け起こしてくれた男性に、お礼すら言わないなんて、つくづく残念すぎる。こんな男に恋するなんて、異国の旅という非日常の魔力は捉えどころがない。


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と、初っ端から言いたい放題ですが、若妻を演じたJenniferはとても魅力的で、あちこち揺れ動く女心を切なく見せてくれました。でもこの2人の恋に落ちる経緯が描かれていないので、ほとんど感情移入ができず(不倫相手がMontgomeryだから尚更)、「うーん、私だったら頬を殴られた時点で、ゲーム終了ですが…」と気持ちが冷める。アメリカに帰国するのに、手ぶらでテルミニ駅に来ちゃっているMaryも、何だかよく分かりません。


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感情移入できない2人の悲恋物語より、テルミニ駅を行き交う人々やそこで働く人々のほうが、何倍も楽しく活気に溢れて面白かった。いつも公衆電話の前にいる、オレンジを持った胡散臭いおやじ(Paolo Stoppa)、兵士たち、恰幅のいい聖職者たち、家族連れ、気分が悪くなった妊婦やその夫、切符売り場や電報局の職員、荷物のカートを押す職員、駅の公安委員や警官や警察署長。何かあるとわらわら集まってくる人々。バールや食堂のカメリエレ、構内アナウンス、ガヤガヤした雰囲気。警察に向かう2人を、野次馬根性丸出しでジロジロ見る人々。当時の大きなお札や、今と少しも変わらないテルミニ駅の外観。旅は日常生活を忘れさせてくれる。旅の出発・終着となる駅や空港は、人の心をそぞろにさせる。また旅に出たくなってきました。


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by amore_spacey | 2018-04-14 02:16 | - Italian film | Comments(0)
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