私のお気に入り度
★★★☆☆ (73点)
【あらすじ】 平田家に泥棒が入り、長男・幸之助(西村雅彦)の嫁・史枝(夏川結衣)がひそかに貯めていたへそくりが盗まれた。自分の身を心配せずにへそくりをしていたことに怒る幸之助に対し、史枝は不満を爆発させ家を出ていってしまう。家事を担当していた彼女がいなくなり、母親の富子(吉行和子)も体の具合が良くないことから、父親の周造(橋爪功)が掃除、洗濯、炊事をやることになる。しかし慣れない家事に、四苦八苦するばかり。
機内上映その2。どこかでこれを観たなと思ったら、
『東京家族』の続編なんですね。専業主婦の史枝は自分のやりたいことを我慢し、文句も言わずただ家族のために生きる、イマドキかなり珍しい昭和の嫁である。夫の幸之助も、典型的な昭和の男だ。それが良いかどうかはさておき、平田家はかつての日本の家族の原風景だなぁとしみじみ思いました。ありがちな展開だけれど、安心して観ていられるホームドラマで、心身共に疲れていた私には、身の丈にあった服を着ているような心地良さがありました。
夏川結衣の演技が自然体で、共感を誘うシーンも多々あり。彼女、前より幾分ふっくらしてきて、いい感じのおばさんになってきました。甲斐甲斐しくテキパキと家事をこなし、片時もじっといていない。私の母も貧乏性で、ゆっくり座っていることが出来ません。家族にとって主婦は空気のような存在で、有り難味がよく分からないんですね。人間ってバカだから、失ってみてやっと気がつく。だから史枝さんは、小さな反乱を起こしました。彼女にだって限界はあります。
家族で共同生活を営んでいるのだから、みんながあと1ミリぐらい視界を広げてくれたら、主婦は気持ちよく家族のために動けるし、家の中の風通しもずっと良くなる。幸い家事や育児にも積極的に協力する男性が増えているそうで、これはとてもいいことです。というか、当たり前ですよね。俺が喰わしてやっているんだ、この野郎!アタシだって働いて育児もやってるのよ、キーッ!と平行線を辿るのではなく、お互いに歩み寄ることが大切だと思います。