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夕なぎ (César et Rosalie)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 シングルマザーのRosalie(Romy Schneider)は、解体業を営む50歳前の男César(Yves Montand)と出会い同棲するようになった。そんなある日、母Lucie(Eva Maria Meineke)の3回目の結婚式で、かつての恋人David(Sami Frey)に再会したRosalieの心は揺れる。彼は5年前に彼女のもとを去っていったが、再び彼女に愛を告白。それを知ったCésarの心も、激しく動揺するのだった。2人の男性にはさまれ、悩んだRosalieは、姿を消すが…。(作品の詳細はこちら


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ちょっと、何これ。Rosalieったら贅沢すぎるじゃありませんか。CésarとDavid、全くタイプの違う2人の男から、こんなに愛されるなんて、羨ましいったらありません。陽気で情熱的なCésarは、Rosalieへの愛のためなら地の果てまで追いかけ、恥も外聞もなく男の虚栄や嫉妬を剥き出しにする。玩具を買ってもらえない子どもが癇癪をおこし、床にひっくり返って泣き叫ぶ、アレだ。一人前の男があそこまで大暴れするなんて、よく言えば一途で無邪気でかわいいが、こんなタイプは重すぎて嫌だ。

一方のDavidは熱い思いを胸の奥に秘めて、表面的には超クール。リアクションがCésarとはぜーんぜん違うのだ。Rosalieを愛するればするほど、何だかそっけなくなっちゃう。プラトニックな愛に似て、人を愛する自分が好き。彼はナルシストなんだろう。Césarと違ってDavidは修羅場に遭遇したくないから、悪い兆候を察するや否や、そっとRosalieの元を去っていく。引き際も実にスマートでクールなのは、自分が傷つきたくないから?

そして母の血を受け継いだRosalieは、愛に奔放で束縛を嫌い、全くタイプの違う2人の男の間を、気の向くまま行ったり来たりしている。Rosalieを演じたRomy Schneiderの、輝くばかりの美しさや気品といったらどうでしょう。優等生的な女優Romyが、フランス映画の恋愛モノで違和感がないのは、驚異的なことで、彼女が成熟した女性になったという証でしょうか。男たちに媚びたり寄りかかったりせず、しなやかにたくましく生きるRosalieは、まるでRomyの分身のようでもあります。

そうこうしているうちに、ストーリーは意外な方向へと展開していく。水と油のようなCésarとDavidに、まさか楽しく談笑する日が来ようとは…。彼らは恋敵(がたき)だったのに、いつの間にか奇妙な友情が芽生えて、親友と呼んでもいいような間柄になっちゃうんだから。男って、女って、恋愛って、人生って、分からないものです。この先も3人の間には、夕なぎのような穏やかな関係が続くのだろう、という余韻を残しつつ作品は終わる。これがフランス的大人の愛なのか。私には無縁の世界だなぁ。少女の雰囲気を残すIsabelle Huppertが、ちらっと出ていました。余談ですが、当時のフランスの消費税が25パーセントって…(絶句) 今何パーセントですか?


by amore_spacey | 2019-03-13 01:11 | Other film | Comments(2)
Commented by 松たけ子 at 2019-03-14 01:21
amoreさん、こんばんは!
「夕なぎ」!これも前から観たい!でも観られない!映画の一本!クロード・ソーテ監督の作品、いいですよね~。邦題も素敵ですよね~。
ロミーは本当に素晴らしい女優!しなやかにたくましく、そして悲しい…彼女みたいな気品と情熱をあわせもつ大人の女優、今いないですよね~。当時のロミーっていくつぐらい?30代半ばぐらい?竹内U子とか篠原R子とかと一緒ぐらい?彼女たちが演じてるオトナ女子とか、ロミーに比べると何て薄っぺらくて虚構っぽいのでしょう。
私も違うタイプのいい男ふたりの間で揺れる想い~♪ by ZARD してみたいものです。私は子どもっぽい男より、クールな男のほうがいいわ。
イザベル・ユペールも出てるんですね!日本ではなかなか観られないロミーの作品のレビュウ、またよろしくお願いいたします!😊
Commented by amore_spacey at 2019-03-18 03:00
☆ 松たけ子さんへ。
子どもの頃アラン・ドロンの彼女ということしか知らなかった若いロミーがどうにも好きになれず(顔立ちとか…)、大学生になって2人の共演作を観ても、アラン・ドロンがどうして彼女に惹かれたのか分からず、最近彼女が30~40代の作品を観るようになって、遅ればせながらやっと彼女の良さが分かり始めました。お人形扱いされていたお姫様時代から見事に脱皮して、超美人ではないけれど、危ういバランスを秘めた魅力に溢れていますね。何と言って気品のある佇まいが印象的です。そうですねぇ、私はぐいぐい来るタイプもクールなタイプも苦手で、空気のような存在だけど適度に笑わせてくれる人がいいかなぁ。

ええっと、たぶんこれがユぺりんのデビュー作品だと思います。顔立ちは既に大人びていますが、まだ成長の過程にあって、心身にちょっとチグハグした印象がありました。ユペりんも若い頃より最近のほうが魅力的ですね。
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