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Il testimone invisibile

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 「今年の起業家」にも選ばれた若手実業家Adriano Doriaには、美しい妻や可愛い娘のほかに、写真家の美しい愛人Laura(Miriam Leone)がいた。しかしAdrianoは愛人の殺人罪で告発・逮捕され、自宅軟禁下にある。彼は身の潔白を証明するため、法廷で一度も敗北を経験したことがないという、有能な弁護士Virginia(Maria Paiato)に援助を求め、事件前後の詳細を一部始終を話すのだった。(作品の詳細はこちら


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この映画は2つの殺人事件当時に何度も遡りつつ、1つ1つ謎を解き明かしながらフィナーレを迎える。作品の大部分を占める実業家Adrianoと弁護士Virginiaの会話シーンは、見応えがありました。家族や人間関係を描いたイタリア映画には優れたものが多いが、面白いミステリー・サスペンスが少ないので、この作品はなかなかいい線いってるなと思ったのですが、見終わってから2016年のスペイン映画Contratiempoを忠実にリメイクしたものと知って、なーんだとちょっぴりがっかり。

Adrianoは2つの殺人事件の容疑者として逮捕された。殺されたのはTommaso(Fabrizio Bentivoglio)とSoniaの息子、そしてAdrianoの愛人Laura。後者はホテルの部屋で起きた密室殺人事件で、Adrianoが気を失って床に倒れていたことや、これといったアリバイがなく目撃者もいないことから、真っ先に犯人の疑いがかけられた。Adrianoにしてみれば、誰かが仕掛けた罠にハメられ、犯人に仕立て上げられたような状況で、何としても身の潔白を証明しなければならない。自分に不利な材料ばかりの状況の中で、窮地を脱することができるのか?

事件前後の様子は、Virginiaの質問にAdrianoが答える形で再現される。事件に関わった人物は、Adrianoと愛人Laura、TommasoとSoniaと息子、車で通りかかった男、そしてホテルの従業員たち。この中で一番疑わしいのが、AdrianoとTommasoの2人。どちらにも殺すだけの動機があるからだ。しかしVirginiaにとってAdrianoは、大事なクライアントでもある。頭から犯人と疑ってかかってはいけない。かと言って、彼を全面的に信用していいものか、100パーセント真実を語っているのか?食い違いや矛盾はないか?嘘はないか?徹底的に洗い出すのも、彼女の仕事だ。目撃者がいない限り、クライアントの証言だけが頼みの綱だから、慎重に進めていく必要がある。ここは辣腕弁護士の腕の見せ所だ。Adrianoの証言に納得がいかなければ、Virginiaはあの手この手で矛盾を明らかにし、事件の核心に近づいていく。途切れることのない2人の会話の水面下では、相手を出し抜こうと、目に見えない駆け引きや攻防戦が行われ、時には張り詰めた空気が漂う。最後にサプライズがあるが、勘のいい人は途中であれっ?と気づくかもしれません。

弁護士を演じたMaria Paiatoは今回初めてだが、舞台出身の女優らしく存在感がある。話し方や表情がやや大袈裟で、それこそ舞台劇を観ているような錯覚に陥る瞬間もあるが、何よりも役づくりがうまいので、彼女の魅力にぐいぐい引き込まれる。Lauraを演じたMiriamやAdrianoを演じたScamarcioは、Maria Paiatoの迫力や演技力に押されて、無残でした。台詞は棒読み、顔の表情はワンパターンで、学芸会レベル。BGMも耳障りでした。「これ、サスペンスなんだよ!」「ここ、山場だから。ちゃんと見てね」と言わんばかりに煽り立てる俗悪なBGMのせいで、画面に集中できない。あれ、もう少し何とかならなかったのかしら。燻し銀のようなFabrizio BentivoglioがMaria Paiatoと共に脇を支えてくれたので、何とか作品として成り立ったと言えましょうか。

その後オリジナル作品Contratiempoを観たのですが、本作品は寸分違わずそっくりそのままリメイクされているんですよね。いやもう、オリジナルを買い取って、CGでイタリア人俳優に置き換えただけ、なレベルで驚いた。そこまでしてリメイクする意味が、イマイチ分かりません。


by amore_spacey | 2019-05-08 01:07 | - Italian film | Comments(0)
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