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卒業 (The Graduate)

私の作品お気に入り度 ★★★☆☆ (78点)
私の音楽お気に入り度 ★★★★☆ (95点)

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【あらすじ】 大学を卒業し前途洋々のBenjamin(Dustin Hoffman)は、祝賀パーティの席で誘惑をかけてきた中年女性Robinson夫人(Anne Bancroft)と、逢瀬を重ねることに。だが彼女の娘Elaine(Katharine Ross)が現れた事で、その関係は崩れていく。親の勧めで彼は不承不承Elaineと付き合うが、徐々に彼女に惹かれていった。一方Robinson夫人はそんな若い2人に嫉妬する。やがて彼女とBenjaminの関係がElaineの知るところとなる。(作品の詳細はこちら


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「そこ、ちょっと待った!」 主人公が結婚式に乱入し花嫁を奪って逃げる、有名なシーンを幾度となく目にしていたので、作品を観た気になっていましたが、最初から最後まできちんと観たのはたぶん今回が初めてです。中途半端にしか知らなかったので、この映画はハッピーエンドなんだと思っていました。ところがこのあと、バスのシーンがあったんですね。式に乱入して花嫁を引っ張ってバスに飛び乗ったものの、バスの最後部に座って冷静になってみると、「勢いでこんなことになっちゃったけど、これからどーすんだよ、俺」 「良く分かんないまま一緒に来ちゃったけど、何でここに居るの、アタシ?」 このもやもやした思いが、2人の表情にありありと浮んでいる。これがなければ、めでたしめでたしで終わっていたかもしれないが、あのラストシーンには現実味があり、その後の2人を考えさせるような余韻もあって、なかなか良かった。

さて、強引に誘惑してくるRobinson夫人や、そんな彼女の言いなりになるBenjamin。この2人にはホトホト呆れて苦笑するばかり。娘のElaineの行動に至っては、全く感情移入ができませんでした。彼女はホントに彼が好きだったのかな?相手は母親と不倫していた男ですよ。一体彼のどこが良くて、最後に駆け落ち(?)したのか、こちらもさっぱり分かりません。何と言うか、そこにあった勢いや雰囲気や空気に流されて、気がついたらこうなっていた、というところなのかな。

不器用で真っ直ぐだけど優柔不断で自信がないBenjaminの、卒業できてホッとした脱力感や、自分の将来に漠然とした不安を抱えた姿を、Dustin Hoffmanが好演していた。生きるあてをなくし、流されるがまま過ごしている。一種の燃え尽き症候群と、モラトリアムから脱しきれない人間の姿。Benjaminの役は当初Robert Redfordにオファーされたが、「僕が女を知らない男だとでも思っているのか?(上から目線?)」と言って一蹴したらしい。もしRobertが演じたらRobinson夫人を弄(もてあそ)んでしまい、それでは作品の色合いが変わってしまう。茫洋として頼りなさそうなDustin Hoffmanが起用されたのは、大正解だったと思います。作品に使われたSimon & Garfunkelの音楽も最高。永遠不滅ですね。


by amore_spacey | 2019-05-31 00:02 | - Other film | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2019-06-02 12:01
中学生の時に見ましたが、それは花嫁衣装のまま連れてきて、
どこで着替えるの? から始まり、何年か経って母親と
共有していたことでもめるの必至。
実家とは行き来できませんよね。
子供にどう説明するの? 本能の傾くまま?
曲も有名だし、アメリカ国民はどういう目で見ていたのか。
未だ疑問です。
Commented by amore_spacey at 2019-06-06 01:40
☆ ソーニャさんへ。
Simon & Garfunkelは懐かしいですね。Mrs.Robinsonのメロディーはコミカルで楽しげな雰囲気があったので、まさかこんなシチュエーションに使われていたなんて…ちょっぴりショックでした。Dustin Hoffmanは若い頃から、不思議なオーラを放っていましたね。
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