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七つの会議

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 都内の中堅メーカー、東京建電の営業一課で係長を務めている八角民夫(野村萬斎)。最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという姿勢を、トップセールスマンの課長・坂戸宣彦(片岡愛之助)から責められるが、意に介することなく気ままに過ごしていた。営業部長・北川誠(香川照之)による厳格な結果主義のもとで部員たちが疲弊する中、突如として八角が坂戸をパワハラで訴え、彼に異動処分が下される。そして常に2番手だった原島万二(及川光博)が、新課長に着任した。(作品の詳細はこちら


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機内上映その4。不正を暴く勧善懲悪モノの社会派ドラマが大好きです。起承転結がはっきりしているので分かりやすいし、観終わったあとスカッとする。今回は下町の中小企業の社長が大奮闘する『下町ロケット』のスタッフが再結集しましたが、企業の不正を暴くサラリーマンを描いたこの映画は、『半沢直樹』の続編と言ってよいでしょう。池井戸潤の小説を映画化したドラマや映画には、三谷監督の作品のように主役・准主役級の役者が大勢出てくるが、池井戸の作品はストーリー展開もさることながら、役者たちの競演ぶりがとても楽しみです。

キャストに野村萬斎の名前を見つけたとき、一瞬、観るのを止めようかと。それは『のぼうの城』に出ていた野村萬斎の、あまりにも癖のあるキャラに激しい拒否反応を起こして、良い印象がなかったから。ところがこの作品を観て驚きました。飄々として何を考えているのか分からない。世捨て人のようでもあれば、何か企んでいるようにもみえる。謎に満ちたつかみどころのない八角を演じるのは、彼しかいない、と断言できるほどハマっていたから。彼の鋭い眼差しにグイグイ引き込まれる。彼の強さや弱さや優しさに、いちいち気持が揺れ動く。いやはや、まったくお見事でした。話は二転三転して先が読めず、「どうして?」という局面が次々と出てきますが、終盤の見所は言うまでもなく、野村萬斎と香川照之の対決でしょう。クールな野村 vs 濃い香川、今回は野村が圧勝したと思っています。

ちょっとヘタレなミッチー&朝倉あきのコミカルな演技が、映画の雰囲気を明るくしてくれた。不正はなかったとする会社の経営陣を演じる役者も、このシリーズでは常連の方。いつも終盤にちらっと出て来るだけなのに、物凄い存在感と威圧感があり、視聴者の憎悪を一手に引き受ける憎まれ役に徹して、さっさと退場する。何て潔いんだ。

物語はここで終わらず、エンドロールに続く。「不正がなぜ起きたと思いますか?」「どうすれば不正は無くせると思いますか?」の問いに、八角はきっぱり答える。「不正は無くならないと思いますよ。」 不正が無くならない理由が意外だった。藩のために忠を尽くす。そういう侍魂が、日本人の中に脈々と受け継がれているからだと。お国のために自らを捧げることを、崇高な精神であると評価してきた日本社会の体質が変わらない限り、不正は生き続けると。それに加えて人間も世の中も、清濁合わせて存在するもの。だからそう簡単に不正や戦争はなくならないと思うのです。


by amore_spacey | 2019-09-08 00:18 | - Japanese film | Comments(0)
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