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われらの子供たち (I nostri ragazzi) 

ネタばれあり!
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【あらすじ】 やり手の売れっ子弁護士Massimo(Alessandro Gassmann)と献身的な小児科医Paolo(Luigi Lo Cascio)の兄弟は、生き方も性格も対照的で、それぞれの妻であるSofia(Barbora Bobulova 大竹しのぶに似ているかも)とClara(Giovanna Mezzogiorno)の小さないがみ合いも絶えない。月に1回は高級レストランに集まる4人だが、ディナーの席でも会話は噛み合わない。同じ高校に通うMassimoの娘Benedetta(Rosabell Laurenti Sellers)とPaoloの息子Michele(Jacopo Olmo Antinori)の二人は、学校が終わってからも仲良くしていた。そんな二つの家族に重大な問題が起こり、難しい選択を迫られることになる。(作品の詳細はこちら ) 


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ラストがあまりにも唐突で衝撃的だったので、90分のそれまでの話が吹っ飛んでしまいました。1時間半でこの作品のテーマはとても描き切れるものではなく、色々と回収できないまま消化不良で終わっちゃったなと初めは思った。が、よくよく考えてみると、あれで良かったように思います。あの瞬間に視聴者は呆然とするが、気持ちが落ち着いてから、衝撃的なラストやそれまでの展開を反芻しながら、あれは冒頭で起きた事件の因果応報なのか?誰がやったのか?などなど、色々考えることができるのではないかと。その意味では、余韻のあるよく考えられたフィナーレでした。それにしても、、、いとこ同士だというのに、BenedettaとMicheleの二人の間には、特別で何やら怪しげな空気が流れていました。

何不自由なく甘やかされて育った思春期の二人は、自分たちが引き起こした事件の重大さを全く分かっていない。それどころか泥酔していたとは言え、フラストレーション解消目的やゲーム感覚で、虫けらのように人間を扱い、その結果その人は命を失った。BenedettaとMicheleが笑いながら語る事件の真相を、偶然にも聞いてしまったMassimoのショックと言ったら…。娘を信じていたのに、信じたかったのに、裏切られた。Massimoを演じたAlessandro Gassmannは、コメディ映画の軽薄なイメージが私の中では定着しているので、シリアスな(汚いこともやっている感じの弁護士ではありますが)役どころの彼を見るのは、とても新鮮でした。

二人に法の裁きを!と断腸の思いで辛い決断を下す弁護士と、息子を守りたい一心(この事件を届け出ず、闇に葬り去る)の小児科医夫婦。子供の犯罪事件に、親は一体どう向き合って対処するのか?そりゃ、子供を警察に出頭させるのが当然でしょうが、罪を犯したのが自分の子供だった場合、同じ台詞を簡単に言えるものでしょうか。道徳や倫理に従って、冷静に考えられるものでしょうか。

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この事件をきっかけに二つの家族の溝は深まり、兄の決断に反発する弟の、兄への積年の不満が一気に噴出。「警察に届けたりしたら、お前を殺す」と言い捨て、兄弟間の亀裂は決定的なものになってしまう。普段は家庭でも職場でも実直で温厚そうなPaoloですが、地雷を踏まれた時の豹変振りが極端で怖すぎます。しかしこれは、私たちの誰もが幾重ものオブラートに包んで持っている、やるせない人間の本質なのだと思います。


by amore_spacey | 2019-11-21 00:17 | - Italian film | Comments(0)
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