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Gli ultimi saranno ultimi

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【あらすじ】 南イタリアの田舎町ラングイッラーラに暮らすLuciana(Paola Cortellesi)は、車の修理士Stefano(Alessandro Gassmann)と結婚し、友人や地元の人々に慕われ、工場の従業員仲間にも恵まれて、慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかし現実味のない夢のような事業を思いつく夫は、本気で働く気がなく常に失業状態で、妻の給料だけでは暮らしに余裕がない。しかも二人の長年の夢だった赤ちゃんが授かった喜びも束の間、Lucianaは工場から解雇される。
  一方、職務上の不祥事により、北イタリアからこの町に左遷された警官のAntonio Zanzotto(Fabrizio Bentivoglio)は、転勤早々、上司や同僚から小さな嫌がらせを受け、ここで知り合いになったManuela(Irma Carolina Di Monte)との関係も、地元の人々や同僚の悪意ある噂のせいで、こじれてしまう。(作品の詳細はこちら) 


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衝撃のシーンで始まるこの作品は、Lucianaと警官Antonioの2つの物語が同時進行していき、最後の最後に起きるある事件で二人が交差する。何もこんな形で出会わなくても良かったのに、運命の神様は意地悪なもんです。長引く不況の中で、老いも若きも自分の生活に追われて、他人のことなど構っていられないが、そんな中でささやかな幸せを見つけ、軽い冗談をたたいて不安を笑い飛ばし、束の間の安らぎに満たされる。と同時にこの平穏がいつ壊れるとも知れない不安に、誰もが付きまとわれている。不況がベースになっている『幸せの椅子』と異なり、この作品は人々が厳しい現実に打ちのめされ、自暴自棄になって人としての尊厳を失って行く。けれど最後に一筋の光が射し込むはずなのです。

お節介面倒見のいいイタリア人は、他人が困っていると、本気で助けようと親身になるが、この映画ではLucianaが解雇されたあと、元同僚たちは、「何とかなるよ」「オレが上司に掛け合ってやるからさ」という気休めで、その場の気まずい空気を何とかやり過ごそうとする。切羽詰まると、誰でも自分が一番大事なんです。絶望に打ちひしがれたLucianaは、我慢の限界を越えて、ある行動に出る。

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北イタリアからやってきた警官のAntonioは、近所の噂話が三度の飯より好きで、他人をいつもチェックする、小さな田舎町にありがちな息苦しい雰囲気の中で、自分一人が異星人のような居心地の悪さを抱えている。それでも何とか職場や町に溶け込もうと、小さな嫌がらせや噂に耐え、淡々と毎日を過ごしている。しかしそれにも、限界があります。

主役の三人を演じたPaola CortellesiやAlessandro GassmannやFabrizio Bentivoglioは、軽快なコメディタッチの役どころが多く、先日観た『Croce e delizia』は、AlessandroとFabrizioが素敵なゲイカップルを演じたばかりなので、彼らの演技の振り幅の広さに感心するばかりです。ある一線を越え常軌を逸脱した時のFabrizioは、何を仕出かすか分からない狂気を孕んでいて、絶対に近づいてはいけません。彼の母親(Ariella Reggio)が、キュートで可愛らしかった。


by amore_spacey | 2019-11-25 02:08 | - Italian film | Comments(0)
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