人気ブログランキング |

アドゥアと仲間たち (Adua e le compagne)

ネタばれあり!!!
アドゥアと仲間たち (Adua e le compagne)_e0059574_133926.jpg
【あらすじ】 1958年、新しい法律により売春宿が違法となり、娼婦として働けなくなったAdua(Simone Signoret)とLolita(Sandra Milo)とMarilina(Emmanuelle Riva)とMilly(Gina Rovere)の同僚4人は、ローマ郊外の荒地で見つけた大きな空家を修理して、トラットリアを開くことにする。娼婦の職歴が妨げとなって、様々な申請が拒否されるが、Aduaの以前の顧客の1人であるErcoli(Claudio Gora)が、トラットリアの建物を購入してくれ、おまけに彼の名前で許可まで下りて、4人は彼に1ヶ月100万リラの賃借料を支払うことになった。
  様々な困難を乗り越えて開店に漕ぎつけ、トラットリアは軌道に乗り始めて、予想外に成功する。しかしそれでも娼館時代ほど稼ぐことが出来ず、トラットリアの賃貸料を支払うことが出来なくなり、4人はトラットリアから追い出される。(作品の詳細はこちら) 


アドゥアと仲間たち (Adua e le compagne)_e0059574_13502.png
新しい法律により失業した娼婦たち。年長のAduaが企画したトラットリア開業に賛同した若い娼婦3人が、手持ちの資金・労力をつぎ込んで、新たな人生を始めようとする。トラットリア開業までの道のりを軸に、4人の女性それぞれのプライベートなエピソードを絡ませながら、エンディングに向かっていく。Piero Piccioniのお洒落なサウンド(←音が出ます)は、ジャズ・ファン必聴だが(因みに歌手のDomenico Modugnoがカメオ出演し歌を披露している)、この作品に流れる雰囲気(「おもしろうて やがて悲しき 鵜舟哉」 に通じる情緒ではないかと…)には微妙にそぐわない気がする。

初めてSimone Signoretの作品を観ました。晩年の彼女を写真で知るのみで、私の中では単にフランス女優の大御所のイメージでしたが、女盛りのSimone(当時39歳)の芯の強さや、悲しみが似合う成熟した美しさに魅惑されました。もっと若い頃の写真をみると、双子かと思うほどRomy Schneiderにそっくりで、驚きました。キリッとしたシャープな顔立ちが、私好みです。この作品では若い娼婦たちの姐さん的な存在で、失業したあとも彼女が陣頭に立って、人生を切り開いていくのです。

アドゥアと仲間たち (Adua e le compagne)_e0059574_141552.jpg
アドゥアと仲間たち (Adua e le compagne)_e0059574_142638.jpg
アドゥアと仲間たち (Adua e le compagne)_e0059574_144211.jpg
さて共同経営でトラットリアを始めたものの、若い3人娘にはそれぞれに事情があり、すんなりと軌道に乗った訳ではない。Lolita(Sandra Miloってこんなに綺麗だったの?)は若い男たちと遊び回り、シングルマザーのMarilinaは幼い男の子を手元に置いて育てねばならず、Millyはトラットリアに来た客と懇意になり結婚の約束までする。

当のAduaも忙しいトラットリアの仕事の合間に、胡散臭い車のセールスマンPiero Salvagni(Marcello Mastroianni)と知り合い、彼に思いを寄せたばかりに振り回される。今回のMarcello Mastroianniも、最低のチャラ男で、母性本能を刺激する甘え方が天才的に上手い。最初はAduaを手玉に取っていたかに見えたが、彼の浮気は直ぐにバレてしまう。「アタシのようなばあさんを相手にするなんて…」と自嘲気味になりつつも、Aduaだって心の拠り所が欲しかった。そういう時に限って、悪い男に引っ掛かるものです。

アドゥアと仲間たち (Adua e le compagne)_e0059574_145314.jpg
何もかもが順風満帆に見えたのに、運命の女神に見放されて歯車が狂い始め、更にはAduaの暴挙で、トラットリアは閉店に追い込まれ、4人は失業した。Aduaは再び街頭に立って働く。雨が降りしきる夕暮れ、傘もささずに客引きするが、若い娼婦に奪われる。ずぶ濡れになったAduaは、人間としての最低の尊厳を精一杯に保ちつつも、彼女の背中が全てを語る。彼女はどこに向かって歩いて行くのでしょう。余韻のある素晴らしい作品でした。


by amore_spacey | 2019-12-11 01:05 | - Italian film | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< サード・パーソン (Third... ボルジア家 愛と欲望の教皇一族... >>