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スプレンドール (Splendor)

ネタばれあり!
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【あらすじ】 子どもの頃から、映写技師の父を手伝ってきたJordan(Marcello Mastroianni)は、父の後を継いで南イタリアの片田舎にあるスプレンドール座の館長として、映画一筋の人生を歩んできた。そんな彼と恋に落ちたChantal(Marina Vlady)は、地方巡業する踊り子の仕事を捨てて、映画館の案内嬢として働く。
 そんな彼女に一目惚れして映画館に通ううちに、映画の魅力に取りつかれて、映写技師の座に納まってしまった青年Luigi(Massimo Troisi)。3人はあらゆる方法で映画館を守ろうとするが、テレビやビデオの台頭により、遂に人手に渡ってしまう日が明日に迫っていた。(作品の詳細はこちら


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トラックにフィルムを積んで、村々を回る父子。村に着くと、広場に大きなシーツを張る。スクリーンができ上がるや否や、気の早い子が椅子を運んで、一番真ん前の特等席に陣取る。日が暮れると、村の老若男女が家から椅子をもって、広場にわらわら集まり、スクリーンの前に並び始める。

最前列では子どもたちが、手で犬を作ったりして影絵遊びをしている。父が映写する隣で、音響を担当する誇らしげな少年Jordan。素朴ながらも幸せにあふれる、冒頭のこのシーンに目も心を奪われました。

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Jordanが継いだスプレンドール座は、V字交差点の階段を上ったところにある。上映前はフレスコ画の天窓が開いており、この天井が閉まると映画が始まる仕組みで、田舎の映画館にしてはちょっと粋なのだ。さて館主のJordanは、一目惚れして相思相愛になった踊り子Chantalを、映画館の座席案内係として連れてきた。

スタイル抜群で感じの良いChantalは、あっと言う間に映画館のマドンナになり、彼女目当てにやってくる客のおかげで、連日大賑わい。そんな彼女に恋をした青年Luigiも、常連客の1人だったが、いつしか恋なんぞそっちのけで映画に夢中になり、気がついたらちゃっかり映写技師の座に納まっている。

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この映画館は、どちらかと言うとマニアックな名作を上映している。『追い越し野郎』・『ミラノの奇蹟』・『フェリーニのアマルコルド』と、私が分かったのはこの3本ですが、他にも素晴らしい名作が登場しました。

館内で上映されるこれらの映画は、物語の流れやJordanの心情に寄り添うような形で絶妙に反映され、それがまた押し付けがましくない。映画へのオマージュがあちこちに盛り込まれた心憎い演出は、映画ファンにはたまりません。

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いよいよ映画館が閉館になるという日、思いがけずある小さな奇跡が起きる。この夢のような奇跡が、『素晴らしき哉、人生!』のクライマックスに重ね合わせて、感動は最高潮に達するという按配です。

映画やスプレンドール座への、町の人々の愛情にあふれたラスト…。コミカルで軽妙なArmando Trovajoliのピアノの音色に包まれ、映画への愛情や郷愁にあふれた作品でした。


by amore_spacey | 2020-03-23 02:32 | ┗ Ettore Scola | Comments(2)
Commented by at 2024-12-24 20:15
こんばんは。
クリスマスイブですね~♪
レンタルで心待ちにしていた本作が届いたので、やっと見ることができました。
スプレンドール座、天窓があって!!洒落てましたね。こんな映画館で映画を観たいな~。
「イル・ポスティーノ」のマリオとはまた違うマッシモの魅力♪おしゃべりで陽気で!!
上映されてた映画たち、確かにマニアックな名作でしたね。私が観てるのは「野いちご」「アメリカの夜」「素晴らしき哉、人生」の3本だけでした。amoreさんは、さすが~、イタリア映画をいろいろご覧になっているんですね。

ラストの奇跡、ほんとうに夢のようでしたね。
クリスマスイブという今日観れたことがまた、小さな奇跡のような気がします(笑)
素敵な作品を教えてくださってありがとうございました(*^-^*)

Commented by amore_spacey at 2024-12-25 01:45
☆ 瞳さんへ
わぁ、ご覧になったんですね。ラストがどうだったのか忘れてしまったので、観直してみたらこれがハマってしまって…。私もイヴの今宵、またゆっくり観ます。クラッシックな内装がティーサロンのような、天窓がプラネタリウムのような、お洒落な映画館でしたね。座席が今のような階段状ではないから、後ろの方はちょっと不便かもしれませんが、こんな映画館に行ってみたいです。

マストロヤンニとマッシモの掛け合いが何とも楽しくて。中年以降の、軽妙さに渋さが加わったマストロヤンニが、魅力的でいいですね。『ニュー・シネマ・パラダイス』に似ていますが、本作品はとっても家庭的なぬくもりを感じました。

『素晴らしき哉、人生!』もクリスマスイヴに因んだ映画のようですね。さっそく探して観てみます。
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