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ゴースト・ワールド (Ghost World)

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【あらすじ】 Enid(Thora Birch)とRebecca(Scarlett Johansson)は、高校を卒業した今も進路も決めないで、毎日好きなことだけしてフラフラしている。何も起きないちっぽけな町、さえない親にアホな級友、恋人もいなくて、欲求不満を抱えていた。
 そんなある日、退屈しのぎに中年オタクのSeymour(Steve Buscemi)をからかったことから、2人の間は 微妙にギクシャクし始める。(作品の詳細はこちら


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この作品に流れるまとまりのない空気は、あの年頃の女の子の複雑な心境そのもので、もやもやの原因が分からず、悶々としている気持ちが伝わってきます。毎日顔を合わせる親や友だちや、自分自身を含めた全てが、ただただ鬱陶しくて仕方がない。仲良しだったRebeccaは、さっさとバイトを見つけて結構うまくやっているのに、Enidはこれと言った目標もなく、相変わらずフラフラしている。平静を装ってはいるけれど、ホントは親友に置いてきぼりにされた打撃が大きくて、ちょっと立ち直れない。『LOL 愛のファンタジー』 に出てくる高校生のような、きらきらした青春ばかりじゃない。

疎外感に耐えられなくて、Enidは表面だけでもみんなに合わせようと取り繕うが、心の底では同級生を見下している自分に嫌気がさし、迎合しようと嘘をつく自分は最低で大嫌い。心の中を探っていくと、本当はちっとも変われない自分、どうしたらいいのか分からない自分が、この世で一番嫌いな存在だったことに気づいてしまった。その瞬間、Enidはやっと目が覚めるのです。

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そんな彼女に振り回される、中年オタクのSeymour。ちょっと偏屈で不健康そうな彼を演じるBuscemiの、ヘタレっぷりや気の弱さに笑い、彼のぎこちない優しさに心が温まる。生きづらさを感じながら生きている二人が、うまくかみ合わずギクシャクしながらも、ふっとした時の何気ない心の交流に救われました。

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ポップな色使いやちょっと普通でない人々やBGMが、不器用で不安定なティーンの心模様を、上手に表出していた。あのラストで彼女は再出発するために、街を出て行ったのだと信じています。Enid、あなたならきっと大丈夫だよ。


by amore_spacey | 2020-05-20 00:52 | - Other film | Comments(0)
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