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ニュー・シネマ・パラダイス (Nuovo cinema paradiso)

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【あらすじ】 Totòの愛称で呼ばれるシチリア島の映画青年Salvatore(Marco Leonardi)は、幼い頃(Salvatore Cascio)から映画館パラダイス座の映写技師Alfred(Philippe Noiret)を慕い、自分も映写技師となる。駅で見かけた美少女Elena(Agnese Nano)との初恋を経てTotòは徴兵されるが、除隊後、彼女と音信不通になり落ち込む彼に、「若いお前は、こんな小さな島に残ってちゃいけない。ここを出て自分の道を探すのだ」とAlfredは言い聞かせた。
 それから30年後、ローマで映画監督として成功したSalvatore(Jacques Perrin)は、Alfredの葬儀に出席するため、年老いた母(Pupella Maggio)の待つ故郷の村に帰ってきた。そこで彼は新パラダイス座がすでに閉館し、建物の解体も近いことを知る。そしてAlfredが彼に遺した形見を渡された。1990年Academy賞及びGolden Globes賞で外国語映画賞を、Cannes国際映画祭で審査員特別賞を受賞。(作品の詳細はこちら


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去る7月6日に亡くなったEnnio Morriconeを偲んで、久しぶりにまた観ました。シチリア島の小さな村の映画館を中心に繰り広げられるほろ苦い人間ドラマとともに、映画青年の半生を描いていくのですが…


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フィルムの1コマ1コマに対する映写技師の熱い思いが、紆余曲折を経て、あのラスト・シーンに結実するのですね。そのバックに流れるラブ・テーマ(←音が出ます!)に、胸がしめつけられるような郷愁を呼び起され、思わず涙腺が緩んでしまう。観終わったあともしみじみとした気持ちの中に居て、暫くのあいだ座ったままでした。

映画館はなくなりAlfredも逝ってしまったが、父親以上の愛情を注いでくれたAlfredとの親交は、Salvatoreの中で永遠に生き続けることでしょう。彼との友情は村を出て以来彼がずっと抱えてきた孤独を癒し、歳を重ねて初めて分かる、自分のルーツとも言える記憶によって、彼はやっと心の平和を取り戻すに違いありません。巨匠の静謐でシンプルな旋律は、そんなSalvatoreの気持ちを紡ぎ出し、また彼の姿に自分を重ねて観ている私たちを、そっと優しく包み込んでくれるのです。


by amore_spacey | 2020-09-29 01:21 | - Italian film | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2020-10-01 23:31
この映画が上映された時、イタリアから帰国して半年の
帰国子女から誘われて観ました。前評がよかったわけでもなく
彼女に誘われなかったら見なかったかも。
でも、今となっては、とても心に残る映画です。
シチリアを後にし、映画技師の葬式まで帰らずに
映画に没頭し、約束を果たしたトトに感情移入してしまった。
Commented by amore_spacey at 2020-10-12 02:21
☆ ソーニャさんへ。
お返事が遅くなってごめんなさい。
私も確か友だちに誘われて観たような気がします。トトが子どもだった頃のエピソードは、子役の魅力もあって引き込まれたのですが、青年~壮年期のトトには感情移入できず、何となく冷めた気持ちでいたら、あのラストシーン!涙ぽろぽろでした。何度か観直すたびに、シチリアの村の風景や村人たちのやりとり…に新しい発見があって味わいのある作品です。
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