人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00533980.jpg
【あらすじ】 1864年、Ludwig II(Helmut Berger)は19歳の若さでバイエルン国王となった。高い美意識をもつ彼の関心は、国政よりも芸術の世界に注がれ、作曲家Richard Wagner(Trevor Howard)に心酔するあまり、歌劇の上演や壮大な城や宮殿の建造に莫大な費用をつぎ込んで、国家財政が破綻しかねない状況となった。また彼は従姉妹のElisabeth(Romy Schneider)への一途な思慕が強く、しかし実らぬこの恋に絶望し、Sophie(Sonia Petrovna)との婚約を破棄してしまう。
 1866年、プロイセンとオーストリアの戦争にも出陣せず、城にこもったまま日夜詩を暗誦させたり、青年を集めては乱痴気騒ぎを繰り広げたり。ついに精神科医Gudden(Heinz Moog)から偏執狂と診断され、側近の画策によりLudwigは王位を剥奪される。その後ノイシュヴァンシュタイン城を追われて、べルク城に幽閉された。そして溺死か自殺か暗殺か、謎となったまま非業の死を遂げる。40歳没。(作品の詳細はこちら


ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00534949.jpg
4時間の完全復元版を観ました。Luchino Visconti監督の美学の集大成とも言える執念の作品だけあって、映像・音楽・演出・役者の演技…の細部にまでこだわった、監督の世界を心ゆくまで堪能することができます。とりわけ映像はどのシーンをとっても、ため息が出るほどゴージャスで美しく、貴族の歴史や優雅な重厚さにあふれている。

しかし何と言っても圧巻の4時間ですから、これに負けないだけの体力が要ります。観終わった後の心身の消耗といったらないが、心地良い疲労感でした。

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00535714.jpg
むせ返るような美しさが匂い立つHelmut Bergerや、輝くばかりの美しさを放つRomy Schneider(美しいけれど陰鬱なこの作品の中で、彼女が登場するとホッとする)や燻し銀のようなTrevor Howardの他に、イタリアからはSilvana Mangano(Wagnerの妻)・Umberto Orsini(Holnstein伯爵)・Adriana Asti(Buliowski夫人)・Nora Ricci(Ferenczy伯爵夫人)・Maurizio Bonuglia(庭園の管理人)らが出演。

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00541210.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00541953.jpg
この作品については語り尽くされているので、今日は作品のポスターや様々なシーンを並べてみました。

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00542936.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00544004.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00545140.jpg
28歳のHelmut Bergerと66歳の監督。この3年後、監督は心不全により死去。本作品の撮影中に病に倒れたが、過酷なリハビリをこなした末に同作を完成させる。

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00550011.jpeg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00551615.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00552646.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00553872.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00554769.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00555909.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00560941.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00562816.jpg
1870年の普仏戦争で精神に異常をきたした弟Otto(↑右 John Moulder-Brown)は、約40年ほど幽閉されたままで、兄よりもさらに悲惨な人生だった。

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00561865.jpg
ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_00563726.jpg
遺体となって横たわるLudwigの死顔が映し出され、その映像に被さるように流れるのは、バイエルン国王が敬愛したWagnerの未完の曲。本作で初めて演奏されたそうで、監督は最後の1秒までこだわりぬいて、彼の分身ともいえるLudwigの半生を描いた。文字通り自分の命を削り、全身全霊を捧げた作品でした。

ルードヴィヒ 神々の黄昏 (Ludwig)_e0059574_01025716.jpg
監督の甥っ子で写真家のGiovanni Gastelが、新型コロナウイルス感染症により、2021年3月13日に死去、65歳没。


by amore_spacey | 2021-04-04 01:06 | ┗ L. Visconti | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2021-04-30 12:38
ビスコンティがいかにも選びそうな話ですね。
それにHelmut Bergerはルードヴィヒの肖像画にそっくり。
引き合いに出されるエリザベートの特集では、彼女も美を
追求していたということは似た者同士。
この二人が結婚していたら歴史はどう展開したのかしら??
若いころのルードヴィヒはハンサムでしたが、亡くなる頃は
おなかで出て、若かったことろの面影がなかったとか。
Commented by amore_spacey at 2021-05-01 00:52
☆ ソーニャさんへ。
これは監督が飛びつくストーリーですよね。キャスティング・ディレクターなんかに任せないで、配役も自分でサクサク決めちゃったりして(笑) エリザベートも美意識の高い女性だったんですね。この2人が結婚していたら…あまりにも似た者同士だから、生活をともにするとなると、色々ありそう。 
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 皆殺しの天使 (El ánge... ある個人的な問題 レインボウ ... >>