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女ともだち (Coup de foudre)

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【あらすじ】 1952年、リヨン。Lena(Isabelle Huppert)とMadeleine(Miou-Miou)が出会ったのは、子どもたちの学芸会の席だった。Lenaはガレージを経営する夫Michel(Guy Marchand)と、二人の娘と暮らす平凡な主婦。ユダヤ人Lenaは戦争中、強制収容所送りを免れるために、Michelと愛のない結婚をした。
 Madeleineは売れない俳優Costa(Jean-Pierre Bacri)と、一人息子と暮らしている。Lenaと同じく戦争中に青春を送ったMadeleineは、19歳の時に恋人と結婚したが、レジスタンス運動に加わっていた彼は、ゲシュタポに射殺された。LenaとMadeleineは、互いに強くひかれるものを感じ、意気投合する。(作品の詳細はこちら


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戦争を何とか生き抜いて、慎ましい生活を手に入れた2人の女性。どこにでもいるごく普通の家庭の主婦が、ふとした出会いから友情を深めていく。夫への不満は特にないが、さしたる情熱や愛もない。そこに転機が訪れた。自分のブティックを持つというLenaの夢が、実現しようとしている。同時に家庭には小さな亀裂が入り、それが徐々に歪みはじめて、気がついた時には手遅れ。

足首につけた香水を嗅がせる、お揃いの花柄のドレス、更衣室で互いの裸を評価し合ったり口紅を塗り直す、女学生のように時間を忘れてお喋りを楽しむ…、どのシーンも妖しい美しさがあり、静かなエロティシズムに包まれた新鮮なトキメキを覚えました。様々なしがらみを自ら解き放ち、自由意志で颯爽と生きていく彼女たちの姿が、クールで素敵ではありませんか。いつだって遅いってコトはないのよ。

さて、置き去りの夫。いったい何が決定的に悪かったのか、Michelには分からないまま、悶々とした時が流れていく。彼のヒリヒリした思いが突き刺さる。Lenaをこんなにも愛しているのに、全く相手に通じないどころか、彼が爆発させる鬱積した怒りは、さらに妻の気持ちを遠ざけてしまう。Michelの存在って、パパの半生って何だったんだろう。別離を選んだママンを、エゴイストと憎んだであろう娘も、母親の歳になった時に何を思うのでしょう。


by amore_spacey | 2021-06-13 00:30 | - Other film | Comments(2)
Commented by 松たけ子 at 2021-06-14 01:02 x
amoreさん、こんばんは!
運命に翻弄される悲劇のヒロインより、運命を自分で切り拓く
しなやかで颯爽としたヒロインが好きです!日本人の感覚だと、この映画の二人って自分勝手で不埒な女たちになってしまうかもだけど、自分を殺して耐える貞淑な貞女より憧れます。W主演の女優二人も、もっとも美しかった頃で本当にチャーミングでした。親友っていいですね~。私、友だちいないので(涙)二人の信頼と親密さが羨ましかったです。
Commented by amore_spacey at 2021-06-17 00:21
☆ 松たけ子さんへ。
若い頃のユペリンの出演作を観るのは、たぶんこれが初めてです。シャープでクールでコケットな彼女がとても魅力的で、双子のように寄り添っていたミウ・ミウそっちのけで、ユペリンばかり見ていました。

自分の人生を、自分で切り開いていく。そのやり方がカッコよくて、惚れ惚れしますね。夫に落ち度はなかったし、こればかりはもう運命だったとしか…。こういうママンや、明らかに不協和音が生じている両親を見るのは、年頃の娘には辛いだろうな。でも大人になりある年齢になったとき、ママンの気持ちが分かるだろうな、とも思います。
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