【あらすじ】 1950年代の北イタリアの港町ポルトロッソ。そこの住民たちは海に住むシー・モンスターを恐れており、一方のシー・モンスターたちも人間を恐れていた。2つの世界は海面で隔てられ、決して交わることはなかった。そんなシー・モンスターの13歳の少年Lucaは、海底に沈んでいる人間のものに興味を持ち、人間の世界への好奇心を止められずにいた。
そしてある夏の日、人間の世界を知るAlbertoと出会った彼は、シー・モンスターの掟を破り、彼と共に人間の世界へと足を踏み入れる。身体が乾くと人間の姿になるという性質を持つ彼らは、水に濡れると元の姿になってしまうため、この秘密を人間に知られる恐怖心を抱きながらも、目の前に広がる人間の世界に魅了されていくのだった。(作品の詳細は
こちら)
ジェノヴァ生まれのEnrico Casarosa監督が、宮崎駿やスタジオジブリにオマージュを捧げたアニメ映画で、夏・故郷の海・少年時代・アニメに対する、監督の愛情やノスタルジーにあふれています。架空の世界の物語でありながら、視聴者も子どもの頃の夏休みを思い出したりして、懐かしい気持に包まれるに違いありません。
ストーリーはとてもシンプルで、家を出た13歳のLucaの世界が、どんどん広がっていく。その勢いやワクワク感がダイレクトに伝わり、エンドロールまで画面に釘づけでした。綺麗な映像やアニメの質の高さに驚きます。海や空のブルーが目に沁みる。
夏だ!海だ~~!冒険だ~~~!
暑いときは、頭を空っぽにして、海に飛び込む。夏のイヴェント。ジェラート。夢にまで見たヴェスパ。お腹がすいたらジェノヴェーゼのパスタ。友だちや仲間と喧嘩したり仲直りしたり、付いたり離れたり。姐御肌のGiulia。
脇役も個性的で、Lucaの家族(イタリア・ヴァージョンでは、Lucaの父親の声を
Luca Argenteroが担当)やGiuliaのパパや野良猫Machiavelli、町の悪ガキ連中。それからジェラートを食べる2人のおばさん、あの最後にはびっくり。ちょっとしたシーンがクスッと笑えて面白い。これを観た翌日、ジェノヴェーゼのパスタを作りました。やっぱり食べたくなります。