青い鳥 全11話＋完結編

ネタばれあり！！！
【あらすじ】　長野県の諏訪地域に生まれ育った柴田理森（よりもり/豊川悦司）は、父親（前田吟）が駅長を務める、地元・清澄駅の駅員である。小さい頃に兄を亡くしており、母に捨てられて父と二人で暮らしていた。清澄駅前の食堂の一人娘で、理森の幼なじみの秋本美紀子（永作博美）は、明るく世話好きで、理森の母親の失踪後は、何かと柴田家に出入りしている。彼女はひそかに理森に、恋心を寄せていた。
　そんなある日、町村かほり（夏川結衣）が、次期市長の座を狙う夫の綿貫広務（佐野史郎）と共に、東京から引っ越してきた。かほりには前夫との間に、一人娘の詩織（鈴木杏）がいる。辛い過去を背負っていたが、綿貫に気に入られて助けられ、清澄へやってきた。やがて彼女は理森と出会い、本当の幸せや愛情を知っていく。しかし彼は、町村かほりと出会ったことで、人生の歯車がどんどん狂っていってしまう。野沢尚の同名小説をドラマ化。（作品の詳細はこちら）


エンタメのドラマなんだもん、タブーだらけのほうが面白い、劇的に盛り上がるから。でも、これはないわぁー。現実離れしすぎて陳腐で、冷めた。突っ込み所も多すぎる。夏川結衣を目当てで観始めたから、詩織ちゃんが出てくるたびに、イライラすんのよ。完結編では、ミチルちゃん役で再登場という、念の入れよう。3人が逃避行する話までは、きちんと観ましたが、それ以降は完結編まで、1話約10分のペースで走り抜けました。

こんな雑な鑑賞で、レビューを書くな！ですが、まとまらない雑多な思いを、書き留めておこうかと。

. . . 佐野史郎さんを観ていたら、妙に切なくなってしまいました。黙って罪を被って償う豊悦より、いちいち脊髄反射して大騒ぎする佐野さんが、分かり易くて好感すら湧いた。話が展開するにつれ、修羅場での佐野さんのリアクションが、もはや待ち遠しくすらなる。病気ね。斧（おの）を手にして飛び出してきた時には、これ、ホラーやん！て、笑い転げました。

すごい役者だと思う。知的な中に狂気を孕んだキャラ、不気味で怪奇なヒト、神経質で執念深くヤバい男をやらせたら、彼を超える役者はいないかもしれない。嫌われ役のせいで、実生活で石を投げられた時期があったらしい。イケメンではないけれど、癖が強くて味があって博識で話題も豊富で、ちょっと照れ屋で捻くれてて（これ、私の想像）、一緒にお話したら楽しそう。偶然見つけた彼のブログが、なかなか面白いのです。かなりのオタクかな？

佐野さんのことは、これくらいにして、次へ行こう。このドラマの豊悦に痺れたとか、めっちゃかっこ良かったレビューが多いので、期待していたのですが、思っていたのとは違っていて、あまり魅力を感じられなかった。『愛していると言ってくれ』がよすぎたのかなぁ。

夏川結衣（当時29歳）の美しさには、息をのみました。清楚でちょっぴり影のある、謎めいた上品な雰囲気。真っ直ぐに見つめる視線、柔らかい微笑み。小さなえくぼや「ゆい」って名前の響きも、チャーミングで彼女にピッタリ。

夏祭りで豊悦と彼女の2人の手が触れ合い、そっと指をからませながら、素知らぬ顔で舞台をみている。あのシーンは、印象深い。これはとても細かいことなんですが、空気が汚れたプラットホームや、真夏の炎天下に、文鳥のケージを吊さないでぇ～、お願いです。2羽の文鳥が可哀想。

これ、20代の頃に観ていたら、どハマりしていたと思う。汚れてしまったのね、私。