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泥棒を消せ (Once a Thief)

ネタばれあり!!!
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【あらすじ】 サンフランシスコのチャイナタウンで、白昼に殺人事件が起こり、前科者のEddie(Alain Delon)が犯人の一味として、Mike Vido警部(Van Heflin)に逮捕された。Eddieはまもなく釈放されたが、勤め先の貴金属商O’Hairの店を首になる。
 Eddieは6年前に、強盗を働いて捕まったことがあった。その時弾傷を受けたVido警部は、Eddieが負わせたものだと、確かな証拠もないままに固く信じている。それ以来Eddieは警部に邪魔されて、次々と仕事を失ってきた。
 Eddieの妻Kristine(Ann-Margret)は、幼い娘Kathy(Tammy Locke)を世話しながら、ナイトクラブで働いている。その頃Eddieのやくざな兄Walter(Jack Palance)は2人の子分と共に、貴金属商O’Hairの店から100 万ドルのプラチナを盗み出す計画を立て、店の事情にくわしいEddieを10万ドルの報酬で仲間に誘う。Zekial Markoの小説Scratch a Thiefをもとに映画化(作品の詳細) 


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Alain Delon追悼。Alainがアメリカで主演デビューを果たした作品。苦境に立たされた元犯罪者が、状況に追い込まれて元のギャングに復帰し、悪事に手を染めるという、よくある犯罪物語ですが、フレンチ・フィルムノワールとアメリカのギャング映画を、うまくミックスさせた、不思議な雰囲気を醸し出しています。

この作品に出てくる様々なシーンが、その後の『サムライ』・『ジェフ』・『シシリアン』・『仁義』・『暗黒街のふたり』で再現されているそうな。

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Alainを筆頭に、キャストが素晴らしい。ぎゃん泣きするAnn-Margret、Eddieを執拗に追い回すVan Heflin、一度見たら忘れない風貌のJack Palance、その子分でサングラスの超ヤバいJohn Davis Chandler、そして無邪気で健気な娘を演じるTammy Locke。

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社会的弱者の悲劇を描いたもので、前科のある男が家族3人で、地道ながらも幸せに暮らしている。このまま更生できると思っていたが、貧困から裏の道へ、あっと言う間に転落してしまう。たしかに因果応報なんだけど、結末があまりにも悲惨で、不条理で不公平な世の中を映し出しているなぁと。

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煙の立ち込めるジャズクラブでの、エネルギッシュなドラムソロ(←爆音が出ます)で、映画は始まる。ドラムの轟音が鳴り響く中、「本当の人間なんて、もうほとんど残っていない。私が知っている本当の人間といえば、死んだ人・精神病院に押し込まれた人・ロボトミー手術を受けた人・ドラッグ中毒の人・自殺した人、でなければ本当に賢明で誰にも何も言わない人だけよ」

別の男は、「この早口のジャズを落ち着かせないと、僕の妄想が暴走しちゃうぞ、分かる?」 暫くすると、「この臭い世界では、誰もが泥棒なのよ」などと呟く。力強い演奏と退廃的な聴衆が対照的で、強烈な印象を残す。

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サンフランシスコの夜の風景やジャズクラブ、Alainが運転するオープントップのフォード・モデルA、そして彼が『犬(Le chien)』でも着ていたお気に入りのムートン・ジャケットなど、1960年代のトレンディやヴィンテージも、じっくり楽しめます。


by amore_spacey | 2024-10-07 00:51 | ┗ Alain Delon | Comments(2)
Commented by stefanlily at 2024-10-07 01:33
ほう、ハリウッドデビュー作品でしたか。
未見ですが、書いてらっしゃる内容見た限りは、アランの魅力損なうこと無く良作のような。
アンマーグレットは、あまり合ってなかったけど「欲望という名の電車」を見ました。若い頃は大人気だったダイナマイトボディですね。
ハリウッド招致された外国の俳優や監督はうまくいかないケースもありますから。ハリウッドと個性が違うから、魅力を感じて招致されたんでしょうに。
「My life As a Dog」のビレアウグストは良かったけど、「ハチ」はなあ…
リチャードギアが日本やフランスの映画を良く見ていて、リメイクしたがるのは良いんだけど、オリジナルを越えてないのがね。
Commented by amore_spacey at 2024-10-08 00:20
☆ stefanlilyさんへ
アランもハリウッドを目指したんだなぁと思うと、感慨深いものがあります。デビュー当時の純粋な青年の顔は姿を消し、この作品ではようやく掴んだささやかな幸せが、あっけなく壊れていく中で生きている若い夫役を、好演しています。アメリカでヒットしなくて残念。アン・マーグレットのダイナマイトボディ、ちらっと見せてくれました。

ハリウッドに飛び込んでいった真田広之は、端役からじりじりと脇役になり、ついに主役を演じてエミー賞受賞!奇跡に近いことなんでしょうね。仲代達也主演の『ハチ公物語』は、人の生き様や動物のけなげさが良く描かれていましたね。
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