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淵に立つ

ネタばれあり!
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【あらすじ】 町工場を営む鈴岡利雄(古舘寛治)は、妻・章江(筒井真理子)や娘・蛍(篠川桃音)との会話は少ないものの、とくに波風の立たない穏やかな日々を過ごしている。そこにある日、利雄の古い友人・八坂(浅野忠信)が現われた。
 前科のある八坂は出獄して間もない身の上であり、その身を案じる利雄は、さっそく自宅の一室を彼のために貸してやる。突然のことに動揺する妻も、八坂の人当たりの良さと誠実さに好感をもった。通っている教会での演奏会のため、オルガン練習に余念のない娘も、演奏に長けアドバイスしてくれる八坂に懐いていった。
 すっかり家族同然になった八坂は、あるとき章江に殺人を犯したことを告白する。が、すでに彼に揺るぎない信頼を寄せていた章江にとっては、むしろ八坂への感情が愛情に変わるきっかけとなるばかりであった。家族が八坂を核として動き始めた実感を得たとき、彼による暴挙は始まった。2016年の第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、審査員賞を受賞。(作品の詳細


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筒井真理子の一人祭り。深田晃司監督と筒井真理子のコンビ。過去に利雄と八坂の間に何があったのか、八坂はなぜ姿を現した?物語が展開するにつれ、謎も増えていく。八坂は蛍に何をしたのか。八坂はどこへ行ったのか。何が目的で、孝司(太賀)は鈴岡家に来たのか?

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八坂が思わず抱きしめたくなるような、唇を奪いたくなるような章江。男がそそる中年の女。しかし8年後の彼女は、もうあの魅力的な章江ではなくなっていた。体型も動作も言葉遣いも表情も、あの頃の彼女ではない。

章江の変化がそのままこの家族の変化で、鈴岡家の時間の経過は一目瞭然です。これを筒井真理子は、身体をはって(20キロ近くの体重増)演じていました。寺島しのぶにダブるところがあるな。

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鈴岡家に来た八坂役の浅野忠信が、何といったらいいんだろう?底なし沼のように不気味で、目が離せなかった。礼儀正しく言葉遣いも丁寧で娘に優しい男が、何気ない一言に、「ちっちゃい男だなァ。ああん?」と、スイッチが入る。彼の得体の知れない怖さに、ゾワゾワした。どす黒い狂気を感じる。

彼はいつも白いワイシャツを着ている。作業服も白。白い作業服を脱ぐと、赤のTシャツが現れる。八坂の本性がむき出しになる時、赤が現れる。8年前に蛍がああなった時も、赤のTシャツだった。嫌なことを想像してしまう。

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八坂に比べ、利雄の煮え切らないことといったら。でもそれが、生きる知恵なのかもしれない。利雄ははっきりさせないまま、生きていくことを選ぶ。いちばん不幸なのは、娘の蛍なんだけど、それでもいい。だから「あの日、俺たちは夫婦になったんだよ」なんて言えるんだ。

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視聴者の頭に浮かんだ様々な謎は、曖昧なまま、映画は終わる。世の中割りきれないことだらけで、答えを探ろうとすること自体が無意味で、人間の浅ましさなのかもしれない。と、分かったような口を利いていますが、何ともザワザワした気持ちは消えません。

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「孤独な肉体を抱えた個々の人間が、たまたま出会い、夫婦となり親となり子となって、当たり前のような顔をして共同生活を営んでいる。私にとって、家族とは不条理です」と監督。夫婦や家族って不思議なもんですよね。そんなに深く考えてないから、不条理なんて言われても…なぁ。


by amore_spacey | 2025-04-04 00:10 | Japanese film | Comments(2)
Commented by kotoritatinosu at 2025-04-06 12:52
こんにちは🎵
これ、私も観た時はゾワゾワが止まらなかったです。
筒井真理子が普通の主婦を演じてるのが見事でね!!
浅野さんもこれほどハマった役はない!!と今も思ってるほどです。(^.^)
私、古舘さんにほっぺをはたかれるあのシーンを何故か何度も見てしまいました。間が絶妙すぎて🎵
深田監督の「本気のしるし」もかなりのゾワゾワ度ですわよ🎵
Commented by amore_spacey at 2025-04-08 00:32
☆ フキンさんへ
予備知識なしで観ましたが、何となく嫌な予感のする映画ですね。無意識のゾワゾワがどんどん大きくなって、ラストでああぁぁぁってなりましたわ。なんだってこんな作品ができてしまうんでしょう?褒めているんですが、深田監督の頭の中をちょっとのぞいてみたい。古舘さんが頬を叩くシーン、1発でOKだったのかしら?未見の『本気のしるし』もゾワゾワですかぁ、、、迷
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