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名誉と栄光のためでなく (Lost Command)

ネタばれあり!!!
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【あらすじ】 1954年、インドシナでの戦いで Raspeguy 中佐(Anthony Quinn)率いる仏軍は、ベトナム軍に敗れ捕虜となった。休戦協定の締結後、中佐をはじめ Esclavier 大尉(Alain Delon)や Boisfeuras 大尉(Maurice Ronet)たちは、フランスへ送還され、パラシュート部隊は解散する。しかし Clairefons 夫人(Michèle Morgan)の口添えにより、中佐たちは新たなミッションに就く。
 任地はフランスからの独立を目指すアルジェリアの激戦地、所属はパラシュート連隊。Raspeguy はかつての部下たちを集め、危険な戦地に乗り込む。激しい攻防が続く中、激情的な Raspeguy と戦争に懐疑心を抱く Esclavier は、捕虜の扱いをめぐって対立を繰り返し、次第に反目を深めていく。元フランス軍将校で従軍記者だった、Jean Lartéguy の同名小説をもとに映画化。(作品の詳細


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Claudia Cardinale 追悼と Alain Delon の1人祭り。
冒頭からディエンビエンフー陥落(ベトナム)の、激しい戦闘シーンが繰り広げられます。大量の爆薬がドッカンドッカン爆発し、銃剣や手榴弾や機関銃による、派手な戦闘アクション。

劣勢の仏軍のパラシュート部隊が降下中に、ベトナム兵から狙い撃ちされたり、無事に地上に着いても、銃剣でメッタ突きになり、血まみれで容赦無い。この作品も『レッド・サン』同様、スペインのアンダルシア地方で撮影された。

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貧しい農民生まれの Raspeguy 中佐は、高官にまで上り詰めた、カリスマ性のある職業軍人で、Anthony Quinn にピッタリの役どころ。指揮官としては豪胆で有能だが、出世や名誉に固執し、戦いには勝つのみという執念の人。彼と気の合う実業家 Boisfeuras 大尉も、目的達成のためなら手段を選ばない職業軍人。

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Alain 演じる Esclavie r大尉は、歴史学者で隊内唯一の良識人だが、得体の知れぬ商売女(Aicha)に騙され、部隊や戦局をすら危機に陥れてしまう。またかつては戦友だった Mahidi(George Segal)の扱いに、深く悩み葛藤する。軍人の資質には欠けるが、、、Alain は何をやっても何を着てもカッコイイ。短髪に日焼けした精悍なAlain、ベレー帽や軍服や戦闘服が、良く似合います。

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ベトナムではフランス人部隊として、中佐たちと共に戦った Mahidi(George Segal)。故郷のアルジェリアに戻ると、フランス植民地勢力に対する革命に参加し、かつての戦友たちに反旗を翻す。兄を救うため Aicha(Claudia Cardinale)は、Esclavier 大尉を恋に落として利用する。

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ベトナムでの敗戦で解任を恐れた Raspeguy 中佐は、アルジェリアで軍人としての使命を果たし、思いを寄せる Clairefons 夫人の前で勲章を受け、幸せの絶頂である。その様子を眺めながら Esclavier 大尉は、名誉や栄光欲しさの非人道的行為に嫌気がさし、除隊して去っていく。互いを見つめるラストシーン、それでも一度は信頼し合った戦友の情が、一瞬流れたように思いました。


by amore_spacey | 2025-10-02 00:09 | ┗ Alain Delon | Comments(4)
Commented by at 2025-10-03 20:09
こんばんは。

Claudiaと Alain、この作品でも共演していたのですね。
未見なのでいつか見たいです~!(^^)!

>短髪に日焼けした精悍なAlain、ベレー帽や軍服や戦闘服が、良く似合います。

似合いますねぇ。ほんと、何を着てもカッコいいわ。びしっと決まりますね。

かなり戦闘シーンも激しそうな作品なんですね。でもAlainが出ているのなら頑張って見てみたいです!(^^)!
Commented by amore_spacey at 2025-10-06 01:30
☆ 瞳さんへ
そうなんです、今回は世間知らずなアランが、生きる術に長けたクラウディアに利用される役どころで、『山猫』とは全く違いました。彼自身、17歳で入隊してインドシナ戦争へ従軍している(落下傘部隊だったらしい)ので、この映画は彼にとって特別な思い入れがあったのではないかなァ。

どんなにボロボロになった軍服でも、アランが着るとお洒落ですねぇ。彼の美貌や精悍な容貌が、短髪によってさらに際立っていました。モーリス・ロネとは『太陽がいっぱい』を含めた3作品を観ていますが、この作品でも共演。この2人って映画の中では、なぜかいつも反目し合う関係なんですよね( ;ㅿ; )
Commented by stefanlily at 2025-10-06 17:37
アンソニー・クイン好きなんです。

「日本の芸能事務所に通達?ありましたよ。移籍した俳優等を干すだとか、芸名使うなだとかをやめなさいっていう。のんが月1で毎日新聞に書いてるエッセイに「病院や役所で能年玲奈と書いたり、呼ばれたり」…その通達(法律?)が出る報道の少し前でした。
 
Commented by amore_spacey at 2025-10-09 23:57
☆ stefanlilyさんへ
アンソニー・クイン、渋い大御所ですよね。ケヴィン・コスナーと共演した映画は、なかなかドスが効いてて鳥肌が立ちました。侍の姿も似合いそう、サマになるような気がします。
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