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ベニスの愛 (Anonimo veneziano)

ネタばれあり!!!
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【あらすじ】 フェニーチェ劇場(ヴェネツィア)のオーボエ奏者である Enrico(Tony Musante)は、間もなく到着する元妻 Valeria(Florinda Bolkan)を、ヴェネツィア駅で待っていた。
 彼女は Enrico との間にできた息子をつれて再婚し、フェッラーラで新しい家庭を築いている。独り身の元夫が今になって、どうして自分をヴェネツィアに呼び出したのか、理由がわからず、警戒しながらやってきた。
 再会した2人はかつて出会った場所や、愛し合っていた頃の思い出の場所を散策する。時に激しい口論を繰り広げ、時に心温まるひとときを繰り返しながら、かつて共に過ごした、楽しい時間を懐かしむのだった。(作品の詳細


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Alessandro Marcello(映画制作の当時まで、誤って弟 Benedetto Marcello の作品と伝えられていた)のオーボエ協奏曲第2楽章アダージョ(←音が出ます)が使われていると聞いて、さっそく観ました。

冬のヴェネツィアを舞台に、別れた男女の、目まぐるしく変わる愛憎や悲哀を描いている。恋する自分に酔いしれる若い頃だったら、この悲恋物語に深く感動し涙して、大絶賛していたに違いありません。今回初めて観ましたが、2人のどちらにも、共感できませんでした。

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中盤あたりでやっと Enrico は、余命あと半年足らずの難病を抱えていると、打ち明ける。死ぬ前にもう一度 Valeria に会いたくて、ヴェネツィアに来てもらったはずなのに、彼女と駅で再会した時も、散策の間も、素直になれないのか?照れているのか?強がっているのか?とにかく彼の振る舞いが幼稚で大人げなくて、猛烈に苛立ちました。もとはと言えば、あなたの不貞行為が原因で、別れたんですよねぇ、Enrico?

ヴェネツィアにやって来た Valeria の気持ちも、よく分かりません。私なら行かない。仮に行ったとしても、あんな態度をとられたら、さっさと帰りましたわ。

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けれども Valeria の怒ったような険しい表情が、Emrico と幸せに暮らしていた、かつての彼女に変貌していくのを見ていると、思い出の威力ってすごいのね。しかも舞台は、水の都ヴェネチアですから。彼への未練があったのか、不治の病と知って、憐れんだのか。焼けぼっくいに火…。

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役柄には共感できなかったけれど、Valeria を演じたブラジル人女優 Florinda Bolkan の、気品ある優雅な所作や、シンプルでエレガントな装い(オレンジ色のコートとインパクトのあるサングラスがとても似合う)には、目を奪われた。凛とした Lea Massari が、こんな雰囲気でしたね。

そして、この作品の主役とも言うべき、ヴェネツィアの何気ない街角や、焼失する前のフェニーチェ劇場、Stelvio Cipriani の素晴らしい音楽(←音!いやぁ、70年代の映画音楽だ~)や、哀愁漂うオーボエの音色のあまりの美しさに、目頭が熱くなりました。


by amore_spacey | 2025-11-20 01:07 | Italian film | Comments(0)
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