人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ネタばれあり!!!
敵_e0059574_00474421.jpg
【あらすじ】 渡辺儀助(長塚京三)、77歳。大学を辞して10年、フランス近代演劇史の元大学教授。妻・信子(黒沢あすか)に先立たれ、都内の山の手にある実家の古民家で、一人慎ましく暮らしている。毎朝決まった時間に起床し、料理は自分でつくり、衣類や使う文房具一つに至るまでを丹念に扱う。
 時には気の置けないわずかな友人(松尾貴史)と酒を酌み交わし、教え子の靖子(瀧内公美)を招いてディナーも振る舞う。この生活スタイルで、預貯金があと何年持つかを計算しながら、日常は平穏に過ぎていった。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。
 だがそんなある日、パソコンの画面に、「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れきた。いつしかひとり言が増えた儀助の、徹底した丁寧な暮らしにヒビが入り、意識が白濁し始める。筒井康隆の同名小説をもとに映画化。(作品の詳細


敵_e0059574_00475494.jpg
後半は居心地悪かったが、とても面白かった。知的でクールな長塚京三の色気やバックグラウンドが、まさに儀助そのもので。渋カッコいい長塚さんの、見てはいけない部分を見てしまった罪悪感のようなものや、彼を冒涜・凌辱したような背徳感や、S的感覚に襲われて、気持ちがざわざわ乱れています。

参りました、儀助は完璧な終活者ですね。「残高に見合わない長生きは悲惨だから」と、預金残高と生活スタイルを見比べながら、淡々と暮らしている。遺言状も完成間近、平穏で順風満帆な日々を送っていました。が…

敵_e0059574_00475971.jpg
敵_e0059574_00480318.jpg
ある日を境に、彼の日常が一変。どう足掻いても、無意識下にある老いや死への恐怖、生と性への執着が頭をもたげてきて、彼を脅かし続けるのです。一人反省会で自信をなくしてしまうと、もうどうにも止まらない。過去に遡って1つ1つを検証し始め、エスカレートする妄想に飲み込まれて、自分の人生を否定し罰していく。あんなに静かにきれいに生きていた人が…。

敵_e0059574_00480728.jpg
僕は今でも外と繋がっていて、来客や人望もそれなりにあるんだよ。というのは、全て儀助の妄想(願望)で、実は孤独で寂しい存在だったのかもしれない。「この雨が上がったら春が来る、みんなに会いたいなぁ」が、あまりにも切なくて、でも彼の素直な気持ちに、胸が痛くなりました。


by amore_spacey | 2026-01-10 00:54 | Japanese film | Comments(2)
Commented by stefanlily at 2026-01-13 16:03
野際陽子、長塚京三はソルボンヌ大学卒業なんでしたっけ。
凄いなあ。滝内公実は評価も高いようですね。
朝ドラで河合優実と共に脇役だったので、主人公の今田美桜(福岡出身なので、応援したいのですが)が食われないかと心配になりました(笑)。
筒井康隆はやはり七瀬3部作が最高かな。

「夫に間違いありません」(松下奈緒)「パンチトランクウーマン」(篠原涼子)は第1回目から、中々良かったですよ。ちょっと無理な設定もありましたが。

Commented by amore_spacey at 2026-01-14 00:48
☆ stefanlilyさんへ
野際陽子もソルボンヌ卒業なんですね、知りませんでした。滝内公実の内側から滲み出るエロスが半端なくて、儀助の妄想がどんどん膨らんでいくのも無理ないなと。七瀬シリーズをちょっとググってみました。とっても面白そうで読んでみたくなりました。ご紹介ありがとうございます!
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< デーモン・ワールド (Le p... ホーム・フォー・クリスマス (... >>