人気ブログランキング | 話題のタグを見る

レンタル・ファミリー (Rental Family)

ネタばれあり!!!
レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_23524836.jpg
【あらすじ】 かつて歯磨き粉のCMで一世を風靡したものの、近頃は世間から忘れ去られつつあるアメリカ人俳優 Phillip Vanderploeg(Brendan Fraser)。俳優業を細々と続けながら東京で暮らし、すっかり街になじんでいた。
 そんなある日、Phillip はレンタル・ファミリー会社を経営する多田(平岳大)から、仕事を依頼される。レンタル・ファミリーとは、依頼人にとって大切な「家族」のような役割を演じることで、報酬を得る仕事である。
 佳恵(森田望智)の花婿、孤独な中年男性の友だち、ハーフの少女美亜の父親・老俳優の喜久雄(柄本明)を取材するジャーナリストと、様々な依頼が来る。最初は他人の人生に深く関わることに Phillip は戸惑うが、仕事を通して出会った人々と交流していくうちに、いつしか彼自身の心にも変化が起こりはじめる。(作品の詳細


レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_16112830.jpg
この映画、とてもよかった。観終わった後、心が少しだけ軽くなりました。「ああ、それ、あるある」と見慣れた風景を眺めるような、その先を予想できる展開なのですが…、

そこに時折、新しい光が差し込み、ふっと立ち止まる。絶妙の強弱です。淡々と話が進んでいく中で、現代人の孤独や狡さや愚かさ、優しさや公にできない本音、理不尽で割り切れない思いを、様々な形で表現している。

レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_23531718.jpg
日本や日本のサブカルを全く知らない外国人が、お金を払って人をレンタルすることに、不思議な感情を抱いてもおかしくない。他人の目を気にしたり、代わりに謝ってもらったり、代わりに会社を辞めさせてもらったりするって、ワケガワカラナイヨ。ここで躓(つまづ)くと、映画を楽しめないかも。

レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_23525344.jpg
レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_00200660.jpg
細かいことはさておき、Brendan Fraser の演技がよかったなぁ。自然体で好感が持てました。彼の困ったような、恐縮したような、居心地の悪そうな表情や仕草が、日本に馴染んできた外国人そのもので、感服するやら苦笑するやら。

大きな身体を縮こませて、伏し目がちにお行儀よく電車に乗る姿は、日本人以上に日本人だ。アグレッシブに怒鳴るわ、態度はでかいわ、グイグイ来るわ。社長を演じた平岳大が、自己主張強めの外国人だった(笑)

レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_23530133.jpg
初めのうちは単純な依頼で、「ちょっと変わった仕事だな」で終わりますが、しばらくすると、白黒で割り切れない、道徳的なジレンマをともなう依頼が、舞い込んでくるのです。依頼人やその家族に感情移入してしまうと、仕事人は自分の中の正義や倫理観が抑えられなくなる。私情が暴走しはじめる。

レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_23531268.jpg
偽結婚式の直前にパニックになった Phillip に、激怒した同僚の愛子(山本真理)。彼女は浮気がバレた男の(本当の愛人の代わりに)依頼で、妻に謝る役を重ねるうちに、浅ましく狡いこの男を許せなくなり、会社の規定に反することをやってしまう。その後 Phillip も、会社の規定ではなく、自分の感情に従った。社長の多田も難儀な事や。あのシーンはなかなか辛口で、やられました。

レンタル・ファミリー (Rental Family)_e0059574_23532268.jpg
神社の鏡に Phillip の全身が映し出されるラストシーンには、どんなメッセージが込められているのかしらん。あどけない顔して美亜が歌う「ウソついたら針千本飲〜ます。指切った!」をイタリア語にすると、不思議なことに怖さが増す。子どもの頃、友だちと何気なく歌っていたけれど、針千本飲ますってホラーだわ。


by amore_spacey | 2026-01-27 00:26 | Japanese film | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< マッツやビョンホン、ZEGNA... 未知の戦場 ヨーロッパ198X... >>