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Speed-the-Plow 2

【プロローグ】

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何となく嫌な予感はあったんですよ。
前日ジーンズの浅い前ポケットに入れていた携帯。クリスマスに夫がプレゼントしてくれた、色んな機能付きの携帯が、ポケットからぽろりとこぼれ落ちて、硬い床にカーーンと激突☆ 衝撃で本体からバッテリーとカバーが外れて、バラバラに散乱してしまった。幸い元通りにしてみると、問題なく使用できる。しかし、カッチリはまっていたカバーは微妙に浮いて、手荒く使えばまた外れる可能性は大きい。「浅い前ポケットには入れないほうがいいなぁ」と思いつつ、うっかりやってしまった失態。それはとんでもないことになった今回のロンドン旅行の序章なのであった。



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2008年3月15日朝7時のフライトでロンドンへ。11時にピカデリー広場で友人と落ち合い、ソーホーでランチ&お散歩。そしてウォータールー駅に近いOld Vic劇場で午後2時30分に開演のSpeed-the-Plowをもう一人の友人と観る、終わったらウォータールー駅界隈~テムズ河畔をぷらぷらして、夜7時30分の便で帰宅。これが1分をも無駄にしない今回の完璧なるロンドンでのスケジュールでありました。

ところが、ボローニャ空港に着くや否や、「BA1時間の遅れ」の文字が飛び込んでくる。予定通りに行ったとしても、ロンドンでの持ち時間は正味7時間だから、1時間の遅れは大きい。しかし機材整備とあれば、仕方がありません。待ちます。そして1時間遅れで搭乗する。いよいよ、ロンドンへGOooo!飛行機のウォーミングアップ・エンジンの唸りに合わせて、気分は最高潮に達する。



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と、その時突然、エンジン音がピタリと止まる。えっ?小窓から下を見ると、整備士たちが大道具を載せて、私たちが乗っている英国航空機に近づく、近づく、どんどん近づく。あっさり搭乗口が開かれ、2人の整備士がわらわらとコックピットに入り込む。何?何なの?何事が起きたんですの?英国人乗客が乗務員に聞くが、何とも要領を得ない回答で(この時点では乗務員たちに詳細が知らされていなかった)、機内にはざわざわと灰色の空気が流れ始める。

時計を見ると8時出発の予定が既に30分も経過している。何人もの乗客から矢継ぎ早に状況説明を求められた乗務員のチーフが、この場を何とかして欲しいと整備士の一人にマイクを渡す。「一刻も早く出発ができるよう、最善の努力を尽くしておりますので、15分ほどお待ち下さい。」 すっきりしない説明。15分って1時間はかかるってことだよなァ。沈んだ空気を切り換えるかのように、乗務員は飲み物と軽食を配り始めた。それを頬張る人、テーブルにおいて携帯電話に張り付いている人、諦めてシートに深く沈んで眠る人…。「あと30分で何とかなりますように!神様、どうかお願いします。」私は心の中で手を合わせて祈った。こうしている間にもロンドンでの時間がどんどん削られていく(焦燥)

一旦落ち着いた機内の空気を逆撫でするように、乗務員の機内アナウンスが流れる。
「機材の整備にもう少しお時間を頂戴することになりそうです。お手数ですがお手回り品を持って、4番ゲートまでお戻り下さい。4番ゲートでは地上職員が対応にあたっておりますので詳細をお聞き下るようお願い申し上げます」
エーーーッ!降りろってか?時刻は9時10分であった。

《 続く 》
by amore_spacey | 2008-03-17 03:42 | Theatre | Comments(10)
Commented by Miyakun at 2008-03-17 22:48 x
これって、まだ「続く」んですね!?  本当にご苦労様でした。愛する方を追いかけるっていうのも、なかなか大変でございますね。「続き」を期待しております。
Commented by ぽん at 2008-03-18 06:00 x
こんなのありっすか~?!ですよね。続き、楽しみにしていますよ~。
Commented by precious31 at 2008-03-18 20:22
emiliaさん、日記を読ませていただいて、一体何のハプニングかと知りたくてこちらにお邪魔しましたが・・・もうどきどき!まだ続くんですか???
ロンドンに日帰り!と驚きましたが、そうですよね、近い距離にお住まいなんですものね。
ここからだと、チリの首都サンティアゴに行くような感覚でしょうか(感動薄し)。
私もこの続き、楽しみにしてま〜す♪
Commented by biwakokayo4 at 2008-03-19 10:40
飛行機のトラブルはよくありますが、
日帰りの少ない時間での遅れは・・・本当に困りますね。
おまけにケヴィさまのチケットも購入しているのに・・・
飛行機は飛んだのでしょうか?
続きが楽しみです。
トラブルも後になれば思い出ですよね。(笑)
Commented by amore_spacey at 2008-03-20 00:38
♡ Miyakun、いらっしゃいませ♪
ええ、続きますとも~!!!
ボタンのかけ違いが…の例えとは若干違うのですが
スタートが悪いと最後の最後まで引きずることってありますね。
挽回できるかなぁと思ったのに、ぐすっ。
Commented by amore_spacey at 2008-03-20 00:39
♡ ぽんさん、いらっしゃいませ♪
「こんなのありっすか~?!」 もう、本当にそうですよぉ(怒)
今だから笑ってかける話も、あの時には1分1秒が勝負だったから
顔が固まってました。
Commented by amore_spacey at 2008-03-20 00:41
♡ preciousさん、いらっしゃいませ♪^^
ハプニングとは割りと縁遠いと思っていましたが
人間には平等に1日24時間が与えられているように、ハプニングも
ちゃーんと平等に配分されているものなのですね( ̄∇ ̄;)
ケヴィ様を追いかけてロンドン日帰りはこれで3回目なのですが
いつかゆーーーっくりロンドン散策したいなぁと思っています。
続きをお楽しみに。
Commented by amore_spacey at 2008-03-20 00:45
♡ biwakokayoさんへ。
日帰りでも帰りの便だったらまだよかったのですよねぇ。
よりによって行きの便で。結局3時間半の遅れで飛びました~(号泣)
劇場のチケット&Gatwick Expressも無駄になっちゃうかもしれないし。
笑い泣きの続編もどーぞ楽しんで下さいね~(っと今だから言える台詞)

Commented by jane air do at 2008-12-04 22:05 x
冷や汗苦悩のレポート、申し訳ありませんが、楽しく読ませていただきました。(礼!)
たいへんでしたね。せっかく到着したのに、観劇できないその不運。これを悲劇と言わず、なんと言おう。子供の頃よく貧血で倒れていたので、すごくわかります。目の前が暗くなっていく瞬間。本当に同情いたします。
と同時に、手に取るような克明なレポートにも感謝です。ありがとう。
Commented by amore_spacey at 2008-12-13 00:57
☆ jane air doさまへ。
お返事が遅くなってしまってゴメンなさい!
そうなんですぅぅぅ、あんなに悲惨な観劇レポになるとは、出発前には
微塵も思っていませんでした。全てはBAの機材故障による出発の遅れ
でつぅぅ。日帰りが出来るとは言え、強行スケジュールはアクシデントに
見舞われると一発でやられちゃうので、次回からは一泊しようかなぁ。
身体が徐々に冷たくなって冷や汗が出る気持ちの悪いあの感覚が
また蘇ってきましたぁぁぁ。ケヴィさま、来年Old Vicでの予定はあるの?
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