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Jack Frusciante e' uscito dal gruppo

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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主人公は17歳の少年Alex(Stefano Accorsi)、ボローニャに暮す平凡な高校生。彼は密かに、イタリアのダサくて田舎臭い文化に、苛立ちを感じている。17歳の彼にとってカッコイイことは、外国の文化でありポップ・ミュージックであり、映画でありファッションだから。
 政治にはとんと無関心なくせに、世論や慣習には順応したがらない。変に反発してみる。夢と現実の間(はざま)で揺れ動き、気持ちがささくれイライラしながら、自分が信じるカッコイイことにのめり込んで気取ってみる。
 この作品は1990年代のボローニャに生きるそんな若者たちの姿を描いている。ボローニャ出身のEnrico Brizziの同タイトル著書を映画化。日本では『狂った日曜日おれたち二人』で出版されている。



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冒頭からいきなり、Feltrinelli(本屋)で待ち合わせだなんて、素敵なシチュエーションで、作品への期待は否応なく高まります。自転車をかっ飛ばして、旧市街にある待ち合わせ場所にやってくるAlex。その自転車を本屋前の支柱にチェーンで留めるなんてのは、何気ないイタリアの日常風景でなかなかよろし。

ボローニャの2つの塔が見下ろすあの三角スポットは、通り過ぎてしまえば何てことのないスペースだが、一瞬でも立ち止まってまわりを見渡してみるとよい。あの狭いスペースに人間模様がぎゅっと凝縮されているような場所なのである。



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ボローニャの街が夜の闇に浮かび上がり、むき出しの美しさや素朴な町並みを映し出す。この街に生まれ育ったStefanoが主人公を演ずるなんて、言うことなしです。



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あと半年でアメリカの大学に留学するAidiに恋をしたAlex。お互い好感を持っているのに素直になれず、2人の関係はなかなか進展しない。それどころか、高校の廊下ですれ違っても彼女は無視したり、連絡がとれないような状況が、Alexを混乱させる。彼女の煮え切らない態度にボクはどうすればいいのだ?うぅぅ、Violante Placido、演技がヘタ過ぎ。



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だったら彼女のことを忘れよう、しばらく距離を置こう。Alexは同級生と組んだパンク・ロックにのめり込む。しかし彼が一目を置く2つ年上の友人Martinoが言う。「欲しいものは手に入れろ!」 そっと背中を押してくれたMartino。それなのに…彼は銃で自殺、あっけなく逝ってしまった。Alexにとってカリスマ的存在だったMartino、何歩も先を見ていた大人だと思っていたMartinoの、ガラスのようにもろい一面を突きつけられ、Alexは哀しみよりも、怒りや絶望に打ちのめされる。心の拠り所を失ってしまう。

Stefanoのちょいと投げやりで斜に構えた態度や、神経質で切れやすく、ふてくされたような表情が、Alexという人物像を、より現実味のある存在にしている。MaxibonのCMで見かけた彼が、何とも純粋で可愛らしくて気になっていたのだが、鬱々とした思春期の若者Alexを演じさせると、これまた上手い。



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Aidiとの付き合いに反対こそしないが、やっかいな問題が持ち上がらないようにと、息子に避妊具代を手渡す親。自殺したMartinoがドラッグをやっていたらしいことを聞きつけて、息子も仲間ではなかったのか探りを入れる親。親と息子の気持ちはことごとくかみ合わない。いつだって親はそうなのだ、肝心な所は見て見ぬ振りを決め込む。表面的なことばかり気にして体裁を繕う。ボクのAidiへの切ない気持ちや、頼れる友人だと思っていたMartinoを、突然失ったボクの空虚でやるせない思いには、少しも気づいてくれないのだ。

AlexもAidiとの気持ちがかみ合わないまま、アメリカ留学出発前夜を迎えてしまう。この小さな田舎街からアメリカへ飛び出そうとしているAidiを前に、彼も決心するのだ。見てろ、俺だっていつか自分の感性を武器に、世界へ羽ばたいてやる、と。

製作国:Italy
初公開年:1996年
監督:Enza Negroni
キャスト:Stefano Accorsi, Violante Placido, Alessandro Zamattio, Athina
Cenci ...
by amore_spacey | 2005-09-23 03:22 | Italian film | Comments(0)
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