2018年 05月 18日 ( 1 )

鉄道員 (Il ferroviere)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (74点)

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【あらすじ】 50歳のイタリアの鉄道機関士Andrea Marcocci(Pietro Germi)は、末っ子のSandro(Edoardo Nevola)から英雄のように慕われているが、長女Giulia(Sylva Koscina)と長男のMarcello(Renato Speziali)からは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的なマンマSara(Luisa Della Noce)のおかげで、毎日平穏に暮らしていた。そんなある日、娘の流産や息子の不良化に気になっていたAndreaが列車を運転していた所、彼の前に一人の若者が身を投げた。急いでブレーキをかけたが、間に合わずにその青年を轢いてしまう。(作品の詳細はこちら


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Andreaは絵に描いたような、昭和の頑固オヤジだ。融通がきかなくて厳格な男だが、家族を養っていくため、仕事一筋で真面目に頑張っている。そんな親心も露知らず、長女や長男は勝手なことばかりやって、おまけに自分(父)を煙たがっている。父親を慕い誇りに思うのは、末っ子のSandroだけ。Andreaの孤独や心の痛みを癒してくれるのは、仕事が終わったあと、行きつけの居酒屋で仲間と飲む酒だ。一杯入ると、がぜん機嫌が良くなり、ギターを爪弾きながら、仲間たちと歌う。父親を演じたPietro Germiが、メッチャカッコイイです。

パパが大好きなSandro。学校の成績はパッとしないけれど、愛嬌があって憎めず、家族だけでなくパパの同僚からも可愛がられている。大人の事情を鋭い勘で察知してしまい、「ここだけの話だよ」と口止めされたのに、やっぱり黙っていられないのと、姉(ねえ)ちゃんや大好きなパパのことが心配で、喋ってしまう。家の中の空気が、何かおかしいのを感じ取り、子どもだけど彼なりに色々考えて悩んでいるのだ。


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Sandroのマンマは、頑固な夫を支え、家族の問題に一喜一憂しながら、家族の要(かなめ)となって、家の中のことをテキパキこなす。次から次へと家族が問題を起こしても、アタフタ慌てずどっしり構え、大らかな母性愛で包み込んでくれる。Sandro少年や健気なマンマやがいなかったら、この家族はどうなっていたんだろう。


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Andreaの同僚で親友のGigi(Saro Urzì)や他の同僚たち、それから行きつけの居酒屋の主人たちも、人懐こくて明るく、人情味のある人たちばかり。だからAndreaが窮地に陥っても、1人だけスト破りしたAndreaを一度は村八分にするものの、まるで何もなかったかのように振る舞い、また以前のように付き合ってくれる。この人間同士のゆるやかな繋がりが、本当に心の支えになります。仲間が企画したクリスマス・イヴの素朴なサプライズにも、胸が熱くなりました。様々な蟠(わだかま)りが解け、最高のイヴを過ごした夫婦。2人だけになった静かな家で、Andreaはギターを爪弾きながら逝ってしまい、別室のSaraはそれに気づかないまま、幸せに満ちた表情で夫に語りかけるシーンは、涙を誘う。


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by amore_spacey | 2018-05-18 00:34 | - Italian film | Comments(0)