2018年 05月 23日 ( 1 )

北と南 (North and South) BBCドラマ 全4話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 英国国教会の理念と相容れなくなった父Richard Hale(Tim Pigott-Smith)が牧師を辞め、19歳のMargaret Hale(Daniela Denby-Ashe)は母Maria Hale(Lesley Manville)・家政婦Dixon(Pauline Quirke)と共に、気候温暖で穏やかな南部の田園地帯Helstoneから北部の工業都市Miltonへ移り住む。何もかも違う生活に戸惑う彼女の前に、Miltonで紡績工場を経営する青年実業家John Thornton(Richard Armitage)が現れた。工場で働くNicholas Higgins(Brendan Coyle)と知り合った彼女は、労資対立の仲介役を務めることになる。折しも彼の工場の労働者たちがストライキを始め、労働者たちは暴徒化していた。Elizabeth Gaskellの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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Richard Armitageの出世作と言われますが、やっと観ました。彼との出会いは、『ハンニバル』の中でタコ踊りするレッド・ドラゴンだったので、良い印象がありません。まるでMargaretとJohnの出会いと同じ。不気味で頭のおかしい男という、衝撃的なイメージが強く残ってしまい、しばらく彼の出演作品を観る気になれなかった。ところが人に勧められてこのドラマを観てみたら、いえ、もっと的を絞って言うなら、第4話の駅のシーンを観たその瞬間、恋に落ちました。単純な人間です、私は(苦笑)

いつも眉間にシワを寄せて、気難しく厳しく暗い表情を浮かべている男。間違って手を触れたりしたら、冷ややかなあのまなざしや鋭い鼻で、サクッと切り落とされそうな、恋とは無縁の世界に生きているような男が、第4話でMargaretをみた瞬間、頬をゆるめ口角を軽く上げ、はにかむように笑いかけてくるではありませんか。別人?? ダメな労働者たちを叩きのめしたあの両手で、Margaretの頬をそっと包み込み、いつもならキッと真一文字に結んだ薄い唇が、ぽってりしたMargaretの唇にそっとそーっと重なる。うわぁ、悩殺です。このシーンを、何度リピートして観たことやら。画面はピンクのバラの花に包まれ、萌えまくりました。究極のラブロマンスです。当時は少女漫画の代わりに、こうした小説が庶民の心に潤いをもたらしてくれたのでしょう。


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様々な社会背景を織り込みながら、2人の恋の行方が描かれるので、リアルで説得力があり、次の展開が待ち遠しくて仕方がなかった。経営者と労働者が徐々に和解して、共にやっていこうという男同士の絆にも、胸が熱くなった。悲しいエピソードも多々あり、ドラマを包む空気は決して明るくはないけれど、より良い方向へ進もうとするMargaretたちが、湿っぽく鬱々とした北部の工業都市を照らす、小さな灯りのような存在だ。

脇役も素晴らしい役者が揃っている。人情あふれる家政婦、Margaretをあからさまに嫌うJohnの母、KYで世間知らずなJohnの妹、機転がききユーモアに溢れたMr. Bellなどなど。全4話で完結するというのも、私には丁度良い長さだった。


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by amore_spacey | 2018-05-23 00:47 | - TV series | Comments(0)