カテゴリ:- Japanese film( 328 )

アグレッシブ烈子 (Aggretsuko) 全10話 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 25歳独身のレッサーパンダ・烈子は、丸の内の一流商社・キャラリーマン商事株式会社の経理部に勤務する。上司の理不尽な振る舞いや、同僚の一方的な発言に振り回されるばかりで、自分から言い返すことができない。そこからストレスがひどく溜まり、苛立ちや怒りが頂点に達した時には、カラオケでデスメタルをシャウトして発散するのだった。(作品の詳細はこちら


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「これ、すごく面白かったんだけど、知ってる?」とイタリア人友人に聞かれて、「へっ?」 全く知らなかった。調べたらサンリオのキャラクター、しかもNetflixで配信されている。色々ビックリだけど、暇つぶしに1話を観てみたら、ハマってしまって、一気に全10話を鑑賞した。地味で頭の回転がゆるい烈子のキャラが、「これって私?」なくらい似ている上に、蠍座のA型ってトコまで同じで、自分の分身のように思えてなりません。

でも、キレッぷりが半端ないわァ。あんな炸裂パワーは、私にはなかった。アグレッシブに変身する瞬間、画面が真っ白。あの空白の一瞬は、頂点に上り詰めたジェットコースターが、今まさに下降しようとする前の静けさに似ていて、すっごく不気味なんだけど、怖いもの見たさに心臓が踊ってしまう。デスメタルをシャウトする烈子は、神々しく雄雄しい。♪このクソ上司!このクソ上司!おまえが嫌いだ!♪ 面と向かって、そこまで言える烈子、そんなアナタにどこまでもついて参ります。


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ツボにハマるキャラクターといえば、颯爽と現れた社長秘書の鷲美さんとゴリ部長には、その場で惚れました。ゴリ部長は実はとってもキュートな乙女で(声も独特)、失恋してあれだけ号泣できるなんて、とても羨ましい。鷲美さんて、クールにさらっと痛いトコを突いてくるけれど、フォローも上手い。ここに烈子が加わって、ちょっといい雰囲気のヨガ仲間だった。「プロテイン」しか言わないヨガ教室のインストラクターは、烈子の裏の顔を知っているようだけど、一体彼は何者だったのかしら?


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烈子とフェネ子と烈子に片思いのハイ田くんも、頼もしい同期3人組だ。フェネ子が取り持ってやらなかったら、いつまでたってもハイ田は、烈子に告白できなかったよなぁ。会社員時代、私にもフェネ子のような同期がいた。間抜けな私を、A子は苦笑しながらフォローしてくれた。


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ワイルドでワンマンなトン部長、会社でゴルフのスイングなんか、やってんじゃねェーよ。最初はすこぶる嫌な奴だったけど、烈子のことをちゃんと見ているし、社員を育てようという考えがあってのことで、飴とムチの使い分け(前半はムチだけだったが)を分かっているみたい。社畜って何?なイタリア社会で、こういうアニメは生まれません。ホチキスは斜め45度!なんて言おうものなら、ゲラゲラ笑い転げて、「お前、頭おかしいよ」って返されるのがオチだ。


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by amore_spacey | 2018-06-20 00:15 | - Japanese film | Comments(0)

サバイバルファミリー

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 東京で暮らす鈴木家は、父の義之(小日向文世)・母の光恵(深津絵里)・息子の賢司(泉澤祐希)・娘の結衣(葵わかな)の4人家族。ある朝目を覚ますと、突然全ての電化製品が停止しており、鈴木家だけでなく近所でも同じことが起きていた。さらに電車も車もガスも水道も止まって、家族全員途方に暮れる。そこで義之は、家族を連れて東京を脱出することに決めた。(作品の詳細はこちら


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これ、基本的にはコメディでハッピーエンドなんだけど、なんとも言えない怖さを孕んでいた。電気のない暮らしが2年も続いたら、サバイバル偏差値ゼロの私が、真っ先に自然淘汰されるのは間違いありません、キッパリ。と言って心の余裕もないから、満点の星空を眺める光恵にすら、きっと私はなれない。ああ、もう絶望的です。ところで途中で知り合った斉藤家の、ムカつようなあの余裕は、一体何?サバイバル・テク?異星人みたく違和感満載の一家だったけど、時任さん、かっこよかった。


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個人的にはクールな斉藤家よりも、必死に自転車を漕ぎ、ドロドロ・ボロボロ・ヘロヘロになって、1ミリでも前進しようと奮闘する鈴木家が、ずっと生々しくリアルで、ハッピーエンドと知りながらも、頑張れ!と、心の中で思わず応援しました。でも私があの家族だったら、たぶん一緒に行かなかったな。自転車で鹿児島なんて、絶対にムリ。それ以前に、何としてでも会社や学校に行こうとする、勤勉で生真面目な日本人魂が、悲しいことにイタリア人化した私にはなくなってしまったので、「え?交通機関が全滅?じゃ、きょうは会社休みま~す」 イタリアで長期間停電になったら・・・想像するだけで、恐ろしい。


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食べるシーンが多かったが、インスタント食品やネコ缶や水で空腹を凌いで来たあとの、大地康雄が作った自家製の燻製は、まぁ、実においしそうだった。娘のわかなちゃんが、感極まって、お肉を食べながら泣いてしまう。言葉にできない感情で、つられて泣きそうになりました。絶体絶命になりながらも、その都度タイミングよく大地康雄や蒸気機関車に助けられるという、突っ込み所も満載な展開ですが、子どもたちがたくましく成長していく姿は、なかなかいいものでした。お兄ちゃんも妹も、精神的に鍛えられて、ホントに強くなった。【教訓:生き延びたいなら、一家に1人、風間トオル】


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by amore_spacey | 2018-06-09 00:42 | - Japanese film | Comments(0)

石つぶて -外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち- 全8話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (81点)

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【あらすじ】 警視庁捜査二課の情報係係長に、斎見晃明(江口洋介)が着任する。情報係には捜査四課時代、斎見と合同捜査をともにした偏屈な刑事・木崎睦人(佐藤浩市)がいた。そのころ木崎は、情報収集のために足しげく通う元国会議員の事務所で、外務省のノンキャリア職員・真瀬和則(北村一輝)に贈収賄容疑があることを知る。折しも九州沖縄サミットの開催が決まり、外務省に法外な予算が付く時期だった。

省庁の中でも最も聖域とされる外務省への疑惑に興奮を隠せない木崎だが、彼にはかつて内閣府に対する捜査情報が漏れ、政治的な圧力でつぶされた経験があり、上司でも捜査情報の共有を拒む徹底ぶり。木崎が外務省という巨大な敵を標的にしていると直感した斎見は、単独捜査の無謀さを説き、強引に木崎に近づこうとする。そんな中、外務省への疑惑は、やがて政官界を揺るがす大事件に発展し、彼らの前に国家の壁が立ちはだかる。外務省機密費流用事件を追う、警視庁捜査二課情報係の刑事を描いた、清武英利の『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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政治事件が絡んだ刑事モノって、なぜか燃(萌)える。機密費という国家のタブーに挑む!聖域に足を踏み入れる!のキャッチコピーに身体が震えた。逮捕状を出したり、外務省や首相官邸に乗り込んで行くシーンは、自分が事件を解決しているデカのような高揚感に包まれ、カッコいい自分に陶酔してしまう。ああ、また私の妄想癖が暴れまくりです。今回は気になった役者について、さらっと書いておきます。

まずは佐藤浩市。アップになった顔がお父さんそっくり。親子揃って演じることが三度のメシより好きなんだな。無骨で自分にウソがつけない。身も心も傷だらけ。そこに自分で塩を塗り込んで、自虐のヒリヒリ。彼のやさぐれた雰囲気やエロい上唇が、もうね、たまりませんの。

江口洋介。えっ、あんなに耳大きかった?ロンゲの頃には分からなかった(笑) 木崎の上司なのに、思いきりタメ口きかれてた。でも無鉄砲で危険知らずの木崎を、お袋のような愛情や、兄貴のような確固とした態度で、見守っていた。いいヤツだ。

萩原聖人。若い頃はもっと尖ってギラギラしていたのに、いつの間にか恰幅の良いおじさん。作品中のあだなが坊ちゃんて・・・まんま。天然キャラもハマり過ぎ。頼りなさそうな上司だけど、最後まで信頼してくれる。コレって大事。

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飯豊まりえちゃん。殺伐とした捜査二課の中で、健気に咲く一輪のマーガレット。清潔感や正義感に溢れ、清々しい雰囲気が良かった。回が進むにつれ経験に裏づけされた自信が滲み出てきて、手柄を立てたじゃないか。上司にしてみれば、嬉しい畜生!だよね。  

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北村一輝。9億円以上もの金を動かして余裕ブっこいていた真瀬の、部屋の隅っこに縮こまって、泣きの入った「殺されるぅ~」への落ち幅が、実にダイナミックでお見事!♪まっさかさまに堕ちて desire♪by 明菜

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菅田俊。誰ですか、警視庁にゴジラを放牧したのは(爆) 悪い人じゃあないんだが、取調べ室であんなに暴れまくっちゃ、マズいだろう。割れ鐘のような声で叫んだ、「あんた(=真瀬)が散々美味しい思いをした金は、、、国民の血税なんだよっ!」って台詞を、あの人たちに投げつけてやりたい。

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矢島健一。悪役に定評のある方ですが、調べてみたらなんと岐阜市出身。同郷でした(驚) 今日からファンになります、キリッ!この手のドラマでは彼の端正な容姿や慇懃無礼な物腰が、却って嫌味度を倍増させる。「うわああ、コイツが絶対に捜査の邪魔するゥ」 登場早々イラついてしまったのでした。

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佐野史郎。そこに居るだけで不穏な空気が流れる、お茶の間のみなさんの心をざわつかせる。冬彦さんのキモいイメージが、どこまでも付きまとう。こうした強烈な嫌われ役は、私生活にも影響する(冬彦さん時代、近所の子どもたちに石を投げられたらしい)が、これこそ役者冥利に尽きるってもんじゃありませんでしょうか。

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津嘉山正種。ラジオの深夜番組『クロスオーバーイレブン』で、初めて彼の声を聴いて、、、惚れた。渋い。燻し銀のような存在だ。茶飲み友だちになりたい。あした鶴屋吉信の羊羹を持って、お宅に突撃するわよ。


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by amore_spacey | 2018-03-01 04:32 | - Japanese film | Comments(0)

お父さんと伊藤さん

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (72点)

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【あらすじ】 書店でアルバイトをしている34歳の彩(上野樹里)は、給食センターでアルバイトをする20歳上のバツイチ男・伊藤さん(リリー・フランキー)と交際中。ある日、彼らが一緒に住むアパートを、息子の家を追われてしまった彩の父(藤竜也)が訪れる。父親は伊藤さんの存在に驚きながらも、「この家に住む」と言い出した。(作品の詳細はこちら


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機内上映のレビューは、これで終わり。この作品は観る人の立場によって、感じ方や捉え方が違ってくるでしょう。私は娘の立場で観ていたから、彩とほぼ一心同体でした。が、あそこまでクールに対応できない。感情が先走り、学習能力もないから、修羅場を繰り返しそうですわよ。


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彼女のさらに上を行くのが伊藤さんだ。結婚しないし子供もいらない、彼でもなく夫とも違う。彼の正体は謎に包まれているが、お父さんと年齢的に近く男同士というのも手伝って、結構ウマが合い、波風立てずうまくやってくれる。フンワリとして掴み所がないようで、ここぞと言うときには要(かなめ)になり、彩の家族を良い方向に導いてくれる。

伊藤さんが彼でも夫でもないという曖昧な立場だからこそ、あんな台詞が言えたりこんな行動をとることができたのかもしれない。都合が良すぎるし、現実はこんなもんじゃない。年老いた親の問題に正解はないし、どんな道を選んでも、割り切れないもやもやした気持ちは残るんだから。あの3人はたぶん一緒に暮らしていくだろう。決してなだらかな道のりではないが、伊藤さんがいるから大丈夫。修羅場になった時「伊藤さーん」と叫んだら、みんなのところに飛んで来てくれないかしら。


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何度も出てくる食事のシーンが、空腹の私を直撃して、あの飯テロには参りました。トンカツやエビフライがすこぶる美味しそうだったから、明日はトンカツにするかなァ?ところでお父さんは、何だってあんなにスプーンを集めたんでしょうか?


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by amore_spacey | 2018-02-20 03:52 | - Japanese film | Comments(0)

4号警備

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (68点)

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【あらすじ】 警備会社「ガードキーパーズ」の警備員・朝比奈(窪田正孝)は、ある日「4号警備」の任務を命じられる。もとは警察官だったが、ある事件のために退官し、警備の世界に入った。彼の相棒に指名されたのは、石丸(北村一輝)という冴(さ)えない中年男性。「なぜ自分がこんなヤツとコンビを?」ふたりは互いに文句を言うが、上司の池山(片岡鶴太郎)には何やらねらいがあるらしい。女社長・本田(木村多江)は、果たしてこのコンビでうまくいくのかと、懐疑的だ。(作品の詳細はこちら


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久々にヘタレな北村一輝を観て、じわぁっと萌えました。もっさりして垢抜けないし、いい歳して臆病で挙動不審。覇気のない表情に、人生投げちゃった感が半端ない。娘には怒鳴られるし、相棒にはタメ口きかれるし。ああ、でも、彼の好物が竹輪って!竹輪の磯辺焼きやチーズ入り竹輪って、もう何年も食べてないわぁ。


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ただ30分という短い時間に、事件や警備員の過去やプライベートなエピソードなど、盛り込み過ぎでした。防御とは言え依頼主をゴミのように放り投げたり、無駄に激しい窪田くんのアクションシーンは、漫画やアニメの影響でしょうか。


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片岡鶴太郎の名前が、エンドロールの最後に出てきたのには、ちょっと驚き。彼も役者の大御所に昇格かぁ。昔より激ヤセして、目玉がオニヤンマのようにぎょろぎょろ。湿っぽい教訓をかます鶴ちゃんって、昔のコメディなイメージと全然違うから、物凄く違和感がありました。ま、は北村さんを堪能できたので、言うことありません。


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by amore_spacey | 2017-11-27 00:38 | - Japanese film | Comments(0)

テルマエ・ロマエ II

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (65点)

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【あらすじ】 ユニークな浴場を作り上げ、一気に名声を得た古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、剣闘士の傷を癒やすための浴場建設の命を受け、頭を悩ませていたところ、またもや現代の日本へタイムスリップした。そこで風呂雑誌の記者になっていた真実(上戸彩)と再会を果たすも、やがてローマ帝国を二分する争いに翻弄(ほんろう)されることになる。『テルマエ・ロマエ』の続編。


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さすがに最初の20分は我慢して観たけれど、ストーリーも何も・・・あれは手抜きでヒドすぎやしませんか。ジョークも、笑えないどころか興ざめで、ぜんぜんノリノリじゃないし。なので早送りして、阿部ちゃんと北村氏のシーンだけゆっくり観るという、反則ワザで何とかフィナーレに辿り着きました。


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阿部ちゃんや北村氏の、雄雄しい姿やナイス・バディを堪能できたので、ま、いっか。ああ、また温泉に行きたくなってきました。因みに原作者のヤマザキマリさんが、日伊両国間の友好関係発展に貢献した1人として、イタリア星勲章のうちCommendatori(司令官)を受勲されたそうですね。おめでとうございます。


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by amore_spacey | 2017-11-05 02:40 | - Japanese film | Comments(0)

君の名は。

私のお気に入り度 ★★★★☆ (74点)

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【あらすじ】 1000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈していた。それゆえ都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが…。(作品の詳細はこちら


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映像のあまりの美しさに息を呑んだ。私の好きなブルーが、様々な色合いを見せてくれた。男女の心が入れ替わるトリックも、ありがちとはいえ面白かった。でも、でも、でも、それだけでした。感動するほどのストーリーではなかったのです。


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朝起きて、自分のおっぱいを揉むシーン。ええ、気持ちはすごくわかるんだけど、映像にすると、しかも執拗に繰り返されると、興ざめ。それから、やはりどう考えてもストーリーの都合が良すぎますよ、これ。それが許せる作品と許せない作品があって、今回は残念ながら許せなかった。若者たちの恋愛は、「ああ、そうなんですか」程度だったけれど、最後に2人が出会った時には、「良かったね」と人並みに喜ぶことができました。


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by amore_spacey | 2017-09-28 01:10 | - Japanese film | Comments(0)

天国と地獄

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 ナショナル・シューズの権藤専務(三船敏郎)は、自分の息子と間違えられて運転手・青木(佐田豊)の息子が誘拐され、身代金3千万円を要求された。苦悩の末、権藤は運転手のために全財産を投げ出して3千万円を用意する。無事子どもは取り戻したが、犯人は巧みに金を奪い逃走してしまい、権藤自身は会社を追われてしまう。Ed McBainの小説『キングの身代金』(1959年、「87分署シリーズ」の1つ)に触発された黒澤監督が、映画化した作品。


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仲代達矢の1人祭りは、これで終わり。志村喬・三船・仲代・三橋達也・香川京子などの主役級はさておき、クレジットに名前こそ出ているものの、その他大勢にまとめられた役者の中には、その後素晴らしい主役や脇役になった者がたくさんいる。木村功・加藤武・江木俊夫(子役!)・名古屋章・千秋実・北村和夫・浜村純・西村晃・東野英治郎・菅井きん・大滝秀治。小さい頃、両親が観ていたドラマの中に出ていた役者たちだ。

私の中ではずっとおじいさんだった大滝秀治が、めっちゃイケメンでビックリ。おばあさん役しか知らない菅井きんも、当時37歳で女盛りですよ。権藤の子どもは、何とフォーリーブスの江木だった。特急こだまなんてのがあったんだぁ。公衆電話ボックスやダイヤル電話。ごちゃごちゃした街並みや油で汚れた町工場などなど、昭和の風景やアイテムにも目が釘付け。ストーリーとは関係ないところに気をとられて、肝心の話のほうが手薄になってしまった。


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権藤家の応接間の息が詰まるような緊迫した状況から、特急こだまでの身代金の受け渡しのシーンを境に、話は躍動感を帯びはじめ、誘拐された子どもは?身代金は取り戻せるのか?犯人は?その動機は?と、前のめりになって観た。


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叩き上げで築いた製靴会社から追われるが、再び小さな製靴会社を始めることになる権藤。捜査担当主任のエリートで、確実に死刑にするため敢えて犯人を泳がせて逮捕する戸倉(仲代達矢)。死刑など怖くないと強がりを見せるが、結局は頭を抱えて叫ぶ竹内(山崎努)。彼らをみていると、私たち人間が抱く複雑で割り切れない感情や本当の強さについて考えてしまう。それにしても、あの尾行はまずい。すぐにバレちゃうでしょう(苦笑)


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by amore_spacey | 2017-09-06 00:35 | - Japanese film | Comments(0)

切腹

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 寛永七年十月、彦根藩井伊家の上屋敷に、津雲半四郎(仲代達矢)と名乗る浪人が現れ、「切腹のためお庭拝借」と申し出た。生活に困窮した浪人が「切腹する」と言っては、庭や玄関を汚されたくない人々から金品を巻き上げることが流行っており、家老の斎藤勘解由(さいとうかげゆ、三國錬太郎)は、数ヶ月前にやってきた千々岩求女(ちぢいわもとめ、石浜朗)という若い浪人の話を始めた。家老が切腹の場を設けてやると言い出すと、求女は狼狽したあげく、竹光で腹を切った上に舌を噛んで絶命したと。話を聞いた半四郎は、求女は自分の娘婿であることを告げた。1963年に第16回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞。


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仲代達矢の1人祭り。仲代達矢が演じる津雲半四郎の、異様な落ち着きぶりや存在感。そして淡々とした彼の語り口や狂気と紙一重の眼差し。この男はいったい何者なんだ?もう彼から目が離せなくなってしまった。全く蟻地獄のように恐ろしい子です、仲代達矢という役者は。

領主に対し問答を始めるなど、身の程知らずと言える行為だが、恐ろしい子@仲代達矢は無礼を承知で、わが身を明かし、育て親として千々岩の無念の思いを汲んでやる。時おり不敵に笑う、謎めいたど迫力には、家老でなくともたじろいでしまう。しかしそこは井伊家の家老、内心の焦りなど微塵も見せず、堂々と渡り合っていく。先が読めない2人のやりとりの、この緊迫感が堪らない。まるでミステリーのような展開だ。


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静かなシーンが淡々と進んでいくが、もちろん殺陣もある。特に仲代と丹波の一騎打ちは、カッコよく美しく、見ごたえ十分。ここからフィナーレに向かって、驚くべき展開が待っている。誰が正しいか?武士道とは何なのか?その答えには、各々のモラルや立場や考え方が、如実に反映されるだろうと思う。


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当時29歳の仲代、あの老成した演技に深く感動した。彼の娘を演じた岩下志麻が、当時20歳。9歳しか違わない父娘なのに、全く違和感がなかった。いやはや、仲代様には恐れ入りました。


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by amore_spacey | 2017-09-05 01:35 | - Japanese film | Comments(0)

春との旅

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 足の不自由な元漁師の忠男(仲代達矢)と仕事を失った18歳の孫娘・春(徳永えり)は、忠男の生活の面倒を見てもらおうと疎遠だった親類縁者を訪ね歩く旅に出る。親族との気まずい再会を経るうちに、忠男はこれまで避けてきた過去と向き合わざるを得なくなる。そんな祖父の葛藤(かっとう)を間近に見ていた春にも、ある感情が芽生えていく。


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仲代達矢1人祭り。何となく『東京家族』を彷彿させるが、こちらは傲慢で我儘で甘ったれな男が、老後の面倒をみてもらおうと、身内を訪ね歩く話だ。舞台役者だけあって、仲代達矢の演技はいささか大袈裟だが、彼の存在感には圧倒された。特に台詞のない場面での微妙な表情の変化は、経験に裏付けられ真に迫る。

脇役も素晴らしい。兄夫婦(大滝秀治と菅井きん)、弟の内縁の妻(田中裕子)、彼女と同じアパートの住人(小林薫って、すぐには分からなかったよ)、旅館を切り盛りする姉(淡島千景の肝っ玉姉さんぶりに惚れた)、不動産で羽振りがよかったはずの弟夫婦(柄本明と美保純)、春の父(香川照之)と再婚した妻(戸田菜穂)。主役レベルが勢揃いじゃないですか!


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さていきなり訪ねて来られた側は、玄関先で追い払うことも出来ず、対応に困ってしまう。が、一応部屋にあげて、忠男の話を聞く。そして面倒をみることはできないと、皆口を揃えて言う。決して薄情ではない。面倒をみてやりたくてもムリなのだ。柄本明との喧嘩、あれは子どもレベルで面白かった。家族や失業や高齢化など、厳しい現実を取り上げつつ、微妙に歯車の合わない2人が醸し出す、ちょいトボけた空気のお陰で、重苦しさが薄められたように思う。


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旅を通しておじいちゃんと身内の関係をみているうちに、今度は春自身が実父に会いたくなり、後半で春の家族のことや、辛い事実が明らかになる。春の父親を演じた香川照之が、すごく良かったなぁ。顔芸合戦やキャッチコピーのような名台詞を連射する役より、むしろ地味で平凡な男や脛に傷を持つ男を演じたほうが、彼の持ち味をじっくり味わうことができる気がする。哀愁を漂わせた彼の背中や横顔が、胸に突き刺さった。


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by amore_spacey | 2017-09-04 00:49 | - Japanese film | Comments(0)