カテゴリ:- Japanese film( 325 )

鬼が来た!

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★☆(92点)

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第2次世界大戦末期、日本占領下の中国のとある小村を舞台に、ひょんなことから日本兵を匿うことになってしまった村人の困惑と、その後の日本兵との奇妙な交流をユーモラスにそして衝撃的に描く。戦時における人間性の闇を突きつけた問題作。2000年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。
 

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Wen監督は、生きるか死ぬか?殺すか殺されるか?という究極の状況(戦争)の中で生きる人間の、光と闇=鬼の部分を描き分けたかったのではないか。反日感情や政治的・歴史的事実よりも、戦争から遠く離れた片田舎で素朴に正直に生きている一般市民や、最前線にいる部隊とは違った割合大らかな雰囲気の中で暮す兵隊たちが、戦争の影響を否応なく受け、誰にもどうすることもできないまま突き進んでしまう「成り行き」というものが存在する無情を伝えたかったのではないか。あの夜も日本人隊長は心から宴(うたげ)を楽しみ、「今夜こそこいつらを皆殺しにしてやる」といった残虐な気持ちなど(表向きには)なかったはず。中国人の村人があまりにも馴れ馴れしく話しかけてきたことで、何かがプツンと隊長の中で切れたのだ。一触即発のものが、皮膚のすぐしたに眠っていた。同じようなことが私たちの日常生活のあちこちに転がっている。無意識の敵意や憎しみが、何かの拍子にぽんと顔を出してしまう。禅問答のような頓珍漢な会話が前半で展開されて頭が緩んでいただけに、これでもか?どうだ?追い討ちをかけてきた後半、そして余りにもやるせないラストに、口の中がざらついて仕方がない。

吹き替えに慣れた身に、長い字幕英語を読み画像を見ながら作品の展開についていくのは至難のワザだった。しかも一人の会話が長く、作品自体が長編大作だったから、観終わってからの正直な感想は、脳味噌がもみくちゃにされてほとほと疲れ果てました。脱力orz... この作品を繰り返し観たら、また別の視点が出てくるかもしれない。その時には加筆る予定であります。

製作国:Japan
初公開年:2000年
監督:Wen Jiang
キャスト:Wen Jiang, 香川照之, Yihong Jiang, Ding Yuan, Zhijun Cong ...
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by amore_spacey | 2008-05-12 02:38 | - Japanese film | Comments(2)

それでもボクはやってない

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★★☆(96点)

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「十人の真犯人を逃すとも一人の無辜(むこ)を罰するなかれ」という冒頭の言葉から、イタリアのどの裁判所にも大きく掲げられている「法は万人に平等」を思い出す。何か白々しく空虚なものが漂う。現実はどうなのか?

周防監督が、ある痴漢冤罪事件を報じる記事に関心を持ち取材を進める過程で、現在の刑事裁判のあり方そのものに疑問を抱き、その問題点に真正面から向き合った異色の社会派ドラマ。フリーターの金子徹平は、朝の通勤通学ラッシュに大混雑する電車で就職面接に向かう際、女子中学生に痴漢と間違えられてしまう。無実の罪を認めて示談に持ち込むという妥協をあえて拒み、あくまで濡れ衣を晴らそうとした徹平は、逮捕されたあげく起訴される。そして徹平と彼の支援者たちの長くて先の見えない戦いが始まる。



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感動や憤りとは違う、非情に強い衝撃を受けた。これが偽らざる感想である。多発する痴漢事件に飽き飽きしている刑事、罪を認めて罰金を払ったほうがラクだと勧める弁護士、痴漢の被害に何度も遭ったため頑なになっている女の子、何百件もの事件を抱えている裁判官…、彼らはけっして「明確な悪意」を抱いているわけではない普通の人々なのである。それらが目には見えないわずかな歪みを描き始め、その先に待ち受けるのは…。



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映画の持つその性格上、多少の脚色は否めないであろうが、これを作るのに2年間に及ぶ徹底取材を行ったという監督は、これでもか?これでもか?と我々に衝撃を与え続けるのだ。明日はわが身かもしれないリアリティ。家族や隣人や友人やわが子…が同じような運命を辿るかもしれない。漠然とした恐れではなく、このやるせなさや絶望をどこへぶつけたらいいのか?社会の中でこれだけは確固たる正義であるはずの司法の非情さゆえに、観終ったあとの脱力感は言葉では言い尽くせない。金子徹平にできることは、裁判で闘うことの空しさを実感しながらも、裁判で訴え続けていくことだけなのだ。「ばかやろう!何が真実だ、何が人間の尊厳だ!ウソと金で塗り固められた世の中じゃないか!」あの法廷で大声で叫ぶことができたら、どんなにか胸のつかえが下りたことだろう。しかし…、「控訴します」としか言えないのだ。



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小日向文世、やってくれましたわね。『うどん』で気弱な養子婿を演じたかと思えば、この作品ではのらりくらり、飄々としたたぬきのようなキャラクター。冷酷非情なこのメリハリが、彼の一体どこに潜んでいたのだろう。うーむ、侮れない!秀逸でした。公判検事の尾美としのりもうってつけ。「おい、大丈夫なのか?ちゃんとメシ食ってるか?」近くにいたら思わず声をかけたくなるような加瀬亮くんも適役&好演だった。

最後にひとこと。
もたいまさこってそんなにすごいですかァ?『ALWAYS 三丁目の夕日』『かもめ食堂』などの話題作に立て続けに出演して、去年は日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝いている方ですが、生理的に受け付けません。『やっぱり猫が好き』の頃からあちこちで見聞きする彼女ですが、ダメなんです。ファンのみなさま、ゴメンなさい。

製作国:Japan
初公開年:2007年
監督:周防正行
キャスト:加瀬亮, 瀬戸朝香, 山本耕史, もたいまさこ, 尾美としのり, 竹中直人, 小日向文世, 高橋長英, 役所広司 ...
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by amore_spacey | 2008-05-10 00:05 | - Japanese film | Comments(4)

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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1960年代、オトンに愛想を尽かしたオカンは幼いボクを連れて、小倉から筑豊の実家に戻ると、妹の小料理屋を手伝いながら女手一つでボクを育てた。1970年代、15歳となったボクは大分の美術高校に入学、オカンを小さな町に残し下宿生活を始めた。1980年代、ボクは美大生となり憧れの東京にやって来るが、仕送りしてくれるオカンに申し訳ないと思いながらも学校へもろくに行かず自堕落な日々を送ってしまう。留年の末どうにか卒業したものの、その後も相変わらずフラフラした生活を送るボクだったが…。

ボクがオカンの手を握りオカンを気遣いつつ、横断歩道をゆっくりと歩くこの映像が焼き付いている。



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内田也哉子が樹木希林にとても似ていて、「まぁまぁ、どこでこんなそっくりさんを見つけて来たんだろう?」と思ったら、実の娘だったのかー(滝汗) 2人とも好感の持てる仕草や表情やゆったりとしたテンポが似てますね。



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誰にでもあるような日常的なエピソードの数々。母との思い出や幼い頃からの出来事は異なっていても、その中に溢れるオカンの温かくて優しい眼差しに大差はないだろう。オカンの何気ない動作のひとつひとつを作り上げた樹木希林の演技力(素顔?)には脱帽である。時折オトンに対して見せる恥じらいは、生身の女性のキュートな部分が垣間見えていとおしかった。



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女好きで酒好き、自由奔放のオトンを演じた小林薫は、弱くてもろくて、それを見栄で一生懸命隠している男の弱さを体現する。そんなオトンが未完成のままボクにくれた木の電車は生涯の宝物なのだ。


製作国:Japan
初公開年:2007年
監督:松岡錠司
フードスタイリスト:飯島奈美
キャスト:オダギリジョー, 樹木希林, 内田也哉子, 松たか子, 小林薫, 渡辺美佐子, 仲村トオル, 小泉今日子, 松田美由紀, 寺島進, 柄本明, 宮﨑あおい ...
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by amore_spacey | 2008-05-08 02:45 | - Japanese film | Comments(4)

フラガール

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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炭坑の閉山で活気を失った町の再生を期して計画されたレジャー施設「磐ハワイアンセンター」(現・スパリゾートハワイアンズ)誕生にまつわる感動秘話を映画化した作品。施設の目玉となるフラダンスを教えるため、東京から呼び寄せられたダンス教師と地元の炭坑娘たちとの葛藤と心の成長を描く。

相変わらず蒼井優ちゃんは綺麗ですね。すらりと背が高くてどこにいても映える。3ヵ月の猛特訓を積んだだけあって、レジャーセンターでの初舞台のシーンは心に力強く響いた。松雪さん、スリム~!!エキセントリックな部分がこの作品では殆ど出てこなかったけれど、存在感があります。

製作国:Japan
初公開年:2006年
監督:李相日
キャスト:松雪泰子, 豊川悦司, 蒼井優, 高橋克実, 岸部一徳, 寺島進, 富司純子 ...
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by amore_spacey | 2008-05-01 00:19 | - Japanese film | Comments(0)

赤い橋の下のぬるい水

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

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ホームレスの集落を訪れた失業中の中年男・陽介は、そこで人生の師と仰ぐ老人・タロウの死に直面する。生前、タロウから「盗んだ金の仏像を、能登半島の日本海に面した赤い橋のたもとの家に隠した」と聞いていた陽介は、富山湾沿いの赤い橋のある土地を訪れた。そこで陽介は、橋のたもとの家に住むサエコと出会う。彼女の体には不思議な現象が起きていた。体内に水がたまると悪いことがしたくなり、快感と共に水を放出するというのだ。それ以来、陽介はサエコから水がたまったと知らせが入ると、赤い橋の家に駆けつけるのだが…。

清水美砂ってやっぱりエロっぽい(*^^*) 清潔なエロスを漂わせる役者さんですね。

製作国:Japan
初公開年:2001年
監督:今村昌平
キャスト:役所広司, 清水美砂, 中村嘉葎雄, 坂本スミ子, 夏八木勲, 倍賞美津子 ...
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by amore_spacey | 2008-05-01 00:17 | - Japanese film | Comments(0)

完全なる飼育

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

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実在の事件を取材した松田美智子の『女子高生誘拐飼育事件』を映画化。女子高生クニコ(小島聖)を誘拐し、古ぼけたアパートの自室に監禁する中年男性・岩園(竹中直人)。自分を好きだと言う岩園を拒み続けるクニコだったが、彼の優しさと肉欲的な日々に溺れていった彼女は、ついに飼育される事を受け入れる。

『のだめ』のシュトレーゼマンが誘拐犯…ですかァ。竹中直人は百面相役者ですな。彼の怪演技に脱帽。そして贅肉のない引き締まった竹中くんのボディ、クニコを優しく撫でる長い指に、男の色気を感じてしまった。小島聖どの、あなたの胸の半分を私に下さい(爆) 岩園が暮すアパートの大屋さんやちょっと風変わりな住人たちがよいですね。不気味な北村一輝や塚本晋也にも拍手喝采です!

製作国:Japan
初公開年:1999年
監督:和田勉
キャスト:竹中直人, 小島聖, 北村一輝, 塚本晋也, 石井苗子, 泉谷しげる, ガッツ石松, 佐藤慶, 渡辺えり子 ...
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by amore_spacey | 2008-04-29 22:52 | - Japanese film | Comments(0)

うなぎ

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

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第50回カンヌ映画祭でグランプリ(パルム・ドール)を受賞した作品。謎の手紙により妻の浮気を知った山下(役所広司)は、衝動的に彼女を包丁でメッタ刺しにし、8年の刑務所暮らしを余儀なくされた。その間に彼の人間不信は進行し、水槽のなかのウナギにしか心を許さないまま、仮出所後は小さな理髪店を開き細々と暮らしていた。ある日山下は川縁で自殺未遂の女・桂子(清水美砂)を救い、その彼女が理髪店を手伝うことになって以来、彼の心は次第に開かれていくかに見えたが…。

優等生的な役所広司が切れる瞬間、そして人間関係を一切絶つ暮らし…、ムショ生活での行進の癖がつい出てしまうなど、なかなかよいですな。柄本明の異様な執拗さと清水美沙のエロっぽさ(*^^*) ある意味この2人もうなぎに見えたにゃ。


製作国:Japan
初公開年:1997年
監督:今村昌平
キャスト:役所広司, 清水美砂, 柄本明, 倍賞美津子, 市原悦子, 小沢昭一, 小西博之, 北村一輝 ...
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by amore_spacey | 2008-04-24 23:48 | - Japanese film | Comments(0)

Postman Blues 『ポストマン・ブルース』

私のお気に入り度 ★★★☆(80点)

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突然運び屋で殺し屋と勘違いされ、警察とヤクザの両方から追われるはめになる平凡な郵便局員の姿を追う。郵便配達人の沢木は、退屈な日常を送っていた。そんなある日、勤務中に偶然旧友の野口に再会。その日から沢木の日常は思わぬ方向へ展開していく。沢木の赤い自転車は野口と謎の殺し屋ジョーへの友情のため、小夜子との約束のため、そして自分自身の日常からの解放のためにひたすら突っ走るのだが…。
 
製作国:Japan
初公開年:1997年
監督:サブ
キャスト:堤真一, 遠山景織子, 大杉漣, 清水宏, サブ, 寺島進 ...
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by amore_spacey | 2008-04-18 22:18 | - Japanese film | Comments(0)

涙そうそう ロミオとジュリエット

『涙そうそう』

私のお気に入り度 ★★★☆(70点)

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《一言感想》 妻夫木くんのひたむきさに好感が持てたけれど、血のつながらない妹→偽不動産屋にだまされる→病気と死…、この展開的はちょっと、いやかなり強引ではないかい?彼女役の麻生久美子が、結構好きかも。『帰ってきた時効警察』でオダジョーに絡む彼女って、可愛いのよねぇ。

製作国:Japan
初公開年:2006年
監督:土井裕泰
キャスト:妻夫木聡, 長澤まさみ, 麻生久美子, 塚本高史, 森下愛子, 船越英一郎, 橋爪功, 小泉今日子 ...

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『ロミオとジュリエット ~すれちがい~』

私のお気に入り度 ★★★★☆(58点)

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《一言感想》 タッキーが見たかっただけなの。タッキー&長澤の演技は突っ込みどころが満載でそれなりには楽しめたけれど、今どきの中学や高校の演劇部のほうがよっぽど泣かせてくれるよね、ぷぷっ。


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最近ユニークな先生や教授を演じることが多い竹中氏、もう少しボケと突っ込みがあるかと思ったけれど今回は意外に控えめだった。新たなる発見は階段教室に響き渡る彼の澄んだ声、虜です。田中美佐子は薄幸な女性が適役ですか?

製作国:Japan
初公開年:2007年
監督:大谷太郎
キャスト:滝沢秀明, 長澤まさみ, 竹中直人, 山下真司, 田中美佐子, 三浦友和 ...
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by amore_spacey | 2008-03-09 02:44 | - Japanese film | Comments(2)

プラトニック・セックス ウォーターボーイズ いま、会いにゆきます

『プラトニック・セックス』

私のお気に入り度 ★★★★☆(76点)

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《一言感想》 初期の頃のオダジョーが見たかったの。いいね、いいねぇ。『帰ってきた時効警察』と同一人物だとは思えなかった。インパクト強し!恐るべし、阿部寛☆ 気骨&味のある役者になってきて嬉しいな。TV連続ドラマの『結婚できない男』でも、彼は強烈なオーラを放っていたから。これって飯島愛の半生を描いたものだったね。

製作国:Japan
初公開年:2001年
監督:松浦雅子
キャスト:加賀美早紀, オダギリジョー, 阿部寛, 加勢大周, 石丸謙二郎, 根岸季衣, 田中要次 ...

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『ウォーターボーイズ』

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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《一言感想》 『スウィングガールズ』の男の子ヴァージョンね。玉木宏がいることに気づいたのは、中盤も過ぎてから。「あれぇ~?あれっ?彼?彼なのー?」 アフロ髪が火事になってるし(笑) 男子団体シンクロナイズドも中々いいじゃないですか(^^) こういうノリって好きだぁ。

製作国:Japan
初公開年:2001年
監督:矢口史靖
キャスト:妻夫木聡, 玉木宏, 三浦哲郎, 竹中直人, 杉本哲太, 谷啓, 平山綾, 田中要次 ...

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『いま、会いにゆきます』

私のお気に入り度 ★★★★☆(70点)

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《一言感想》 極道な雰囲気を漂わせる中村獅童に似つかわしくない役柄を、あそこまで演じきったのは意外、少し見直しました。残念なのは竹内結子。彼女には全く感情移入が出来ないまま終わってしまった。少しも嬉しそうではないし、生き生きしていない。お願いだから台詞の棒読みはやめて下さい!

製作国:Japan
初公開年:2004年
監督:土井裕泰
キャスト:竹内結子, 中村獅童, 武井証, 中村嘉葎雄, YOU, 小日向文世 ...
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by amore_spacey | 2008-02-14 22:10 | - Japanese film | Comments(0)