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分別と多感 (Sense & Sensibility) BBCドラマ 全3話

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 19世紀初頭のイギリス、Dashwood家の当主Henry(Simon Williams)は死に際に、先妻との息子John(Mark Gatiss)に現在の妻(Janet McTeer)とElinor(Hattie Morahan)・Marianne(Charity Wakefield)・Margaret(Lucy Boynton)の3人の娘を世話させる代わりに、全財産を与えるとの約束をする。
   だがその遺言はJohnの妻Fanny(Claire Skinner)の反対により反故にされたため、夫人と3人の娘たちはSussexにある広大な屋敷から出て、新しい家を探さねばならなくなった。過酷な運命に翻弄されながらも、ElinorとMarianneが多難な恋を通して成長し、真実の愛を得るまでを描く。Jane Austenの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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以前書いた『高慢と偏見』のレビューに、「Jane Austenと言えば、橋田壽賀子」というコメントを頂きました。言われてみればその通りかも。2人の違いといえば、橋田(いじわるキャラを描かせたらピカイチ)は人間の醜い面を、ドロドロ生々しく描くが、Austenは主人公が名家の女性ということもあり、剥き出しではなくそっとオブラートに包まれ、少し控え目に慎み深く書いてることかな。

Austenの小説はキャラクターの宝庫で、今回も個性的な人々が勢揃い。分別(Sense)を象徴する19歳のElinorと、ロマンチックな世界に憧れる多感(Sensibility)な17歳のMarianne、この2人の恋の行方を追いつつ、一筋縄ではいかない人間模様が展開する。ハッピーエンドがお約束の小説なので、一見面白味がなさそうに思える。が、Austenは何気ない日常生活の風景や人物描写がそれはそれは巧みで、読者をぐいぐい引きつける。一癖も二癖もある脇役陣が、主役に意地悪をしたり、彼女たちの恋路を邪魔したりする。大事件こそ起きないが、私たちの暮らしの中にもあるような、取るに足らない幾つもの小さな出来事が、この地味な小説に陰影をつける。橋田もAustenも、人間観察が大好き。だからこんなに生き生きとした作品が描けるのだ。


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Dan Stevensが目当てで観たんだけど、めちゃくちゃ若い。まだ世間の荒波に揉まれず、世の中の汚れも知らない、誠実・純粋で優柔不断なおっとりしたお坊ちゃん。イケズな義姉Fanny(Claire Skinner)の弟とは思えない。彼とElinorは相思相愛と思っていたのに、何の進展も見られず、Devon州に引っ越した彼女たちを訪ねない。で、唐突に現れたと思ったら、真っ白なワイシャツを着たまま、雨の中で薪割り始めちゃうって、何それ?煮詰まってたのかしら?ラスト5分で色々な問題がサクサク解決して、Elinorとハッピーエンドを迎える急展開は、お約束なのでOKです。


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妹のMarianneをそっと見守Brandon大佐(David Morrissey)。歳の差が18歳とあっては、ロマンチックな恋愛に憧れるMarianneの恋愛対象にならず。そんな彼女の前に現れたのが、若いWilloughby(Dominic Cooper)なんだけど、個人的に物凄く苦手なタイプなので、なぜこんな男がいいのか、さっぱり分からなかった。が、案の定、とんでもない欠陥商品でした。


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彼女たちの母親Dashwood夫人(Janet McTeer)は、奥ゆかしく控え目。だけどお茶目で可愛らしく、よき相談相手で頼もしい素敵な女性。


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兄のJohn Dashwood(Mark Gatiss)は、シンデレラの義姉のように意地悪な上にケチで強欲な妻Fannyの尻に敷かれっぱなし。彼らの1人息子が、これまた可愛げがない。ブラック・コメディの主役にピッタリな一家。


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娘のFannyに勝るとも劣らない、高慢ちきで感じの悪い母親Ferrars夫人(Jean Marsh)。身内や知り合いには勘弁して欲しいけれど、小説や映画には突っ込み所満載で、必須のキャラ。


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大阪のおばちゃん風なJennings夫人(Linda Bassett)は、大雑把で細かいところには拘らない。悪気はないが、ややお節介が過ぎるのと少々KYなところがあって、その場の空気が微妙になったりする。


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頭の悪いお喋りしかできないMiss Steele(Daisy Haggard)とLucy Steele(Anna Madeley)姉妹。何とLucyがElinorの恋のライバルに。


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by amore_spacey | 2018-07-02 01:16 | - TV series | Comments(0)

A Very English Scandal 全3話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタバレあり!

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【あらすじ】 英国自由党の若き党首Jeremy Thorpe(Hugh Grant)は、元恋人Norman Scott(Ben Whishaw)に同性愛者であることを公表すると脅されたため、殺し屋(Blake Harrison)を雇ってScottの殺害を計画。殺害は未遂に終わり、Jeremyは1979年に殺人共謀及び扇動の罪に問われたが、無罪となった。しかしこのスキャンダルにより、政治家としてのキャリアは絶たれた。まだ同性愛が合法化されていなかった1960年代に、実在したゲイの政治家のスキャンダルを描く。John Prestonの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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「ちょっと、奥さん!聞いて下さいよ。あれはね、英国史上最大のスキャンダルだったんですよ」と言わんばかりの、とても分かりやすいタイトルです。この事件の関係者である元恋人や殺し屋は存命。しかも今回のドラマ制作を機に、一時は再審の可能性まであった。色々と引きずっている事件ですが、そんなことより私は、ラブラブのHugh GrantとBen Whishawをみたいという、超下世話な理由で観ました。

主役から脇役にいたるまで、キャスティングがとにかく素晴らしい。Jeremyを演じたHughが、それは感じ悪くて物凄く嫌なヤツなのだ。でも笑うと顔中シワだらけでクチャクチャになるHughは、愛嬌があってどこか憎めないキャラ。アンチ・エイジングに拘らず、あるがままでいるのも好きだし、年齢にあわせて彼の持ち味をうまくシフトしているのは、さすがだなと思う。

政治家の元恋人Norman Scottを演じるBen Whishawも、ファンの期待を裏切らない。思い込んだら一筋で、果てしなくイッちゃってる感や、やや大袈裟に演じる神経症的な言動も、真実味があって生々しい。ゲイをカミングアウトしてからのBenは、以前より自由奔放で演技の幅が広がってきたかな。純粋で可愛いんだけど、地雷を踏むと、血を見るかも?飼い犬に手を噛まれるような。


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HughとBenというカップルに、今一つピンと来なかったが、あんな濃厚なシーンを観てしまうと、2人の演技の上手さはともかく、彼らはひょっとして私生活でも?なんて勘繰ってしまう。それほど強烈で迫真の演技だった。HughはBenを少女のように扱い、唇や舌を、Benの上半身や首筋に這わせる。上半身を起こした2人は、そっと、しかし、ねっとりした甘いキスを交わす。

こんなに濃密な時間を過ごしたのに、政治家としてのキャリアのほうが何倍も大事なHughは、さっさと妻(彼女は人間の出来た人で、何が起きようがドッシリと構え、彼女がいなかったら彼の人生はどうなっていたことやら)を娶り、それと同時に掌を返したようにBenを突っぱねていく。ひと時のなぐさみに弄び、用が済んだらポイ。


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スキャンダルを恐れたHughは、Benを消すために殺し屋を雇う。これまた物騒なことになってきました。が、このドラマはシリアスな事件を取り扱いながらも、基本的には辛口コメディなので、笑い所も満載だ。この殺し屋(Blake Harrison)というのが、あり得ないほど使えないヤツで、殺し屋のDNAなんか微塵もありゃしない。完全に人選を誤った。あのとき元恋人が殺し屋に消されていたら、事件の様相はどうなっていたんだろう?それはともかく、Benを匿ってくれたパブの肝っ玉ばあちゃんの、溢れるような義理人情や、少々お節介なんだけど、Benをひたすら思う優しさが、今まで愛情に恵まれなかった彼に届いているといいなと思う。


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by amore_spacey | 2018-06-16 01:45 | - TV series | Comments(4)

白衣の女 (The Woman in White) BBCテレビドラマ 全5話

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 ロンドンで母と共に慎ましく暮らす青年画家Walter Hartright(Ben Hardy)は、CumberlandにあるLimmeridge家の異母姉妹、Marian Halcombe (Jessie Buckley)とLaura Fairlie(Olivia Vinall)の美術家庭教師として雇われた。彼はロンドンを出発する前夜、郊外で白い衣を身にまとった奇妙な女を目撃する。彼女の名はAnne Catherick(Olivia Vinall)で、精神病院から脱走してきたという。
  Limmeridge家にやって来たWalterは、Anneによく似ているLauraに驚いた。が、いつしかLauraに惹かれていく。しかし彼女には、Sir Percival Glyde(Dougray Scott)という婚約者がいた。この婚約者は何か秘密をかかえており、Lauraは恐ろしい陰謀に巻き込まれていく。Wilkie Collins'の同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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このドラマにRiccardo Scamarcioが出ている、それだけの理由で観ました。オープニングの音楽や映像からして、つかみどころのない危険を孕んだ物語であることを予感させ、期待が高まってきます。しかも第1話で、容貌も着ている服も瓜二つなAnneとLauraを登場させ、早くも謎解きが始まる。てっきり二重人格になったLaura(Olivia Vinallが1人2役で演じていたこともあり)だと思っていたが、私の予想は大外れ。

この2人が双子のように似ているのを利用して、夫Sir Percival Glydeと彼の友人Fosco伯爵(Riccardo Scamarcio)が、Lauraの膨大な財産を騙し取ろうと、陰謀を企てる。しかし秘密のニオイを鋭く嗅ぎ取った異母姉Marianと美術教師Walterが、法律に詳しい公証人のErasmus Nash(Art Malik)とともに、この陰謀に立ち向かい、邪悪な2人には天罰が下る、そしてWalterとLauraは晴れて結ばれ、Marianはかねての夢であった世界放浪の旅に出る。これらを現在と過去の2つの時間軸で描いている。WalterとLauraの恋物語でもあるはずなんだけど、決定的なものがなくインパクトにも欠けていたから、私のテンションはそれほど上がらず。けれど毎回ちょっとした謎や伏線を張りながら、無理なく回収していくので、ほど良いスリルに浸りながら、謎解きを楽しんた。


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辛口ですが、WalterやLauraやSir Percivalの演技は学芸会レベルで、残念ながらほとんど印象に残っていません。脇役のFosco伯爵に扮したRiccardoは、ブルーの瞳を不気味に光らせつつ、なかなか情熱的な悪役だった。デビュー当時のチャラ男より謎めいた悪役のほうが、断然彼の良さを引き出してくれる。ところで海外ドラマに登場するイタリア人は、得てしてマフィア絡みであることが多いですね。イタリア=ピッツァ、日本=寿司のような、ステレオタイプな捉え方は、分かり易く手っ取り早いとは言え、何だかなァ。


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人間的な魅力という点では、公証人のErasmus Nashが一押しでした。初めて画面に登場した時には、警察?誰の味方?主要登場人物とはどういう関係にある?様々な疑問が頭に浮ぶ。その後の展開でも、彼は私情を挟まず、やや高圧的な雰囲気をまといながら、淡々と仕事をこなしていく。しかし最終話で、公証人という肩書きを取り払った1人の人間の、親としての葛藤を見せ、誰もが彼に寄り添いたくなったはず。この事件を通して、彼の中で何かが変わった。だから娘に会いに行くのでしょう。


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by amore_spacey | 2018-05-31 00:23 | - TV series | Comments(2)

北と南 (North and South) BBCドラマ 全4話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 英国国教会の理念と相容れなくなった父Richard Hale(Tim Pigott-Smith)が牧師を辞め、19歳のMargaret Hale(Daniela Denby-Ashe)は母Maria Hale(Lesley Manville)・家政婦Dixon(Pauline Quirke)と共に、気候温暖で穏やかな南部の田園地帯Helstoneから北部の工業都市Miltonへ移り住む。何もかも違う生活に戸惑う彼女の前に、Miltonで紡績工場を経営する青年実業家John Thornton(Richard Armitage)が現れた。工場で働くNicholas Higgins(Brendan Coyle)と知り合った彼女は、労資対立の仲介役を務めることになる。折しも彼の工場の労働者たちがストライキを始め、労働者たちは暴徒化していた。Elizabeth Gaskellの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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Richard Armitageの出世作と言われますが、やっと観ました。彼との出会いは、『ハンニバル』の中でタコ踊りするレッド・ドラゴンだったので、良い印象がありません。まるでMargaretとJohnの出会いと同じ。不気味で頭のおかしい男という、衝撃的なイメージが強く残ってしまい、しばらく彼の出演作品を観る気になれなかった。ところが人に勧められてこのドラマを観てみたら、いえ、もっと的を絞って言うなら、第4話の駅のシーンを観たその瞬間、恋に落ちました。単純な人間です、私は(苦笑)

いつも眉間にシワを寄せて、気難しく厳しく暗い表情を浮かべている男。間違って手を触れたりしたら、冷ややかなあのまなざしや鋭い鼻で、サクッと切り落とされそうな、恋とは無縁の世界に生きているような男が、第4話でMargaretをみた瞬間、頬をゆるめ口角を軽く上げ、はにかむように笑いかけてくるではありませんか。別人?? ダメな労働者たちを叩きのめしたあの両手で、Margaretの頬をそっと包み込み、いつもならキッと真一文字に結んだ薄い唇が、ぽってりしたMargaretの唇にそっとそーっと重なる。うわぁ、悩殺です。このシーンを、何度リピートして観たことやら。画面はピンクのバラの花に包まれ、萌えまくりました。究極のラブロマンスです。当時は少女漫画の代わりに、こうした小説が庶民の心に潤いをもたらしてくれたのでしょう。


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様々な社会背景を織り込みながら、2人の恋の行方が描かれるので、リアルで説得力があり、次の展開が待ち遠しくて仕方がなかった。経営者と労働者が徐々に和解して、共にやっていこうという男同士の絆にも、胸が熱くなった。悲しいエピソードも多々あり、ドラマを包む空気は決して明るくはないけれど、より良い方向へ進もうとするMargaretたちが、湿っぽく鬱々とした北部の工業都市を照らす、小さな灯りのような存在だ。

脇役も素晴らしい役者が揃っている。人情あふれる家政婦、Margaretをあからさまに嫌うJohnの母、KYで世間知らずなJohnの妹、機転がききユーモアに溢れたMr. Bellなどなど。全4話で完結するというのも、私には丁度良い長さだった。


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by amore_spacey | 2018-05-23 00:47 | - TV series | Comments(0)

ジェーン・エア (Jane Eyre) BBCドラマ 全4話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 悲惨な子ども時代を過ごした孤児のJane Eyre(Ruth Wilson)は、教師の資格を取り、Thornfield Hallの屋敷で住み込みの家庭教師の職を得る。晴れて新しい生活を手したJaneは、屋敷の主人Rochester(Toby Stephens)と恋に落ちていくが、Rochesterにはある秘密があった。Charlotte Brontëの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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しばらく前に『嵐が丘』を観て以来、英国ロマンス・フィクション熱に火がつき、このところBBCやITVのドラマを観ています。この作品も過去に何度も映画化・TVドラマ化されているので、どのヴァージョンを観ようか迷ったが、決め手になったのはキャストでした。それから英国のドラマには、豊かな自然が登場するので、毎回美しい風景を見るのも楽しみだった。


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Toby Stephensは嫌な奴や悪役を演じることが多いので、Rochester役はかなり意外だった。それだけにどう演じるのか、期待も高まる。で、これが申し分のないキャスティングでした。ちょっぴり荒々しいが自由奔放に生きる、しかもそこに貴族の気品を備えたRochesterに、驚くほどハマッていたのです。今回はTobyが情愛のあるイイ男に見えました。ええ、ラブ・ロマンスですから。遠くを見る時の視線や喋り方が、お母さんによく似ている。


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Janeを演じたRuth Wilsonは、全く知らない女優さんでした。口をきっと結んだ表情が、彼女の内面を映し出して印象的。どちらかといえば地味な顔立ちだが、秘めた強靭な意志や溢れる知性、そして奥ゆかしく落ち着きのある雰囲気は、私が描いていたJaneそのものだ。Rochesterと言葉を交わすときの、恥らいつつもひたむきな表情や、彼を思う気持ちを隠し切れず、頬を紅潮させる純朴さが魅力的で、私もドキドキしました。さらにあの時代には珍しく自立した女性で、いざとなれば一人で生きていく事だってできる。Ruth Wilson扮するJaneの、静かな存在感に圧倒された。

RochesterとJaneの2人が出会い、なんとなく気が合う。互いの言葉が面白く、会話が楽しくて仕方がない。言葉を通して互いに惹かれていき、気がついたら恋に落ちていた。2人の間にあった空気が次第に熱を帯びて、徐々に変化していく様(さま)を、主役の2人は細やかな仕草や表情で演じ、久しぶりに私も胸がときめいて、幸せな気持ちになりました。


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ところが、事はそう簡単には運びません。ああ、この展開は、まさしく少女漫画そのもの。邪魔が入るんです。なんと、Rochesterには妻がいた。しかも彼女は遺伝性の精神病を患っており、屋敷の一室に閉じ込められている。挙式真っ只中で明らかになるなんて、あまりにも残酷だ。けれどこの試練がかえって、2人の絆をより深めたと言いましょうか。いえいえ、Janeの気持ちは最初から決まっておりました。2人を阻むものは、もう何もない。どうか末永くお幸せに。


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by amore_spacey | 2018-05-10 01:13 | - TV series | Comments(2)

嵐が丘 (Wuthering Heights) TVドラマ 全2話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 ヒースが咲き乱れる英国ヨークシャーにある、「嵐が丘」と呼ばれる丘に住む農場主Earnshaw(Kevin McNally)には、息子Hindleyと娘Cathyがいた。ある日Earnshawはジプシーのみなし子を家に連れて帰り、少年をHeathcliffと名づけて実の息子のように可愛がった。CathyとHeathcliffは兄妹のように育ち、やがて愛し合うようになる。
  しかし父の死後、Hindley(Burn Gorman)はHeathcliff(Tom Hardy)を下男として冷酷に扱いはじめた。やがてCathy(Charlotte Riley)が由緒正しいLinton家のEdgar(Andrew Lincoln)と婚約すると、Heathcliffは突如家を出て行く。そして3年後、裕福になったHeathcliffは、Earnshaw家とLinton家に復讐を果たすため、嵐が丘に戻ってきた。Emily Brontëの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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『嵐が丘』のイタリアヴァージョンは、後半で展開していくはずの復讐劇をほどんどスルーして、Heathcliff とCathyの悲恋物語に焦点をあてた、お昼のメロドラマ(少女漫画)風なので、何度も言うように強烈な印象を残したLaurence Olivier主演(1939年)の作品に比べると、甘ったるくて物足りないったらありませんでした。


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で、Heathcliffを演じるTom Hardyですが、もちろんイケメンなんだけど、フェロモンダダ漏れで、やたら生々しいんです。恰幅が良く逞しくて、どこから見てもスーパー健康優良児。それは決して悪くはないのですが、この作品には難ありお?と第1話を観ながら思ったのです。Heathcliffは翳があって病的で神経質なほっそりした男性、という勝手に抱いたイメージから言うと、Tomは規格外と申しましょうか。何か全然違うんですよね。当時のひらひらした衣装やロンゲも、コスプレ?罰ゲーム?じゃなかったら何?というくらい似合わない。チャームポイントのキュートで官能的な分厚い唇が、この作品では卑猥に見えて、それもなんだか勿体ない。


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という訳で、私がイメージするHeathcliffとTomの間に大きな隔たりがあり、第1話では全くドラマの中に入っていけなかった。が、第2話はのめり込むようにして最後まで観ました。彼が演じる野生的なHeathcliff、不思議なことにこれがなかなか良かったのです。野生的だけどRussel Crowほど動物的で野蛮ではない。Tomヴァージョンの『嵐が丘』を観終わった今、この作品に流れる、愛憎・悲恋・復讐のキーワードが、野生的なTomにぴったりという気もしてくる。Tomのおかげで、Emily Brontëの小説の世界(手の届かない所)から、Heathcliffという1人の人間が私たちに近い現実の世界に出てきた、リアリティのあるHeathcliffをみせてくれたように思う。


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脇を固めた役者たちもそれぞれ素晴らしかったが、特に家政婦Nellyを演じたSarah Lancashireの、控えめでありながらブレない、全てを優しく包み込む大地のような存在感に、いつも安心し癒された。窮地に陥っても、彼女なら何とかしてくれそう。小説の中のNellyは、もっと謎めいた女性だった気がしますが、TVドラマ版の解釈もなかなか好きです。英国貴族社会を舞台にした作品に登場する執事や家政婦は、お屋敷を取り仕切る役職柄、一家の内情や秘密に詳しいので、脇役の中でも主役的な位置にあり、目が離せません。


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by amore_spacey | 2018-04-29 01:16 | - TV series | Comments(4)

トラスト・ミー (Trust Me) 全4話

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (75点)

ネタばれあり!!!

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【あらすじ】 心臓外科病棟で働くCath Hardacre(Jodie Whittaker)は、勤勉な熟練看護師だったが、ある告発を受けて職を失った。そこでCathは親友Ally Sutton医師(Andrea Lowe)のアイデンティティを盗み出し、救急部の医師になりすまして、1人娘とエジンバラで新しい人生を始める。Allyとして生きるウソで固めたCathの新しい人生に、果たして未来はあるのか?(作品の詳細はこちら


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えぇー、こんな話あり得ない!と思った。が、30年以上も無資格で医師として働いていた、しかも有能な名医として知られていたという事件が実際にあったというから、事実はTVドラマよりも奇なり。ハセヒロ主演の『雲の階段』は無資格の外科医が登場し、『太陽がいっぱい』では殺した友人になりすますが、どちらも最後にはバレてしまう。しかしこのドラマのCathは、危うい場面を何とかやりすごして、うまく逃げ切ってしまう。驚いたなぁ、絶対に逮捕されると思ったのに。こういう結末のドラマもありなのか。


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何度も出てくる絶体絶命のシーンになると、「これ、絶対にヤバいよね。バレるよね」ドキドキハラハラする自分と、「いや、でも、バレたら、面白いことになりそう、フフッ」という意地悪な自分が、心の中でせめぎあい、ムダにエネルギーを消耗して疲れました(苦笑) 無資格医は論外、その事実を知りつつ隠蔽に手を貸すAndy(Emun Elliott)や、酔った状態で勤務するBrigitte(Sharon Small)のような人たちって、医師としてどうなの?と言いたい。ただでさえイタリアの病院は不祥事が多いのに、こんなドラマを観てしまうと、ますます病院から足が遠のいてしまいます。『トラスト・ミー』って・・・悪い冗談ですよね?(Ф_Ф;)  


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by amore_spacey | 2018-01-10 05:10 | - TV series | Comments(0)

ピーキー・ブラインダーズ シーズン4 全6話 (Peaky Blinders Season 4 6 episodes)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (85点)

ネタばれあり!!!

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【あらすじ】 逮捕されたShelby家の面々は、辛くも絞首刑を免れて自宅に帰って来た。その年のクリスマス、彼らのもとに不気味なクリスマス・カードが届く。Arthur(Paul Anderson)によって一員を殺害されたシチリア・マフィアのLuca Changretta(Adrien Brody)が、復讐のためニューヨークからやって来たのだった。最初の襲撃でJohn(Joe Cole)が殺され、Michael(Finn Cole)も瀕死の重傷を負う。何が何でもThomas(Cillian Murphy)の命が欲しいLucaは、Polly(Helen McCrory)に裏取引を持ちかけた。(作品の詳細はこちら


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シーズン4も波乱含みで、1話1話がドラマチックな展開でした。Thomasの作戦でShelby家のメンバーは逮捕されたが、絞首刑が執行される直前に、中止の指示が出て取りやめになり、死刑台から奇跡的に生還した。それは分かった。でも一連のこれらの出来事がShelby家にどんな効果(得)をもたらしたのか、その辺りのカラクリが未だによく分からなくて、もやもや。


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さて今シーズンのThomasの宿敵は、冷酷なマフィアのボスLuca。イギリス上陸後の入国審査で、「オレたちゃ、アメリカ人なんだぜっ」のドヤ顔や、マッチ棒をくわえながら喋る相手を舐めた態度に、ああ、また嫌なヤツが登場したなぁと、暗い気持ちになった。神経質&粘着気質で、狙った敵は必ず仕留める凄腕の持ち主だ。因にどうでもいいことだけど、Lucaたちの話すシチリア訛りのイタリア語が、まぁ、かなり微妙な発音で、緊迫した場面なのにふっと笑いが出ちゃったりしました。

背ェ高ノッポのやせっぽちで「ハ」の字の眉毛、見るからに儚(はかな)げなAdrian Brodyは、ずっとピアノを弾いているのかと思いきや、今度はマフィアのボスですかァ。頼りなさそう&体温が低そう&低血圧っぽく見えるが、こういうのに限って、ぶち切れたら残虐で怖い。彼は着痩せするタイプで、筋肉質の締まったナイスバディに、心底びっくり。


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今シリーズ2人目のニューエントリーは、ジプシーのAberama Gold(Aidan Gillen) Shelby家の助っ人になるはずなんだけど、どう見ても胡散臭いヤツ、100パーセント信頼できる人物とは思えない。いずれは消される運命でしょうか?


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蓋を開いてみれば、Thomasが一枚も二枚も上手だった。LucaとAlfie Solomons(Tom Hardy)をさっさと始末して、暗黒街の頂点にまた一歩近づいた。合法的&組織的に競馬や武器売買を行い、昔のようなストリート・ギャング団とは、もはや格が違います(まぁ、やってることは同じなんだが)。

しかし勢力をさらに拡大するためには、民衆からの好感度を上げるような、社会的なタイトルが必要だ。Thomasはイギリス労働党の議員にも選出され、念願の社会的ステータスをも手に入れた。このあとShelby家はどうなるのだろう? 個々の私利私欲が噴出して、SMAPのように突然解散…なんてことになるかもしれません。


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by amore_spacey | 2018-01-02 20:15 | - TV series | Comments(0)

ピーキー・ブラインダーズ シーズン3 全6話 (Peaky Blinders Season 3 6 episodes)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタばれあり!!!

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【あらすじ】 1924年。Shelby家はイングランド中部のWarwickshire州に引越し、広大な屋敷を構えた。そこでThomas(Cillian Murphy)とGrace(Annabelle Wallis)の結婚式が行われる。Churchill首相から仕事を依頼されたThomasは、共産主義者に対抗するロシア人に武器売買を始めた。(作品の詳細はこちら


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シーズン3もどんでん返しの連続で、内容がとても濃い。やはりりGraceと結婚するのかぁ。彼女も魅力的だけど、個人的にはMay Carleton(Charlotte Riley)と一緒になって欲しかった。でもあっという間にGracegが退場したので、今後の展開の中で、Mayと結婚する可能性もあるかも。


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今シーズンのThomasの宿敵は、不気味で粘り気のあるJohn Hughes神父(Paddy Considine)だった。彼の悪魔っぷりに憎悪は、はらわたが煮えくり返った。凶悪すぎる。聖職者の闇も、暗くてとことん深いのです。


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陰のあるイケメンThomasは、どこにいっても女性にモテモテ。ロシア貴族の姪っ子Tatiana Petrovna(Gaite Jansen)も彼と取り引きをしつつ、女の武器をちらつかせながら、予想通り男女の関係に持ち込みました。綺麗でしたたかな女、油断ならない。


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Pollyと肖像画家Ruben Oliver(Alexander Siddig)のラブストーリーは、Pollyの女の部分がチラ見えして、微笑ましかったが、エレガントなドレスより、ジプシーっぽい服を着て、啖呵を切っていたほうが彼女らしくて好きです。


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Arthur(Paul Anderson)ってイケメンじゃないのに、いつの間にか好きなキャラの1人いになりつつある。ちょっと間抜けで喧嘩っ早くて、後先考えずに手が出てしまう。単純で分かりやすい、やんちゃな兄ちゃんだ。放っておけないところが、母性本能を刺激するのかしら?Thomasは回が進むにつれ、どんどん男前になっていきますねぇ。ただのギャングから、組織的犯罪集団のボスの顔になってきた。Cillianはこのドラマのために、長年続けてきた菜食主義を返上して、身体を鍛えたというじゃないですか。ブルーの瞳以上に、引き締まったナイスバディも目の保養になります。


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Pollyの息子Michael(Finn Cole 画像左)も、短期間でぐんと成長して、いい青年になってきた。彼の野心的な一面が、今後のBlindersにどう影響していくのか、気になるところです。因みにSherby家の3番目のJohn(Joe Cole 画像右)と彼は、実生活で兄弟。

今回も衝撃のラストでした。Thomas以外のShelby家のメンバーが、警察に連行されるって、どういうこと?こんな大きな賭けに出て大丈夫?Thomasが練った奇策だから、絶対にうまく行くとは思うんだけど…。


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by amore_spacey | 2017-12-27 00:21 | - TV series | Comments(0)

ピーキー・ブラインダーズ シーズン2 全6話 (Peaky Blinders Season 2 6 episodes)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

ネタばれあり!!!

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【あらすじ】 1921年。病死したFreddie Thorne(Iddo Goldberg)の葬儀に、Shelby家が集った。ちょうどその時、Pub「Gasoline」が何者かに爆破される。しかもThomas Shelby(Cillian Murphy)は爆破を指示した人物から、アイルランド反体制派のライバルの暗殺を依頼され、やむなく実行した。一方ロンドンを支配するDarby Sabini(Noah Taylor)が経営するクラブに行ったShelby兄弟は、そこで大乱闘を起こしてしまう。その仕返しにSabiniは、Thomasに暴行を加えAda Shelby(Sophie Rundle)を誘拐させた。
 界隈の治安維持のため、再びCampbell警部(Sam Neill)が派遣される。重傷を負ったThomasの見舞いに訪れた警部は、自分のスパイとして動くよう要求した。Thomasは病院を抜け出てロンドンに向かい、裏社会を牛耳るユダヤ系ギャング団のリーダーAlfie Solomons(Tom Hardy)と同盟を結ぶのだった。(作品の詳細はこちら


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どんでん返しのサプライズが続く、波乱万丈のシーズン2、最後まで気が抜けませんでした。もっさりしたTom Hardyの登場で、面白くなってきた。存在感がありますなぁ。表の顔はパン屋のおっちゃんだけど、裏社会では大物泣かせの切れ者で、地雷がどこにあるか分からない。ガラが悪いわ、弁舌巧みでのらりくらり相手を焦(じ)らせるわ、都合の悪いことはトボけるわ。敵にまわしたくないです。彼にとって、金が全て。そんな輩だから、最初はThomasも戦々恐々としていたが、相手の懐に入って扱い方さえ分かればこっちのもの。一世一代の大芝居を打って、Thomasが危機を抜け出すシーン。あれは手に汗を握ったが、スカッとした。Thomas、よくやった!


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実生活でTom Hardyの嫁であるCharlotte Rileyが、貴族の未亡人でThomasの馬の調教師を買って出るMay Carletonを演じる。MayとThomasは、次第に深い仲になっていくんだけど、ThomasはGrace(Annabelle Wallis)のことが忘れられない。不妊治療でロンドンに来ている彼女と、感動の再会になるはずだったのに、どよーんと沈んだあの空気の中で、Thomasの子が彼女のお腹に宿っている、という爆弾発言…。


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さてThomasが手を尽くしたお陰で、Pollyの子どもたちのその後が分かった。娘はすでに死亡、しかし息子Michael(Finn Cole)は生きていた。間もなく18歳になる。バーミンガムで感動の再会です。Michaelは自分もShelby家の一員として加わり、母の反対を押し切ってBlindersと行動をともにする。Michaelを演じるFinnがなかなか良い青年で、Blindersの経理担当として大活躍してくれるに違いない。


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気丈で男前なPolly(Helen McCrory)も、息子Michaelのことになると、母性愛全開でメロメロ。息子をムショから釈放させるためなら、Campbell警部(Sam Neill)に強要された肉体関係も受け入れる。でもそこで泣き寝入りするような柔(やわ)な女じゃない。レース場できっちり片を付けさせて頂きました。にしても、Lizzieが可哀相すぎる。いつまでも利用されるだけの都合のいい女で、娼婦あがりとは言え、あの扱いはあんまりだわ。

兄Arthur(Paul Anderson)は悪いヒトではないんだけど、肝っ玉が小さいくせに、気分屋で喧嘩っ早いから、後先考えず問題を起こしてしまう。感情に任せて余計なことをするから、Thomas がやっと軌道に乗せたビジネスも台無しになるし、ロンドン進出の計画も頓挫しちゃったじゃないか。長男だろ?しっかりしてくれよ。


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肝心のThomasは、Campbell警部に始末を依頼されたUlster義勇軍のメンバーに、拉致されてしまう。でもここで主役が殺されたら、シリーズは終わり。絶対絶命のエンディングだったけど、Thomasは絶対に助かるわよねっ。


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by amore_spacey | 2017-12-18 02:37 | - TV series | Comments(0)