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サイコ・リバース (Peacock)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタばれあり!!!

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【あらすじ】 ネブラスカ州の小さな町ピーコックで、銀行員として働くJohn Skillpa(Cillian Murphy)は、几帳面だが人間関係が苦手で、つい挙動不審な行動をとってしまう。家と職場を往復する以外は、特に趣味や友達もなく、ひっそりと暮らしている。そんな彼には、女装して家事をこなすEmmaという、もう1つの人格があった。ある日自宅の裏庭に列車が突っ込む事故が起きたことから、EmmaがJohnの妻として世間の注目を浴びることになる。(作品の詳細はこちら


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Cillian1人祭りはとりあえずこれで終わり。この作品は冒頭でJohnとEmmaが同一人物であることを明かしているので、私たち視聴者の関心は、「Johnには女装癖があるのか?」という疑いから、主人公が多重人格者だと分かると、「彼の二重生活が、破綻しやしないか?」に移り、ハラハラする場面が増えていく。しかし最後までバレることはなく、私たちの期待はあっさり裏切られる。みんな顔見知りの小さな田舎町で、誰も気づかないなんて、絶対にあり得ないよなぁ、など突っ込み所は満載だが、そこはさ、娯楽映画ですから。

Cillianが演じるJohnとEmmaがとても魅力的で、ぐいぐい引き込まれた。多重人格者の暮らしを淡々と眺めてはいますが、抑えようのない負のエネルギーが時々爆発しては、また静かな水面に戻るといった、適度な緩急を持たせたのも良かった。とにかくCillianが新しい役を演じるたびに、その役が彼に乗り移ったのかと思ってしまう。それくらい現実味や説得力があり、ストーリーよりも彼の演技から、目が離せなくなった。恐ろしい子。悪魔だわ、彼。


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社会的には銀行員のJohnと認識されているが、それ以外の彼の私生活など、町の人は誰も知らないし関心もない。でも私たちは知っている。これと言った趣味はないけれど、あの池に行って石を投げたり(投げたとき足が奇妙な動きをしたり)、木の枝にくくりつけたタイヤのブランコが好きで、そこに座っているだけで彼は癒される。夜になるとEmma(母親)に見つからないように叱られないように、こっそり家の外の階段に座って、大好きなチョコバーをかじる、ささやかな楽しみ。至福の瞬間だ。そんな彼を観ると胸がしめつけられる。Kittenと同じように、Johnもぎゅっとハグしてあげたい。彼の隣に並んで座って、一緒にチョコバーを食べたい。


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Emmaを演じるCillianが、女性以上に女性らしくて、これまた凄いのだ。私なんか太刀打ちできませんよ。細やかな表情や、肩や首や手や手首の動き、歩き方や身体のあずけ方など、どうやったらあそこまで女性になり切れるものなのか、本気でCillianにプライベート・レッスンを申し込みたいものです。

ここまでは良かったんだけど、列車事故のせいで、Johnの平穏な暮らしは一変する。彼自身はもちろんのこと、Maggie(Ellen Page)親子や他の町の人々も、JohnやEmmaに翻弄される。しかもMaggieの子の父親がJohnと知ってから、2つの人格争いはエスカレートしていき、Emmaとして生きる時間が長くなる。そしてついには死んだ母親、幼いJohnを虐待した母親の人格が、Emmaを占領していく。既にJohnという人格は、この世から消えてしまったのかも。窓辺に座ったまま誰にも知られることなく、Johnは自己崩壊の道を辿るしかないのか?でもそれでは余りにも哀れで、悲しすぎるじゃありませんか。邦題は、久々の「何だ、こりゃ?」


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by amore_spacey | 2018-02-26 01:08 | - Other film | Comments(0)

A casa tutti bene

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 Pietro(Ivano Marescotti)とAlba(Stefania Sandrelli)夫婦の結婚50周年を祝うため、2人が暮らす南部の小さな島に一族郎党が集まることになった。彼らの3人の子どもたちCarlo(Pierfrancesco Favino)とSara(Sabrina Impacciatore)とPaolo(Stefano Accorsi)は、それぞれ配偶者や子どもを連れ、また叔母やいとこたちも島にやって来る。
  平穏で幸せな大家族。だがElettra(Valeria Solarino)と別居中のCarloは、ヒステリックで面倒な彼女Ginevra(Carolina Crescentini)に振り回されている。Diego(Giampaolo Morelli)と結婚したSaraは、夫の浮気に気づかぬフリをして結婚生活を続けている。浮気がバレて息子に軽蔑され妻に追い出されたPaoloは、この島にやって来て、こともあろうにいとこのIsabella(Elena Cucci)と一夜を共にしてしまう。(作品の詳細はこちら


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この作品には巨匠の作品を彷彿させるシーンが登場する。ピアノを囲んで歌うシーンはEttore監督の『テラス』、大勢で食卓を囲むシーンは、Ozpetek監督の『対角に土星』『無邪気な妖精たち』『あしたのパスタはアルデンテ』。金婚式という祝賀イヴェントに集まった一族だが、それぞれのカップルが抱えていた問題が噴出し、見てみぬふりして先送りしてきた現実に、誰もが向き合わざるを得なくなる。


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近ごろ家族をテーマにしたこの手のドタバタ喜劇が余りにも多く、正直言ってお腹一杯だったりするが、良くも悪くも家族のあり方が問われているからだろう。因みに家族を扱った究極のブラックコメディと言ったら、Monicelli監督のParenti serpentiだ。これは一見の価値あり。

家族だからこそ生じる誤解や軋轢や割り切れない思いを、みんなが抱えている。ここに伊藤さんのような人がいたら、意外とすんなり解決するコトがあるかもしれない。「他人は黙ってろ!」と、火に油を注ぐ事態を招くかもしれない。いや、もともと解決できないコトのほうが多くて、たいがいは時の流れに任せ(先送りとも言う?)ますかね。家族って何もない時は空気のような存在だけど、何かあるとホントに面倒なものでございます。それにしても家族崩壊する作品の舞台が、どうしていつもこんなにも美しいのか、不思議でなりません。


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長い前置きはさておき、前半の祝福ムードが一転し、あちこちで夫婦喧嘩が勃発する。女性はヒステリックに叫び、男たちもそれに負けじと応戦するが、概ね女性が勝負の鍵を握っているものだ、フフッ。火消し役に回るAlbaも、Pieroと共にめでたく金婚式を迎えるが、彼女だって険しい道のりを越えてきた。

人生にはそりゃあ色んなことが起きます。それをどう受け止め、どう調理していくか?それがその後の人生の分かれ目かもしれない。「もう、こんな介護、介護に追われた生活なんて嫌!」と泣きわめいたBeatrice(Claudia Gerini)が、認知症のSandro(Massimo Ghini)に向かって、「それでも、あなたのこれからの人生は、私の人生でもあるのよ」と優しく囁きかける。他の夫婦たちがドタバタコメディを展開する中、ハッと胸を突かれる感動のシーンでした。


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by amore_spacey | 2018-02-22 00:18 | - Italian film | Comments(0)

お父さんと伊藤さん

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (72点)

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【あらすじ】 書店でアルバイトをしている34歳の彩(上野樹里)は、給食センターでアルバイトをする20歳上のバツイチ男・伊藤さん(リリー・フランキー)と交際中。ある日、彼らが一緒に住むアパートを、息子の家を追われてしまった彩の父(藤竜也)が訪れる。父親は伊藤さんの存在に驚きながらも、「この家に住む」と言い出した。(作品の詳細はこちら


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機内上映のレビューは、これで終わり。この作品は観る人の立場によって、感じ方や捉え方が違ってくるでしょう。私は娘の立場で観ていたから、彩とほぼ一心同体でした。が、あそこまでクールに対応できない。感情が先走り、学習能力もないから、修羅場を繰り返しそうですわよ。


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彼女のさらに上を行くのが伊藤さんだ。結婚しないし子供もいらない、彼でもなく夫とも違う。彼の正体は謎に包まれているが、お父さんと年齢的に近く男同士というのも手伝って、結構ウマが合い、波風立てずうまくやってくれる。フンワリとして掴み所がないようで、ここぞと言うときには要(かなめ)になり、彩の家族を良い方向に導いてくれる。

伊藤さんが彼でも夫でもないという曖昧な立場だからこそ、あんな台詞が言えたりこんな行動をとることができたのかもしれない。都合が良すぎるし、現実はこんなもんじゃない。年老いた親の問題に正解はないし、どんな道を選んでも、割り切れないもやもやした気持ちは残るんだから。あの3人はたぶん一緒に暮らしていくだろう。決してなだらかな道のりではないが、伊藤さんがいるから大丈夫。修羅場になった時「伊藤さーん」と叫んだら、みんなのところに飛んで来てくれないかしら。


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何度も出てくる食事のシーンが、空腹の私を直撃して、あの飯テロには参りました。トンカツやエビフライがすこぶる美味しそうだったから、明日はトンカツにするかなァ?ところでお父さんは、何だってあんなにスプーンを集めたんでしょうか?


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by amore_spacey | 2018-02-20 03:52 | - Japanese film | Comments(0)

バリー・シール アメリカをはめた男 (American Made)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 TWA の俊英パイロットBarry Seal(Tom Cruise)は、CIAのエイジェントMonty Schafer'(Domhnall Gleeson)にスカウトされ、CIA偵察機のパイロットとなった。極秘作戦の過程で麻薬組織と接触し、麻薬の運び屋としても才能を発揮する。政府の命令に従う一方で、違法な密輸ビジネスで荒稼ぎするBarryだったが…。(作品の詳細はこちら


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機内上映第4弾。オレ様Tom Cruiseが昔からすごく苦手で、彼が出ているというだけでパスした作品は数知れない。けれど本作品は結構面白いと聞いたので、騙されたと思って機内上映で観てみたら、、、これが軽妙で本当に面白かった。Tomがあんなにコミカルで砕けた役を演じるなんて(生お尻見せちゃうし)、、、驚いた。頭の中に銭の花が咲いちゃった能天気な男の人生が、アップテンポでスリリングに展開していくが、その本質はコミカルどころか、アメリカの情報機密機関が関わる深刻なものだった。結末は何となく分かるのだが、それでもBarryが欲張って、麻薬の密輸や武器の横流しにまで手を出すようになる辺りから、大丈夫なのか?と心配になって来る。


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日本語のタイトルは、アメリカをはめた男だが、はめられ利用された男はBarryなのだ。だから彼に罪はないとは言わないけれど、この悪党野郎め!という印象を受けないのは、アメリカという国が何食わぬ顔して、一民間人に汚い仕事やらせた。国防という大義名分で、ヘタをすれば命を落としかねない仕事を押し付ける、そのやり方が極めてあざとくて汚い。Barryはそんな連中に、骨の髄まで利用されたんだよ、という同情的な見方ができるからかもしれない。エンターテインメントとして笑って観ていたけれど、これって史実なんだ。いやいや、笑ってる場合じゃありません。


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by amore_spacey | 2018-02-18 03:41 | - Other film | Comments(0)

ブレードランナー 2049 (Blade Runner 2049)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 舞台は2049年のカリフォルニア。人間社会に紛れ込んでいる、労働用の人造人間レプリカントを処分する役目の捜査官K(Ryan Gosling)は、ある重大な秘密に辿り着き、その真相を知るため元捜査官Rick Deckard(Harrison Ford)の行方を追っている。レプリカントを製造する科学者&実業家Wallace(Jared Leto)は、「彼が鍵を握っている」と言うが、彼とは誰か?そしてDekardの居場所をつきとめたKは、過去に何があったのかを彼に問う。(作品の詳細はこちら


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機内上映第3弾。久々にやっちまいました、途中で早送り…。疲労のせいで長時間の作品に集中できず。Jared Leto扮するWallaceの儀式のようなシーンとか、サクサク飛ばしました。

前作『ブレードランナー』は、雨が降るネオンの陰鬱な街角を飛ぶ近未来な車や、Vangelisの音楽など、ストーリーよりも映像やメロディーの美しさに圧倒された。そして本作品は砂嵐の中の廃墟に、Hans Zimmerの郷愁を帯びた音楽。前作のRutger Hauerの存在感が揺るぎないものだったので、Ryan Goslingで大丈夫なのかしら?と思ったが、それは余計な心配だった。クールで無表情な、自分の内面を見せないRyan扮するKにとって、任務を遂行することは、同時に自分探しの旅になっていたとも言える。「俺は一体、何者なのだ?」が、常につきまとう。孤独に押し潰されそうになるKを支えるのが、とってもキュートで健気なJoi(Ana de Armas)。あんな可憐な子がそばにいたら、癒されますぅぅ。


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無菌室で暮らす娘Ana(Carla Juri)とDekardを再会させる、その大役を果たすのもK。結局彼は、2人を引き合わせる道具に過ぎなかった、と言えなくもない。が、そこには人間らしい愛が、確かにあった。雪が舞い落ちるラストシーンのKに、目頭が熱くなりました。

2つの作品に共通するのは、たとえ人造人間やロボットであっても、生きる者として高次元の精神活動が可能であり、慈愛の心を手に入れることができるという願いだと思う。ですが、2020年の東京オリンピックにも大量導入されるというロボットや、原発周辺の危険区域の撮影や介護などの現場で既に活躍する産業ロボットを、人間に近い存在として捉えるのは・・・うーん、やっぱりムリがあるな。


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by amore_spacey | 2018-02-16 01:29 | - Other film | Comments(2)

キングスマン: ゴールデン・サークル (Kingsman: The Golden Circle)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (77点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 謎の組織Golden Circleによって、ロンドンにある高級スーツ店を隠れ蓑(みの)にしたスパイ組織Kingsmanの根城が破壊されてしまう。残ったのは、以前Harry Hart(Colin Firth)にスカウトされて腕を磨いたEggsy(Taron Egerton)と、教官でありメカ担当のMerlin(Mark Strong)だけだった。二人は敵を追い、同盟組織のStatesmanの協力を求めてアメリカへ渡る。(作品の詳細はこちら


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機内上映第2弾。1作目に負けず劣らずアップテンポ&ハイテンションで、突っ込みを入れるヒマがなかった(笑) 辻褄の合わないところは多々あるが、娯楽映画なんだからトコトン楽しんでしまいましょう。キャストが前回以上に豪華だったが、居ても居なくても?な方々もいたかな。ま、細かいところに拘らず、さらっと観るのが良い。


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まずはEggsyの成長ぶりに驚いた。ひ弱で、こう言っちゃなんだけど、カリスマ性に乏しく、惹かれるものもなく、Colin Firthとコンビを組むなんて、100年早い!格が違い過ぎると思ったが、今回は鍛えられた肉体(スーツがピッチピチ)の上、役柄に馴染んだせいか?ブレることなく、敵陣に突っき進んで行った。ベテランが揃う脇役陣から、学ぶことが多かったのでしょう。


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死んだはずのHarryの復活には、無理矢理感が拭えないが、それでもやはり嬉しい。記憶がなくなって、どうかすると蝶が舞う幻覚症状に悩まされても、Colinがいなくちゃダメ。ビシッと決めた英国紳士な彼も素敵、でも着古したジャージ姿の腑抜けたColinもなかなかいいじゃないですか。悪役や意地悪な役をやらせると、Julianne Mooreは生き生きしてきて(誰でもそうかな)、こんな彼女なら受け入れられる。


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しかし、まぁ、Elton Johnには、誰もが仰天したんじゃないでしょうか?最初に登場した時にはそっくりさんかと思い、それが本人だと分かってからも、チョイ役に過ぎないんじゃないかと。いやいや、チョイ役どころか、出ずっぱり?あの破壊力には恐れ入りました。仮にもSirの称号を持つEltonが、あそこまでノリノリに弾けてくれるなんて、紅白の小林幸子も真っ青ね。コンサートとは違うノリで、彼もさぞや楽しかったことでしょう。あの終わり方は、続編ありってことですよね。楽しみです。


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by amore_spacey | 2018-02-15 00:42 | - Other film | Comments(2)

ヴィクトリア・アンド・アブドゥル (Victoria & Abdul)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (75点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 1877年、インドのAgraという町に暮らす、24歳の刑務所吏員Abdul Karim(Ali Fazal)は、すらりと背が高いというだけの理由から、ゴールデン・ジュビリーの機会にイギリス・ワイト島にあるイギリス王室の離宮で、Victoria女王(Judi Dench)に古代の貨幣を贈呈する名誉ある役を抜擢された。女王の目にとまり寵愛を得たAbdulは側近として可愛がられ、コーランやヒンドゥー語などインドの文化を教えることになる。作家Shrabani Basuによる、実話を元にした本「Victoria and Abdul: The True Story of the Queen's Closest Confidant」を映画化。(作品の詳細はこちら


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日本に一時帰国した往復の機内上映で、4本半(最後は時間切れ)の映画を観たので、暫くの間そのレビューを綴っていきます。

んもう、Judi Denchの可愛らしさやボケっぷりに、がっつりハートを鷲づかみにされました。彼女が出演する作品は概ね外れることがないので、安心して観ていられる。Judi扮するVictoria女王がとてもお茶目で、憮然とした顔で機械的に食べ物を口に突っ込んだり、肉をムシャムシャ食べたり、上座にいながら食事中に居眠りしちゃったり、自分の気持ちに素直過ぎる姿を観て、思わず頬が緩んだ。


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Abdulを演じたAli Fazalは、彫りが深く濃いイケメン。女王の顔を見るのは恐れ多いこと、絶対に見てはいけないと事前に釘をさされたのに、彼ときたら女王の足の指にキスするという暴挙に出る。あれは死刑レベルなのですが、ここでAbdulが退場してしまうと映画が終わってしまうので、この件に関しては注意にとどまり、Victoria女王の老いらくの恋路線で、話は続行していきます。Abdulとの出会いによって、女性ホルモンが全身を駆け巡ったのでしょう。死んだような顔はほんのりピンク色に染まり、まるで少女のような表情に変わっていくのを、私は見逃しませんでした。彼女ってホントに自分の気持ちに素直で、ウソがつけません。


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しかしAbdulが結婚していたことを女王が知った辺りから、シンデレラ物語に影がさすようになる。女王命令でインドから呼び寄せたAbdulの妻が、それほど美人でなかったことに女王がホッとしたり、Abdulには立派な一軒家が与えられたのに、一緒にインドから来たMohammedは不当な扱いをうけ、祖国に帰りたいと言い続けながら、寒い屋根裏部屋で弱って亡くなったり。そして女王亡きあとは、Abdulへの寵愛をやっかんでいた息子Bertie(Eddie Izzard)らが、待ってましたとばかりにAbdul一家を追放し、女王とAbdulに関するものも全て焼却。後味はあまりよろしくありませんでした。それはそうとVictoria女王は、熟れどきのマンゴーを召し上がることができたのかしら?それがちょっぴり気になっています。


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by amore_spacey | 2018-02-14 00:48 | - Other film | Comments(0)

麦の穂をゆらす風 (The Wind That Shakes the Barley)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (68点)

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【あらすじ】 1920年アイルランド、英国による圧政からの独立を求める若者たちが、義勇軍を結成した。医師を志すDamien(Cillian Murphy)も将来を捨て、過酷な戦いに身を投じていく。激しいゲリラ戦は英国軍を苦しめ、停戦となった。1921年の休戦協定からアイルランド自由国が成立するが、イギリスの自治領という立場を受け入れるか否かで、アイルランド人達は二つに分裂。Damienと自由国兵士となった兄Teddy(Pádraic Delaney)も対立し、戦うことになる。2006年カンヌ国際映画祭で、Palme d'Orを受賞。(作品の詳細はこちら


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まだまだCillian1人祭り。正直言ってこの作品は、ちょっと勘弁して欲しいと思ってしまいました。歴史的事実をひたすら描写し続けていくだけで、これほど退屈な作品を観るくらいなら、当時のドキュメンタリーを観たほうが何倍もマシ。どこか1ヶ所でも見せ場があれば許せることもあるが、本作品は...。「一体いつ終わるの?」「早くエンドロールになってくれェ」 なんて思いながら観た作品は久々ですが、これをきっかけにアイルランドが歩んできた歴史を紐解いて学んでみよう、という思いにさせてくれた。


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脚本や演出がかなり残念だったのでは、と思われます。せっかくアイルランド出身の優れた役者たちを起用したのに、彼らこそイギリスと自国の関係に深い関心を持っている証人なのに、役者たちの良さが引き出されておらず、「やらされている」感が強かった。でも『ゲーム・オブ・スローンズ』でJon SnowやSansaの重臣Davosを演じるLiam Cunninghamの、40代の頃の姿を観る事ができたのは、嬉しいサプライズでした。 

 
 
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by amore_spacey | 2018-02-12 23:45 | - Other film | Comments(0)