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コッホ先生と僕らの革命 (Der ganz große Traum) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 1874年、イギリス留学を終え、ドイツへと帰国したKonrad Koch(Daniel Brühl)。とある名門校へ英語教師として赴任した彼は、授業の一環としてサッカーを教える。サッカーを通して、子どもたちはフェアプレーとスポーツマンシップの精神を学び、それまで抱えていた階級や国籍に対する偏見が少しずつ薄れていった。しかし、帝国主義下にあったドイツでは反英感情が高まっており、イギリスで確立されたサッカーは反社会的なものの象徴であった。地元の有力者やほかの教師たちは、Kochを学校から追い出そうとする。(作品の詳細はこちら


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再びDaniel Brühl1人祭り。機内上映のプログラムにこの作品を見つけて、「やったァ!」と思ったら、吹き替えも字幕もなく、ドイツ語のみ。それでも諦めきれず根性で観始めたんだけど、朦朧とした頭にドイツ語が全く入ってこなくて断念した経緯があるので、今回はイタリア語吹き替えをじっくり堪能でき、溜飲が下がりました。時代背景を考えると、シリアス一辺倒になってもおかしくはないが、コミカルなシーンもほどよく織り込まれ、娯楽作品としてとても良く出来ていると思う。Danielの3枚目振りも、お茶目。


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体罰が横行するドイツの伝統的な教育に疑問を感じ、サッカーを通してフェアプレーやスポーツマンシップを、地道に根気よく教えていくKoch先生。みんながすぐには賛同しなくても、最後まで諦めない忍耐力やある種の頑固さを持ち合わせた先生。と言ったらもうDaniel Brühlが演じるしかないでしょう。生真面目で世渡りが下手なんだけど、自分が信じた道を突き進んでいく。

自分が先頭に立って突っ走って行く人ではなく、子どもたちの個性や能力をちゃんと見ながら、後ろ盾になってやる。いいね、いいねぇ。Koch先生の一生懸命さは、森田健作や松岡修造のように身も心も熱い。のではなく、見た目は冷静沈着だが、心の中では青い火がぼーぼーと燃えさかっているタイプなのだ。


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サッカーって、ただボールを蹴るだけじゃん。種目は違うがF1を観ながら、「ただ車がぐるぐる走ってるだけじゃん」って思いますもん。無知って最強だ。最初は団子のように固まってボールを追いかけているだけだった子どもたちも、ルールが分かってくるにつれて、自分のポジションを守ったり攻めたり、タイミングよくボールをパスしたりして、チームプレイというのを体得していく。大人と違って、子どもは柔軟ですから。


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サッカーによって、子どもたちの表情やクラスの雰囲気も、どんどん変わっていきます。地元の有力者の息子Felix(Theo Trebs)一派と、彼らにいじめられていた労働者階級のJoost(Adrian Moore)が、いざサッカーを始めてみたら、Joostのほうがずっと上手なことがわかったりして、サッカーをしている間だけこのクラスは、階級や貧富などの垣根が取っ払われる。ぽっちゃり太った靴屋の子Otto(Till Valentin Winter)は、クラスのムードメーカーで友だち思いで、サッカーへの熱意も人一倍あって、ついには職人や父親を巻き込んで、サッカーのボールを作らせてしまう。ラストシーンでOttoのお父さんたら、簡易スタンドでちゃっかりボールを売ってるんだから(笑)


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by amore_spacey | 2018-09-29 15:41 | - Other film | Comments(2)

Bao

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (77点)

【あらすじ】 息子が成長し家を離れて、空の巣症候群に陥った母親がいた。ある日手作りの中華まんじゅうを入れたせいろから、赤ちゃんのような泣き声が聞こえてくるではないか。恐る恐る中を見てみると、中華まんじゅうには顔があり、手と足も生えてきた。やがて愛らしい赤ちゃんの姿になり、彼女は母親として愛情を注いで育てていく。母の愛と中華まんじゅうの子どもの関係を描いた。(作品の詳細はこちら


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良質の短編作品に出会うと、幸せな気持ちになる。この作品はまず、出てくる料理がとても美味しそうなんです。生地をこねたり、薄く伸ばした生地に肉を詰めていく手の繊細な動きや、生地の柔らかさや触り心地は、感動的にリアルで、冒頭で胃袋を鷲づかみにされてしまった。人間になった中華まんが、ホントに可愛い。ジャックジャックに似ているが、柔らかい中華まんだけに、ちょっとした衝撃で頭がつぶれてしまう。

母親がかなり過保護じゃないかな?という場面もありましたが、彼女の気持ちも分かる。ただそれが思春期の子どもには、重くて邪魔で鬱陶しい。私が母を鬱陶しく思ったように、娘も私をそう思ったこと(思ってる?現在進行形?)が、多々あるはずで、母子の関係は難しい。


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で、まさかのシーン。あれは予想だにしていなかったから、受けた衝撃が半端なく、気持ちを激しく揺さぶられてしまいました。でもその後の展開が素晴らしかった。息子とは不釣合いなほど可愛い彼女が、未来の姑と一緒に手際よく中華まんじゅうを作る、その横で未来の舅(息子の父)は、「まずは一件落着か?よしよし」といった表情で、1人くるっと向きをかえてテレビを観ている。あははっ、あたしンちのみかんのお父さんみたい。ちょっぴりほろ苦いけれど、観終わったあと、じわーっと幸せな気持ちに包まれる作品でした。ああ、中華まんの季節だなぁ。


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by amore_spacey | 2018-09-29 01:19 | - Short film | Comments(0)

アラン・ドロン、ロミーの誕生日に寄せて (Alain Delon & Romy Schneider) 

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「本名Rosemarie Albach-Retty、通称Romy Schneiderは、今日9月23日の日曜日、生きていたら80歳になっていた。かつて彼女を愛した人、今も彼女を愛している人、彼らは彼女に変わらぬ思いを寄せていてくれる。ありがとう。 Alain Delon」 雑誌Figaroに寄せた、Alainのメッセージである。

1958年にRomyは『恋ひとすじに』で、当時まだ無名のAlainと共演したが、互いの第一印象は極めて悪く、彼女は彼を悪趣味で気障な男だと、彼は彼女を胸くそ悪いやつだと思ったという。

1982年5月29日の夜、Romyは睡眠薬とアルコールの過剰摂取により、パリのアパルトマンで死亡。43歳だった。Alainはマスコミの騒ぎを避けるため葬儀を欠席し、6月14日にひっそりと1人で墓を訪れ、最後の別れを告げている。(詳細はこちら


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by amore_spacey | 2018-09-25 01:29 | Alain Delon | Comments(6)

嘘八百

ネタバレあり!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (74点)

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【あらすじ】 大阪は堺。千利休を生んだ茶の湯の聖地に、大物狙いで空振りばかりの目利き古美術商・小池則夫(中井貴一)が娘のいまり(森川葵)とともに、お宝を探しにやって来た。そこで出会ったのは、腕は立つが落ちぶれてくすぶっていた、陶芸家の野田佐輔(佐々木蔵之介)だった。ある大御所鑑定士に一杯食わされ、人生の出端を挫かれた2人は結託。“幻の利休の茶器”を仕立て上げ、仕返しついでに一攫千金を目論んだ。ところがそれが、家族や仲間、大御所鑑定士、さらには文化庁までも巻き込む大騒動に発展してしまう。(作品の詳細はこちら


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機内上映その4。大好きな中井貴一と苦手な佐々木蔵之介の共演。うーん、どうしようか迷った末、 『最後から二番目の恋』の和平のようなコミカルな中井貴一を期待して、観ることにした。古美術商とはこれまた渋い役だと思ったら、お笑いキャラの中井さんが炸裂で楽しかった。古物商と陶芸家と大御所鑑定士の間で繰り広げられる頭脳戦は、部外者にとってはタヌキとキツネが化かし合っているようで滑稽極まりない。でもあれって、立派な詐欺じゃありませんか。と言っても、古美術商なんてのは、本物か贋物か本当は誰にも分からない中で、騙しあい駆け引きが行われているんじゃないのかなと、何も知らない私は思ってしまいました。


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劇的なストーリーではないが、小気味のよいテンポで展開し、クスッと笑えるシーンがあちこちに織り込まれている。幻の利休の茶器を巡る大騒動の顛末は、ほぼ予測がつくが、最後にもう1つドンデン返しが待っていたとは。大人たちがやっていることを、生暖かい目で見守っていたんでしょうね、あの2人。


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朝ドラや大河で枯れた爺さん役を好演している近藤正臣さん、若い頃はイケメンが売りで、格好つけた彼をイジッて、前髪をかき分けながら、「コンドーですっ」という物真似もあったが、知らないうちに白髪になり、いつの間にかこんな味のある役者になっていて、嬉しいサプライズです。彼が話す物腰柔らかい関西弁(喰えないヤツの見本みたい)を、いつまでも聞いていたくなります。


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by amore_spacey | 2018-09-24 00:35 | - Japanese film | Comments(0)

キング・アーサー (King Arthur: Legend of the Sword)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 王の息子として生まれ、その跡継ぎとされていたArthur(Charlie Hunnam)は、暴君Vortigern(Jude Law)によって両親を殺され、スラム街へと追いやられてしまう。過酷な環境の中、Arthurは生き抜く知恵を身に付け、東洋人の師範カンフーGeorge(Tom Wu)に格闘技を習って肉体を鍛えた。やがて無双の力をもたらす聖剣エクスカリバーを手にする。そして仲間たちと共に圧政を敷くVortigernを倒し、王座に就こうとするArrthurだった。(作品の詳細はこちら


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機内上映その3。『アーサー王物語』を文学的に愛する人にとって、本作品は「ここまで脚色されたんじゃぁ、全然別物だァ!」と叫ばずにはいられないでしょう。『キング・アーサー』と比べてみても、史実から離れて娯楽的な要素がとても強い。けれどフライト上映や居間でグダグダした状態で観る分には、さらっと楽しめる。

これはArthurのための作品なので、彼にとって都合のいいようにすべてがお膳立てされているのです。私も1日でいいから、そんな環境で暮らしてみたい。Arthurには聖剣エクスカリバーさえあれば、この世に恐いもんなしで、Vortigernなんか屁でもありません。ただ、岩から剣を抜き取るシーンを観ながら、あれだったら私でも簡単に抜き取れるなと。演技が安っぽくて下手すぎる。Sons of AnarchyのCharlie Hunnamがとても良かっただけに…。円卓の騎士がクンフーで身体を鍛えるって設定にも、うーん。ま、細かいことはスルーしましょ。


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愛する人(妻や娘)と権力を秤にかけ、泣く泣く前者を殺すたびに不思議な力を授かるJude Lawの、どんどんせりあがって行く額の生え際が気になりつつ、戦闘のシーンに出てきた巨大ゾウ軍団は、架空の怪物が出てきた『ロード・オブ・ザ・リング』やドラゴンやゾンビ軍団が出てくる『ゲーム・オブ・スローンズ』に似てるなと思いつつ、途中でうたた寝しそうになった私の前に、「えっ、今のBeckham?」 そこでパッチリ目が覚め、巻き戻して彼を確認したりしつつ、無事完走することが出来ました。


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by amore_spacey | 2018-09-20 00:51 | - Other film | Comments(0)

樹木希林さん、さようなら

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樹木希林と言ったら私の世代では、西城秀樹も出演したドラマ『寺内貫太郎一家』でしょう。寺内家の母屋でドタバタ騒ぎが始まると、自分の住む離れに駆け込み、仏壇横の沢田研二のポスターを眺めて、「ジュリィィィーーー!!」と腰を振りながら悶えるシーン。これを友だちとよく真似した。きん婆さんを老けメイクで演じていたが、当時31歳だったんだ(驚愕)


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全身をガンに侵され闘病中、先月は大腿骨骨折で入院。危篤状態から脱したと伝えられたので、今回もきっと戻って来てくれると信じていた。どうか安らかにお休み下さい。


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by amore_spacey | 2018-09-16 19:47 | My talk | Comments(2)

ダウンサイズ (Downsizing)

ネタバレあり!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (68点)

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【あらすじ】 人間のサイズを13センチにする技術が発明され、人口増加や経済格差や住宅などの問題解決に挑む、人類の縮小計画がスタートする。妻のAudrey(Kristen Wiig)と共にその技術を目の当たりにしたPaul(Matt Damon)は、体を小さくすることで生活に関わるコストも縮小できることから、現在の資産でも富豪になれると知って興奮し、縮小化を決意する。晴れて13センチになったPaulだが…。(作品の詳細はこちら


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機内上映その2。小さくなった人間がもとのサイズの環境で暮らす中で、Mattが面白いことをやらかしてくれる、軽いタッチのコメディかな?と、『不思議の国のアリス』的なストーリーが頭に浮び、妙な期待まで抱いてしまったのがよくなかった。


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従来のサイズの社会に小さくなった人を登場させた前半の映像は、まぁ普通に楽しめた。が、そこからはダウンサイズでなくても良かったんじゃないか?という展開に。Dusan Mirkovic(Christoph Waltz)の存在の意味も分からなかったが、彼が居てくれたので本筋とは無関係に、しゃくれアゴの捻くれたような表情を楽ませてもらいました。


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地球の環境問題という超マジでハードルの高いテーマと、おとぎ話的な要素の強いダウンサイズ。この2つが最後の最後まで全く噛み合わず、何もかもが中途半端だったから、観終わったあとも、何だかなぁでした。脚本に問題ありでしょうか。


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by amore_spacey | 2018-09-14 01:01 | - Other film | Comments(2)

第75回ヴェネチア国際映画祭で (75ª Festival di Venezia) 

第75回ヴェネチア国際映画祭が、9月8日に閉幕しました。コンペ部門の主な受賞は以下の通りです。

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金獅子賞 Roma (by Alfonso Cuaron↑↑) メキシコ
審査員大賞 The Favourite (by Yorgos Lanthimos)
男優賞 Willem Dafoe (At Eternity’s Gate)
女優賞 Olivia Colman (The Favourite by Yorgos Lanthimos)
監督賞 Jacques Audiard (The Sisters Brothers)
脚本賞 Joel ed Ethan Coen (The Ballad of Buster Scruggs)
審査員特別賞 The Nightingale (by Jennifer Kent監督)
マルチェロ・マストロヤンニ賞 Baykali Ganambarr (The Nightingale by Jennifer Kent)
栄誉金獅子賞 Vanessa Redgrave


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昨年ヴェネツィア映画祭史上初めてパドリーノに抜擢されたAlessandro Borghiは、


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Sulla mia pelleで共演したJasmine Trincaと一緒に登場しました。2人は『フォルトゥナータ』で既に共演。


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審査員の1人Christoph Waltzが、満面の笑顔で手を振ってます。


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A Star Is Bornで女優デビューしたLady GagaをエスコートするBradley Coopere。

Henry王子とMeghan Markle妃のロイヤルウェディングで、妃の晩餐会のドレスをデザインしたStella McCartney。この影響を受けたのでしょうか?Stellaのドレスを着て、レッドカーペットに姿を現した女優たちが多かったように思いました。

 
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by amore_spacey | 2018-09-12 01:13 | My talk | Comments(0)

シェイプ・オブ・ウォーター (The Shape of Water)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く、発話障害のあるElisa(Sally Hawkins)は、同僚のZelda(Octavia Spencer)と共に秘密の実験を目撃した。そしてアマゾンで崇められていたという、半魚人の“彼”(Doug Jones)の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところがその“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっていた。第74回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を、第90回アカデミー賞で作品賞・監督賞など4部門を受賞。(作品の詳細はこちら


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機内上映その1。冒頭から監督の独特な世界観に引き込まれ、物語の行方から一秒も目が離せなくなった。ごく平凡で地味な40代のElisaがどんどん綺麗になっていくし、グロテスクで不気味な半魚人も庇護したくなるほど愛しく思え、それどころか実は“彼”がマッチョでイケメンであることが判明するし、とりわけElisaと半人魚が言葉を介さないコミュニケーションの、徐々に距離を縮め心を通い合わせていく過程は、お見事でした。


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印象深いシーンはたくさんありますが、卵が大好きな私としては、朝ごはんの卵をゆでるシーンで、Elisaが沸騰した湯に卵を入れてゆでているのを見て、嬉しくなりました。なぜって、ほんの2~3年前まで水から卵をゆでていた(家庭科でそう習ったから)私は、沸騰した湯の中に入れる方法を聞き、「熱湯に卵を入れたら、爆発するんじゃないの?」と半信半疑で試してみたところ、トロトロ半熟から固ゆでまで、好みの固さに加減しやすい上に、殻がむきやすいことを知ってしまったから。目からウロコ的な大事件でした。あれ以来ゆで卵は沸騰した湯に投入するElisa式を守り続けているという訳なんです。卵が好きな“彼”のために、水槽の縁にゆで卵を幾つも並べるシーンも、好きだなぁ。グロテスクな半人魚の好物がゆで卵って、何気に可愛らしくて、キュンキュンしちゃう。

Elisa役のSally Hawkinsは、静かな中にも芯のある素晴らしい演技で、多くの人の心を揺り動かしたはず。超美人でなかった、それがまた良かったんでしょうね。薄幸なオーラをまとう地味な中年女性が、“彼”との出会いを機に美しく生まれ変わっていく様子は、少女漫画のようにロマンチックでした。孤独な“彼”に自身を重ねて心を寄せてしまうのも、無理からぬことでしょう。“彼”の前では母親のような包容力を見せたり、少女のような純粋な心を隠そうともしないElisa。そんな彼女と“彼”の心の交流に、私たちも癒されたのだと思う。


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脇役にも素晴らしい役者が勢揃いです。言葉を話せないElisaの代弁者として喋りまくるZeldaや、研究所から半人魚を連れ出すミッションに協力する隣人のGiles(Richard Jenkins)やHoffstetler博士(Michael Stuhlbarg)、冷戦下の新兵器開発の責務でどんどん狂気を帯びていくStrickland(Michael Shannon)。孤独と言いつつ、Elisaは色んな人々に囲まれて生きているんです。


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Elisaの手話をする時の流麗な手の動き、朝の浴槽で自慰をする彼女の40代らしい自然な裸体、映画館の上階にある質素ながらも骨董屋のように魅力的な彼女の部屋、目張りしたバスルームが水で満たされていく様子、当時の雑誌の理想のファミリー像のようなRichard Stricklandの家庭など、時代をあらわすインテリアや意表を突いた設定が目を楽しませてくれ、観終わったあとも水の中にいるような、不思議な浮遊感に浸っていました。


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by amore_spacey | 2018-09-09 00:05 | - Other film | Comments(4)

ヴェネチア映画祭のマッツ・ミケルセン (Mads Mikkelsen)

第75回ヴェネチア国際映画祭が、8月29日から始まりました。今年の審査委員長はGuillermo del Toro監督、マドリーノ(Madrino)はMichele Riondino。さて先日ヴェネツィア空港に姿を現したのは、カメラ目線のこのかた↓↓です。


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ランニングウェアのMadsは、ホテルに荷物をあずけると、その足で娘のViolaと一緒に、ヴェネチア散策に出かけました。とてもリラックスしています。


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その翌日、A Eternity’s GateのフォトコールにこたえるMadsの、ちょっぴりはにかんだような表情に、胸キュン。 


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A Eternity’s Gateプレミアの会場でも、気さくにファンにこたえるMads。今回は牧師役で脇を固めますが、主役のVincent Van Gogh(Willem Dafoe)とどんな絡みがあるのか、とても楽しみです。ヴェネツィアにはたった2日だけ、このあと上海に飛びました。


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by amore_spacey | 2018-09-05 01:15 | My talk | Comments(2)