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女はみんな生きている (Chaos)

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

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【あらすじ】 ある晩Hélène(Catherine Frot)と夫Paul(Vincent Lindon)の車に、怪しげな男たちに追われた血まみれの若い女が助けを求めて駆け寄ってきた。しかし面倒に巻き込まれたくないPaulは、無情にも走り去る。翌日いてもたってもいられないHélèneは、救急病院で瀕死の女をなんとか探し当てる。女はNoémie(Rachida Brakni)という名の娼婦で、どうやら組織に追われているらしい。Hélèneは家事も仕事もなげうって献身的に介護し、身体を張って追っ手から彼女を守った。やがて回復したNoémieから、衝撃的な打ち明け話を聞く。


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コミカルにスリリングにに進んでいく前半と、Noémieの口を借りたずっしり重い社会的メッセージを織り込んだ後半のバランスが絶妙で、最後まで片時も目が離せなかった。カタルシスをもたらしてくれるエンディングに、正義は勝つ!と溜飲を下げてくれる。少なくとも作品の中で、私たちは胸を撫で下ろすことができる。色んな女性が登場する中で、HélèneとNoémieにとても惹かれた。夫や息子からはまるで女中のような扱いなのに、声を荒げず表情を変えず、さらっと言い返すクールでカッコイイHélène。 

あの晩Noémieを見捨てた、という良心の呵責をずっと引きずっていた。しかしそれ以上に、誰かの役に立ちたい。それによって自分が生きていることを実感したい。そんな気持ちがHélèneを突き動かして、あそこまで一途に深くNoémieに関わることができたのだ。Hélèneを演じたCatherine Frotのさっぱりとした風貌や仕草は、隣に住んでいる気さくなマダムな雰囲気で、従来のフランス人女優のアンニュイでコケティッシュなイメージを一新してくれ、とても好感が持てた。Noémieが不死鳥のように蘇っていく過程も素晴らしい。思わず応援したくなる。Noémieの圧倒的な存在感と意思、そして黒く縁取られた美しく大きな瞳。病院のベッドの上で、カッと見開いた目は怖かったぁ、プルプル。Paulを演じるVincent Lindonの、ダメっぷりがめちゃくちゃ面白い。ハマり役だ。

どうでもいいことなんだけど、Hélène&Paulの家に飾ってある、漢字の「福」の色紙が上下逆さ。それが妙に気になりました(^u^;)

製作国:France
初公開年:2001年
監督:Coline Serreau
キャスト:Vincent Lindon, Catherine Frot, Rachida Brakni, Line Renaud, Aurélien Wiik, Ivan Franek, Michel Lagueyrie ...


# by amore_spacey | 2011-10-03 03:17 | - Other film | Comments(0)

グレイズ・アナトミー シーズン8 第1~2話 (Grey's Anatomy Season 8 episode 1~2)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 地下の液状化によってシアトルの市内にできた巨大な陥没事故で、負傷者が続出した。Grace病院に運び込まれた負傷者たちは、チーフ・レジデントになったApril(Sara Drew)の指示に従って、治療手当ての重要度や手術の振り分けがされる。一方アルツハイマー病の臨床試験の際に、Grey(Ellen Pompeo)の違法行為を知ったDerek(Patrick Dempsey)は彼女への信頼が大きく揺らぎ、2人は別居となった。違法行為の責任追及の末、彼女は病院を解雇され、それに伴い養子縁組したZolaの親権の行方が危ぶまれる。妊娠していることを知ったCristina(Sandra Oh)は、悩んだ末1つの選択をする。


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チーフ・レジデントAprilにとって、初仕事の任務は重すぎた。多数の負傷者たちが突然運び込まれて、うろうろ&オタオタ。挙句の果てには、患者を取り違えて、手術の必要のない患者を手術室に送り込む、という失態を。頑張れ、April!


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GreyとDerekの間の不協和音を知ったソーシャルワーカーは、養子縁組の親としてあまりにも無責任であると判断し、Zolaを引き取りにやってきた。しかしここでも一悶着起きてしまう。


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外科医としてのキャリアを人生にかけているCristinaの中絶手術を受ける決心は、誰が何と言おうと変わらなかった。

ショッキングなエピソードでシーズン8が開幕した。相変わらず不穏な空気が流れ、この先どうなっちゃうのか?とても心配。しかもDerek先生を演じるPatrick Dempseyが、今シーズンを最後にこのシリーズから降板すると言っている。Derek先生のいないグレイズなんて有り得ない。2005年3月から始まったこのシリーズも7年目に入り、この先続けていくにしても、ネタ切れ?の感が強い。とても残念だけれど今シーズンで終止符を打つのが潮時かな、なんて思ったりする。本当にどうなるのかなぁ。

製作国:U.S.A.(ABC)
放映日:2011年9月22日
制作者:Shonda Rhimes
キャスト:Ellen Pompeo, Patrick Dempsey, Justin Chambers, James Pickens Jr, Sara Ramírez, Jessica Capshaw, Eric Dane, Chyler Leigh, Jesse Williams, Sandra Oh, Kevin McKidd, Sarah Drew ...


# by amore_spacey | 2011-09-30 00:31 | - TV series | Comments(0)

洋菓子店コアンドル

私のお気に入り度 ★★★☆☆(72点)

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【あらすじ】 東京で人気の洋菓子店“パティスリー・コアンドル”に、恋人の海(尾上寛之)を追いかけて上京して来た少女・なつめ(蒼井優)が訪ねてきた。しかし恋人は既に店を辞め、居場所が分からない。行く宛のないなつめは、泊り込みで働かせてくれと頼み込んだ。シェフ依子(戸田恵子)は渋々雇うが、仕事はのろくスタッフのマリコ(江口のりこ)とも喧嘩ばかり。ある日なつめは、自分のケーキをスイーツ評論家の十村(江口洋介)に食べてもらう。しかし、あっさり「0点」と。その日からなつめはケーキ作りに没頭する。


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次々に出てくるジュエリーのようなケーキ。加賀まりこや蒼井優ちゃんたち、何ておいしそうにケーキを食べるんでしょう。フォークを口に運ぶ時の、至福の表情。作品の出来は今一つで、突っ込みどころも満載だけれど、素敵なケーキを観ることができた、それだけで幸せな気持ちになる。ケーキを作る時の、優ちゃんの真剣な眼差しや手つきや姿勢がいいなぁ。パワーあるダミ声も可愛い。

不器用で一途な職人気質を一心に演じた江口のりこは、かなり損な役回りだったけれど、何だか憎めない。幾つになっても加賀まりこは可愛い。そして戸田恵子扮するシェフ依子の、なつめに対する飴と鞭の匙加減が、絶妙ですね。こんなお姉さんが欲しかった。で、些細なことなんですが、コアンドルは、Coin de rue と書くんですよね?これって Rue de Coin(コアン通り)の間違い?それとも語呂がいいからコアンドルにしたのかしら?

製作国:Japan
初公開年:2011年
監督:深川栄洋
キャスト:江口洋介, 蒼井優, 江口のりこ, 尾上寛之, 粟田麗, 嶋田久作, 加賀まりこ, 佐々木すみ江, 戸田恵子 ...


# by amore_spacey | 2011-09-28 00:21 | - Japanese film | Comments(2)

キッズ・オールライト (The Kids Are All Right)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(79点)

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【あらすじ】 Nic(Annette Bening)とJules(Julianne Moore)という“2人のママ”の下、娘のJoni(Mia Wasikowska)は大学進学が決まり、これが家族で過ごす最後の夏になりそうだった。弟のLaser(Josh Hutcherson)は、18歳になり出生の秘密を知る事ができるようになったJoniに、「父親の事を知りたくないかい」と持ちかける。2人が初めて会う“遺伝子上の父親”Paul(Mark Ruffalo)は、気楽な独身生活を送っていた。が、子どもたちがPaulに会っている事を知ったNicとJulesは動揺し、正式な顔合わせのためPaulを食事会に招くことにする。


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もはや同性カップルは市民権を得て、特殊でも何でもなくなっている。とはいえ、同性愛結婚の家庭ってどんな感じなの?彼らの日常生活はへテロ・カップルのそれとはやっぱり違うんじゃないの?という素朴な疑問や密かな期待があった。ところが、どこにでもある家庭なんですね(少なくともこの作品においては) 女同士のカップルが、夫的&父親的な人(=Nic)と、妻的&母親的な人(=Jules)、のように役割分担されるのは、とても興味深い。男同士でもそうなのかしら?一家に2人の主がいたら収拾がつかないから、これは自然な成り行きなのかもしれない。

ティーンの子どもたちが、自分たちの家庭にはない父性を求めて、生物学上の父親Paulと積極的に関わろうとする姿が、これまた微笑ましかった。特筆すべきは、食事のシーンの多いこと。そしてそこでワインをいかにもおいしそうに飲む大人たち。同じ食卓を囲むというのは、ささやかな幸せを象徴するイヴェントなのだ。家族の絆を取り戻すのは、同じ釜の飯を食う!そんなちょっとしたことから始められる。遺伝子上の父親Paulに対抗意識を剥きだしにするAnnette Beningが、男前で意地っ張りで素直で可愛らしい。

製作国:U.S.A.
初公開年:2010年
監督:Lisa Cholodenko
キャスト:Julianne Moore, Annette Bening, Mark Ruffalo, Mia Wasikowska, Josh Hutcherson, Yaya DaCosta, Kunal Sharma ...


# by amore_spacey | 2011-09-26 03:23 | - Other film | Comments(2)

ハンナ (Hanna)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

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【あらすじ】 雪深いフィンランドで父親のErik(Eric Bana)と二人きりで暮らしている16歳の少女Hanna(Saoirse Ronan)。元CIA捜査官の父親から戦闘技術や語学を学んだ彼女は、初めて父親のもとを離れる。それはCIAのMarissa(Cate Blanchett)という女性捜査官を殺すためだった。わざとCIAの基地に囚われたHannaは、Marissaを殺し基地を難なく脱出し、父が待っているドイツを目指した。しかし殺したはずのMarissa、実は身代わりで、本人は生きていたのだ。MarissaはHannaを殺すため、殺し屋(Tom Hollander)ら追っ手を差し向けた。

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少女HannaがMarissaを消さなくちゃいけない、というのは分かったが、父親Erikが一体何をやろうとしているのかはっきりせず、もやもや&イライラ。Erikのキャラは、地味でパッとしないEric Banaそのまま、と言ったら酷すぎる?The Chemical Brothersの音楽や、点滅するライトに心が掻き乱され不安になるが、雪に埋もれたフィンランドの森・モロッコの砂漠・ドイツの猥雑とした街・そして寂れた遊園地などの映像に、ほっと癒される。

Saoirse Ronanちゃんの魅力がどんどん開花している。あの肌の白さは、Cate BlanchettやNicole KidmanやTilda Swintonのそれとはまた違う。誰も触れてはならない聖域のようなもの。そしてこの白い肌に映える青い瞳。妖精のような、ごくふつうのティーンのような、頑強なる女兵士のような、不思議なオーラをまとっている。冷酷で凶悪なCate Blanchettの、スーツをきりっときこなした姿が、彼女のシャープなキャラクターにピッタリ。彼女も七変化する役者だ。それにしても、あの歯磨きシーンは怖かったな。

製作国:U.S.A. U.K. Germany
初公開年:2011年
監督:Joe Wright
キャスト:Saoirse Ronan, Eric Bana, Cate Blanchett, Tom Hollander, Paris Arrowsmith, Olivia Williams, Jason Flemyng ...


# by amore_spacey | 2011-09-24 00:57 | - Other film | Comments(0)