ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー (Solo: A Star Wars Story)

ネタばれ少しあり

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (75点)

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【あらすじ】 銀河一の高速船Millennium Falconを操る伝説の運び屋Han Solo(Alden Ehrenreich)は、生涯の相棒であり将来の副操縦士となるChewbacca(Joonas Suotamo)や、のちの盟友悪友Land Calrissian(Donald Glover)との出会いのエピソードなど、若きHan Soloの知られざる過去を描く。(作品の詳細はこちら


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スター・ウォーズど真ん中の世代なのですが、実はシリーズを1つも観たことがありません。と言うと、ビックリされる(引かれる)。当時、映画雑誌を購読していたので、そこそこの内容は知っていたけれど、SF系や宇宙モノがとにかく苦手で、友だちがあんなに盛り上がって、「一緒に観に行こうよ」と誘ってくれたのに、「ごめん」と断った頑固者でした。時代は流れ、スター・ウォーズのスピンオフが公開されるようになり、「1本ぐらい観ておいてもいいかな?」と軽い気持ちで、本作品を観に行った。


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特定の誰かや何かに思い入れがある訳ではないので、大スクリーンの映像を純粋に楽しんだ。Han Solo役のAlden Ehrenreichは、Harrison Fordには全く似ていないが、Harrisonが演じたHan Soloというプレッシャーに潰されることなく、若き日のHan Soloになろうと奮闘したAldenに好感が持てました。似ていればいいってもんじゃないから。大役、お疲れ様でした。仲間思いのChewbaccaが、ペットのように可愛い。2人が操縦するMillennium Falconは、とてつもなくカッコイイではありませんか。3D映像アトラクションのような臨場感に包まれ、光の中に吸い込まれるシーンでは、思わず全身に力が入りました。映画が終わったとき、軽いめまいと頭痛が…。この迫力!これはやはり、映画館で観なくちゃね。


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Qi'ra役のEmilia Clarkeは、可憐で可愛いんだけど、感情を見せず毅然としたDaenerysのイメージが強いので、普通の女の子的な役がピンとこない。と言うか、うーん、彼女の演技はかなり残念なのかも。ロボットの美女型ドロイドL3-37のほうが、色っぽくてウィットに富み、親しみやすいキャラだった。


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トゥルー・ディテクティブ以来、久々に見るWoody Harrelsonは、水面下でよからぬ事を企みそうな容貌だが、実はいいヤツだったりする。3枚目のチャラ男Lando Calrissianや、見るからに邪悪な男Paul Bettanyが、平坦になりがちなストーリーに変化を出してくれた。Paul Bettanyは居るだけで、インパクトがある役者だ。不気味だが、癖になる。

ちらっとHarrison Fordが出てくるかなと期待していたが、影も形もなかったね。スピン・オフとはいえ、何らかの繋がりをみせて欲しかった。なんてったって、初代の大御所ですから。なんて、スター・ウォーズを1本も観ていない私が言うのも、なんですが(苦笑)


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# by amore_spacey | 2018-06-05 00:23 | - Other film | Comments(0)

白衣の女 (The Woman in White) BBCテレビドラマ 全5話

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 ロンドンで母と共に慎ましく暮らす青年画家Walter Hartright(Ben Hardy)は、CumberlandにあるLimmeridge家の異母姉妹、Marian Halcombe (Jessie Buckley)とLaura Fairlie(Olivia Vinall)の美術家庭教師として雇われた。彼はロンドンを出発する前夜、郊外で白い衣を身にまとった奇妙な女を目撃する。彼女の名はAnne Catherick(Olivia Vinall)で、精神病院から脱走してきたという。
  Limmeridge家にやって来たWalterは、Anneによく似ているLauraに驚いた。が、いつしかLauraに惹かれていく。しかし彼女には、Sir Percival Glyde(Dougray Scott)という婚約者がいた。この婚約者は何か秘密をかかえており、Lauraは恐ろしい陰謀に巻き込まれていく。Wilkie Collins'の同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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このドラマにRiccardo Scamarcioが出ている、それだけの理由で観ました。オープニングの音楽や映像からして、つかみどころのない危険を孕んだ物語であることを予感させ、期待が高まってきます。しかも第1話で、容貌も着ている服も瓜二つなAnneとLauraを登場させ、早くも謎解きが始まる。てっきり二重人格になったLaura(Olivia Vinallが1人2役で演じていたこともあり)だと思っていたが、私の予想は大外れ。

この2人が双子のように似ているのを利用して、夫Sir Percival Glydeと彼の友人Fosco伯爵(Riccardo Scamarcio)が、Lauraの膨大な財産を騙し取ろうと、陰謀を企てる。しかし秘密のニオイを鋭く嗅ぎ取った異母姉Marianと美術教師Walterが、法律に詳しい公証人のErasmus Nash(Art Malik)とともに、この陰謀に立ち向かい、邪悪な2人には天罰が下る、そしてWalterとLauraは晴れて結ばれ、Marianはかねての夢であった世界放浪の旅に出る。これらを現在と過去の2つの時間軸で描いている。WalterとLauraの恋物語でもあるはずなんだけど、決定的なものがなくインパクトにも欠けていたから、私のテンションはそれほど上がらず。けれど毎回ちょっとした謎や伏線を張りながら、無理なく回収していくので、ほど良いスリルに浸りながら、謎解きを楽しんた。


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辛口ですが、WalterやLauraやSir Percivalの演技は学芸会レベルで、残念ながらほとんど印象に残っていません。脇役のFosco伯爵に扮したRiccardoは、ブルーの瞳を不気味に光らせつつ、なかなか情熱的な悪役だった。デビュー当時のチャラ男より謎めいた悪役のほうが、断然彼の良さを引き出してくれる。ところで海外ドラマに登場するイタリア人は、得てしてマフィア絡みであることが多いですね。イタリア=ピッツァ、日本=寿司のような、ステレオタイプな捉え方は、分かり易く手っ取り早いとは言え、何だかなァ。


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人間的な魅力という点では、公証人のErasmus Nashが一押しでした。初めて画面に登場した時には、警察?誰の味方?主要登場人物とはどういう関係にある?様々な疑問が頭に浮ぶ。その後の展開でも、彼は私情を挟まず、やや高圧的な雰囲気をまといながら、淡々と仕事をこなしていく。しかし最終話で、公証人という肩書きを取り払った1人の人間の、親としての葛藤を見せ、誰もが彼に寄り添いたくなったはず。この事件を通して、彼の中で何かが変わった。だから娘に会いに行くのでしょう。


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# by amore_spacey | 2018-05-31 00:23 | - TV series | Comments(0)

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う (Demolition)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 ウォール街のエリート銀行員として順調に出世し、美しい妻Julia(Heather Lind)と何不自由のない生活をしていたDavis(Jake Gyllenhaal)は、ある日突然、交通事故で妻を失ったのに、悲しい感情が湧かず涙さえ出ない。心を失ってしまったのかと戸惑う彼は、「車の修理も心の修理も同じ。隅々まで点検して、組み立て直すんだ」という義父(Chris Cooper)の言葉をきっかけに、身近なものを壊し始めた。(作品の詳細はこちら


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じわじわ来る作品だ。妻の死と共に自分の感情も消えてしまった。一体自分に何が起こっているのか分からない。そんなDavisの心の状態を思うだけで、重力のない世界に放り込まれたような、とてつもなく不安な気持ちに包まれてしまう。ある時は爆弾のように爆発、またある時には凪(なぎ)のように静まり返る感情を、彼は持て余し制御しきれないでいる。一体何を探しているのか、何がしたいのか、真意がよく分からない。Davis本人も私たち視聴者も、誰にも分からない。


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彼がクレームを送った自販機会社の顧客担当Karen(Naomi Watts)や彼女の息子のChris(Judah Lewis)もまた、思うようにいかない人生の中でもがいていた。この親子とDavisの間には、互いに引き合う見えない糸があって、3人3様のやり方で傷ついた心を互いに癒していく。特別なことなんぞしない。積極的に働きかけるようなこともしない。何でもない言葉をかけて、傍らでそっと見守るだけ。親子を演じたNaomi WattsやJudah少年(この子、タイプだわぁ)が、とっても良いんだなぁ。

果たしてDavisと妻の間に、こんな心の交流があったのだろうか?互いを思う気持ちはあったけれど、それをうまく言葉に出来ない、相手に伝えられないもどかしさが、付きまとっていたに違いない。親子や夫婦の関係って、ホントに微妙で難しいものです。


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どのエピソードもかなり抽象的ではあるけれど、はっきり明言しないもやもやした曖昧さが、却って視聴者の気持ちに漣(さざなみ)を起こしていったように思う。こうして小さく揺り動かされた感情が、幾重にも重なり合っていったその先に振り下ろされた、「愛はありました、でもおろそかにしていました」というDavisの言葉は、痛烈な一撃だった。何と言ったらいいのか、冷静で客観的で曖昧で他人事のようなのに、ビンゴ!胸の奥に堰き止められていた熱い塊が、うわっとほとばしり出た感じ。心が揺さぶられ、エンドロールの後もその余韻に浸っていました。

こんな長ったらしいタイトルつけて、スカスカの内容じゃないの?なんて意地悪なことをちらっと思ったんだけど、スルーしないでこの作品を観て本当によかった。おそろかにしていました、これ、頭の中で何度もリフレインしています。


 
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# by amore_spacey | 2018-05-27 04:20 | - Other film | Comments(2)

北と南 (North and South) BBCドラマ 全4話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 英国国教会の理念と相容れなくなった父Richard Hale(Tim Pigott-Smith)が牧師を辞め、19歳のMargaret Hale(Daniela Denby-Ashe)は母Maria Hale(Lesley Manville)・家政婦Dixon(Pauline Quirke)と共に、気候温暖で穏やかな南部の田園地帯Helstoneから北部の工業都市Miltonへ移り住む。何もかも違う生活に戸惑う彼女の前に、Miltonで紡績工場を経営する青年実業家John Thornton(Richard Armitage)が現れた。工場で働くNicholas Higgins(Brendan Coyle)と知り合った彼女は、労資対立の仲介役を務めることになる。折しも彼の工場の労働者たちがストライキを始め、労働者たちは暴徒化していた。Elizabeth Gaskellの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


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Richard Armitageの出世作と言われますが、やっと観ました。彼との出会いは、『ハンニバル』の中でタコ踊りするレッド・ドラゴンだったので、良い印象がありません。まるでMargaretとJohnの出会いと同じ。不気味で頭のおかしい男という、衝撃的なイメージが強く残ってしまい、しばらく彼の出演作品を観る気になれなかった。ところが人に勧められてこのドラマを観てみたら、いえ、もっと的を絞って言うなら、第4話の駅のシーンを観たその瞬間、恋に落ちました。単純な人間です、私は(苦笑)

いつも眉間にシワを寄せて、気難しく厳しく暗い表情を浮かべている男。間違って手を触れたりしたら、冷ややかなあのまなざしや鋭い鼻で、サクッと切り落とされそうな、恋とは無縁の世界に生きているような男が、第4話でMargaretをみた瞬間、頬をゆるめ口角を軽く上げ、はにかむように笑いかけてくるではありませんか。別人?? ダメな労働者たちを叩きのめしたあの両手で、Margaretの頬をそっと包み込み、いつもならキッと真一文字に結んだ薄い唇が、ぽってりしたMargaretの唇にそっとそーっと重なる。うわぁ、悩殺です。このシーンを、何度リピートして観たことやら。画面はピンクのバラの花に包まれ、萌えまくりました。究極のラブロマンスです。当時は少女漫画の代わりに、こうした小説が庶民の心に潤いをもたらしてくれたのでしょう。


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様々な社会背景を織り込みながら、2人の恋の行方が描かれるので、リアルで説得力があり、次の展開が待ち遠しくて仕方がなかった。経営者と労働者が徐々に和解して、共にやっていこうという男同士の絆にも、胸が熱くなった。悲しいエピソードも多々あり、ドラマを包む空気は決して明るくはないけれど、より良い方向へ進もうとするMargaretたちが、湿っぽく鬱々とした北部の工業都市を照らす、小さな灯りのような存在だ。

脇役も素晴らしい役者が揃っている。人情あふれる家政婦、Margaretをあからさまに嫌うJohnの母、KYで世間知らずなJohnの妹、機転がききユーモアに溢れたMr. Bellなどなど。全4話で完結するというのも、私には丁度良い長さだった。


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# by amore_spacey | 2018-05-23 00:47 | - TV series | Comments(0)

鉄道員 (Il ferroviere)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (74点)

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【あらすじ】 50歳のイタリアの鉄道機関士Andrea Marcocci(Pietro Germi)は、末っ子のSandro(Edoardo Nevola)から英雄のように慕われているが、長女Giulia(Sylva Koscina)と長男のMarcello(Renato Speziali)からは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的なマンマSara(Luisa Della Noce)のおかげで、毎日平穏に暮らしていた。そんなある日、娘の流産や息子の不良化に気になっていたAndreaが列車を運転していた所、彼の前に一人の若者が身を投げた。急いでブレーキをかけたが、間に合わずにその青年を轢いてしまう。(作品の詳細はこちら


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Andreaは絵に描いたような、昭和の頑固オヤジだ。融通がきかなくて厳格な男だが、家族を養っていくため、仕事一筋で真面目に頑張っている。そんな親心も露知らず、長女や長男は勝手なことばかりやって、おまけに自分(父)を煙たがっている。父親を慕い誇りに思うのは、末っ子のSandroだけ。Andreaの孤独や心の痛みを癒してくれるのは、仕事が終わったあと、行きつけの居酒屋で仲間と飲む酒だ。一杯入ると、がぜん機嫌が良くなり、ギターを爪弾きながら、仲間たちと歌う。父親を演じたPietro Germiが、メッチャカッコイイです。

パパが大好きなSandro。学校の成績はパッとしないけれど、愛嬌があって憎めず、家族だけでなくパパの同僚からも可愛がられている。大人の事情を鋭い勘で察知してしまい、「ここだけの話だよ」と口止めされたのに、やっぱり黙っていられないのと、姉(ねえ)ちゃんや大好きなパパのことが心配で、喋ってしまう。家の中の空気が、何かおかしいのを感じ取り、子どもだけど彼なりに色々考えて悩んでいるのだ。


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Sandroのマンマは、頑固な夫を支え、家族の問題に一喜一憂しながら、家族の要(かなめ)となって、家の中のことをテキパキこなす。次から次へと家族が問題を起こしても、アタフタ慌てずどっしり構え、大らかな母性愛で包み込んでくれる。Sandro少年や健気なマンマやがいなかったら、この家族はどうなっていたんだろう。


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Andreaの同僚で親友のGigi(Saro Urzì)や他の同僚たち、それから行きつけの居酒屋の主人たちも、人懐こくて明るく、人情味のある人たちばかり。だからAndreaが窮地に陥っても、1人だけスト破りしたAndreaを一度は村八分にするものの、まるで何もなかったかのように振る舞い、また以前のように付き合ってくれる。この人間同士のゆるやかな繋がりが、本当に心の支えになります。仲間が企画したクリスマス・イヴの素朴なサプライズにも、胸が熱くなりました。様々な蟠(わだかま)りが解け、最高のイヴを過ごした夫婦。2人だけになった静かな家で、Andreaはギターを爪弾きながら逝ってしまい、別室のSaraはそれに気づかないまま、幸せに満ちた表情で夫に語りかけるシーンは、涙を誘う。


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# by amore_spacey | 2018-05-18 00:34 | - Italian film | Comments(0)