サバイバルファミリー

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

e0059574_0294496.jpg
【あらすじ】 東京で暮らす鈴木家は、父の義之(小日向文世)・母の光恵(深津絵里)・息子の賢司(泉澤祐希)・娘の結衣(葵わかな)の4人家族。ある朝目を覚ますと、突然全ての電化製品が停止しており、鈴木家だけでなく近所でも同じことが起きていた。さらに電車も車もガスも水道も止まって、家族全員途方に暮れる。そこで義之は、家族を連れて東京を脱出することに決めた。(作品の詳細はこちら


e0059574_0295518.jpg
e0059574_0301328.jpg
これ、基本的にはコメディでハッピーエンドなんだけど、なんとも言えない怖さを孕んでいた。電気のない暮らしが2年も続いたら、サバイバル偏差値ゼロの私が、真っ先に自然淘汰されるのは間違いありません、キッパリ。と言って心の余裕もないから、満点の星空を眺める光恵にすら、きっと私はなれない。ああ、もう絶望的です。ところで途中で知り合った斉藤家の、ムカつようなあの余裕は、一体何?サバイバル・テク?異星人みたく違和感満載の一家だったけど、時任さん、かっこよかった。


e0059574_0302385.jpg
e0059574_0311342.jpg
個人的にはクールな斉藤家よりも、必死に自転車を漕ぎ、ドロドロ・ボロボロ・ヘロヘロになって、1ミリでも前進しようと奮闘する鈴木家が、ずっと生々しくリアルで、ハッピーエンドと知りながらも、頑張れ!と、心の中で思わず応援しました。でも私があの家族だったら、たぶん一緒に行かなかったな。自転車で鹿児島なんて、絶対にムリ。それ以前に、何としてでも会社や学校に行こうとする、勤勉で生真面目な日本人魂が、悲しいことにイタリア人化した私にはなくなってしまったので、「え?交通機関が全滅?じゃ、きょうは会社休みま~す」 イタリアで長期間停電になったら・・・想像するだけで、恐ろしい。


e0059574_0312487.jpg
食べるシーンが多かったが、インスタント食品やネコ缶や水で空腹を凌いで来たあとの、大地康雄が作った自家製の燻製は、まぁ、実においしそうだった。娘のわかなちゃんが、感極まって、お肉を食べながら泣いてしまう。言葉にできない感情で、つられて泣きそうになりました。絶体絶命になりながらも、その都度タイミングよく大地康雄や蒸気機関車に助けられるという、突っ込み所も満載な展開ですが、子どもたちがたくましく成長していく姿は、なかなかいいものでした。お兄ちゃんも妹も、精神的に鍛えられて、ホントに強くなった。【教訓:生き延びたいなら、一家に1人、風間トオル】


[PR]
# by amore_spacey | 2018-06-09 00:42 | - Japanese film | Comments(0)

ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー (Solo: A Star Wars Story)

ネタばれ少しあり

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (75点)

e0059574_0185477.jpg
【あらすじ】 銀河一の高速船Millennium Falconを操る伝説の運び屋Han Solo(Alden Ehrenreich)は、生涯の相棒であり将来の副操縦士となるChewbacca(Joonas Suotamo)や、のちの盟友悪友Land Calrissian(Donald Glover)との出会いのエピソードなど、若きHan Soloの知られざる過去を描く。(作品の詳細はこちら


e0059574_019887.jpg
スター・ウォーズど真ん中の世代なのですが、実はシリーズを1つも観たことがありません。と言うと、ビックリされる(引かれる)。当時、映画雑誌を購読していたので、そこそこの内容は知っていたけれど、SF系や宇宙モノがとにかく苦手で、友だちがあんなに盛り上がって、「一緒に観に行こうよ」と誘ってくれたのに、「ごめん」と断った頑固者でした。時代は流れ、スター・ウォーズのスピンオフが公開されるようになり、「1本ぐらい観ておいてもいいかな?」と軽い気持ちで、本作品を観に行った。


e0059574_0192549.jpg
e0059574_0193771.jpg
特定の誰かや何かに思い入れがある訳ではないので、大スクリーンの映像を純粋に楽しんだ。Han Solo役のAlden Ehrenreichは、Harrison Fordには全く似ていないが、Harrisonが演じたHan Soloというプレッシャーに潰されることなく、若き日のHan Soloになろうと奮闘したAldenに好感が持てました。似ていればいいってもんじゃないから。大役、お疲れ様でした。仲間思いのChewbaccaが、ペットのように可愛い。2人が操縦するMillennium Falconは、とてつもなくカッコイイではありませんか。3D映像アトラクションのような臨場感に包まれ、光の中に吸い込まれるシーンでは、思わず全身に力が入りました。映画が終わったとき、軽いめまいと頭痛が…。この迫力!これはやはり、映画館で観なくちゃね。


e0059574_0195095.jpg
e0059574_02027.jpg
Qi'ra役のEmilia Clarkeは、可憐で可愛いんだけど、感情を見せず毅然としたDaenerysのイメージが強いので、普通の女の子的な役がピンとこない。と言うか、うーん、彼女の演技はかなり残念なのかも。ロボットの美女型ドロイドL3-37のほうが、色っぽくてウィットに富み、親しみやすいキャラだった。


e0059574_0203020.jpg
e0059574_0203969.jpg
e0059574_0205144.jpg
トゥルー・ディテクティブ以来、久々に見るWoody Harrelsonは、水面下でよからぬ事を企みそうな容貌だが、実はいいヤツだったりする。3枚目のチャラ男Lando Calrissianや、見るからに邪悪な男Paul Bettanyが、平坦になりがちなストーリーに変化を出してくれた。Paul Bettanyは居るだけで、インパクトがある役者だ。不気味だが、癖になる。

ちらっとHarrison Fordが出てくるかなと期待していたが、影も形もなかったね。スピン・オフとはいえ、何らかの繋がりをみせて欲しかった。なんてったって、初代の大御所ですから。なんて、スター・ウォーズを1本も観ていない私が言うのも、なんですが(苦笑)


[PR]
# by amore_spacey | 2018-06-05 00:23 | - Other film | Comments(0)

白衣の女 (The Woman in White) BBCテレビドラマ 全5話

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

e0059574_0205351.jpg
【あらすじ】 ロンドンで母と共に慎ましく暮らす青年画家Walter Hartright(Ben Hardy)は、CumberlandにあるLimmeridge家の異母姉妹、Marian Halcombe (Jessie Buckley)とLaura Fairlie(Olivia Vinall)の美術家庭教師として雇われた。彼はロンドンを出発する前夜、郊外で白い衣を身にまとった奇妙な女を目撃する。彼女の名はAnne Catherick(Olivia Vinall)で、精神病院から脱走してきたという。
  Limmeridge家にやって来たWalterは、Anneによく似ているLauraに驚いた。が、いつしかLauraに惹かれていく。しかし彼女には、Sir Percival Glyde(Dougray Scott)という婚約者がいた。この婚約者は何か秘密をかかえており、Lauraは恐ろしい陰謀に巻き込まれていく。Wilkie Collins'の同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


e0059574_021623.jpg
e0059574_0212240.jpg
このドラマにRiccardo Scamarcioが出ている、それだけの理由で観ました。オープニングの音楽や映像からして、つかみどころのない危険を孕んだ物語であることを予感させ、期待が高まってきます。しかも第1話で、容貌も着ている服も瓜二つなAnneとLauraを登場させ、早くも謎解きが始まる。てっきり二重人格になったLaura(Olivia Vinallが1人2役で演じていたこともあり)だと思っていたが、私の予想は大外れ。

この2人が双子のように似ているのを利用して、夫Sir Percival Glydeと彼の友人Fosco伯爵(Riccardo Scamarcio)が、Lauraの膨大な財産を騙し取ろうと、陰謀を企てる。しかし秘密のニオイを鋭く嗅ぎ取った異母姉Marianと美術教師Walterが、法律に詳しい公証人のErasmus Nash(Art Malik)とともに、この陰謀に立ち向かい、邪悪な2人には天罰が下る、そしてWalterとLauraは晴れて結ばれ、Marianはかねての夢であった世界放浪の旅に出る。これらを現在と過去の2つの時間軸で描いている。WalterとLauraの恋物語でもあるはずなんだけど、決定的なものがなくインパクトにも欠けていたから、私のテンションはそれほど上がらず。けれど毎回ちょっとした謎や伏線を張りながら、無理なく回収していくので、ほど良いスリルに浸りながら、謎解きを楽しんた。


e0059574_021393.jpg
e0059574_0215042.jpg
辛口ですが、WalterやLauraやSir Percivalの演技は学芸会レベルで、残念ながらほとんど印象に残っていません。脇役のFosco伯爵に扮したRiccardoは、ブルーの瞳を不気味に光らせつつ、なかなか情熱的な悪役だった。デビュー当時のチャラ男より謎めいた悪役のほうが、断然彼の良さを引き出してくれる。ところで海外ドラマに登場するイタリア人は、得てしてマフィア絡みであることが多いですね。イタリア=ピッツァ、日本=寿司のような、ステレオタイプな捉え方は、分かり易く手っ取り早いとは言え、何だかなァ。


e0059574_0224292.jpg
e0059574_0231212.jpg
人間的な魅力という点では、公証人のErasmus Nashが一押しでした。初めて画面に登場した時には、警察?誰の味方?主要登場人物とはどういう関係にある?様々な疑問が頭に浮ぶ。その後の展開でも、彼は私情を挟まず、やや高圧的な雰囲気をまといながら、淡々と仕事をこなしていく。しかし最終話で、公証人という肩書きを取り払った1人の人間の、親としての葛藤を見せ、誰もが彼に寄り添いたくなったはず。この事件を通して、彼の中で何かが変わった。だから娘に会いに行くのでしょう。


[PR]
# by amore_spacey | 2018-05-31 00:23 | - TV series | Comments(0)

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う (Demolition)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

e0059574_4193713.jpg
【あらすじ】 ウォール街のエリート銀行員として順調に出世し、美しい妻Julia(Heather Lind)と何不自由のない生活をしていたDavis(Jake Gyllenhaal)は、ある日突然、交通事故で妻を失ったのに、悲しい感情が湧かず涙さえ出ない。心を失ってしまったのかと戸惑う彼は、「車の修理も心の修理も同じ。隅々まで点検して、組み立て直すんだ」という義父(Chris Cooper)の言葉をきっかけに、身近なものを壊し始めた。(作品の詳細はこちら


e0059574_420556.jpg
じわじわ来る作品だ。妻の死と共に自分の感情も消えてしまった。一体自分に何が起こっているのか分からない。そんなDavisの心の状態を思うだけで、重力のない世界に放り込まれたような、とてつもなく不安な気持ちに包まれてしまう。ある時は爆弾のように爆発、またある時には凪(なぎ)のように静まり返る感情を、彼は持て余し制御しきれないでいる。一体何を探しているのか、何がしたいのか、真意がよく分からない。Davis本人も私たち視聴者も、誰にも分からない。


e0059574_4201722.jpg
e0059574_4202775.jpg
彼がクレームを送った自販機会社の顧客担当Karen(Naomi Watts)や彼女の息子のChris(Judah Lewis)もまた、思うようにいかない人生の中でもがいていた。この親子とDavisの間には、互いに引き合う見えない糸があって、3人3様のやり方で傷ついた心を互いに癒していく。特別なことなんぞしない。積極的に働きかけるようなこともしない。何でもない言葉をかけて、傍らでそっと見守るだけ。親子を演じたNaomi WattsやJudah少年(この子、タイプだわぁ)が、とっても良いんだなぁ。

果たしてDavisと妻の間に、こんな心の交流があったのだろうか?互いを思う気持ちはあったけれど、それをうまく言葉に出来ない、相手に伝えられないもどかしさが、付きまとっていたに違いない。親子や夫婦の関係って、ホントに微妙で難しいものです。


e0059574_4204054.jpg
どのエピソードもかなり抽象的ではあるけれど、はっきり明言しないもやもやした曖昧さが、却って視聴者の気持ちに漣(さざなみ)を起こしていったように思う。こうして小さく揺り動かされた感情が、幾重にも重なり合っていったその先に振り下ろされた、「愛はありました、でもおろそかにしていました」というDavisの言葉は、痛烈な一撃だった。何と言ったらいいのか、冷静で客観的で曖昧で他人事のようなのに、ビンゴ!胸の奥に堰き止められていた熱い塊が、うわっとほとばしり出た感じ。心が揺さぶられ、エンドロールの後もその余韻に浸っていました。

こんな長ったらしいタイトルつけて、スカスカの内容じゃないの?なんて意地悪なことをちらっと思ったんだけど、スルーしないでこの作品を観て本当によかった。おそろかにしていました、これ、頭の中で何度もリフレインしています。


 
[PR]
# by amore_spacey | 2018-05-27 04:20 | - Other film | Comments(2)

北と南 (North and South) BBCドラマ 全4話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

e0059574_0455463.jpg
【あらすじ】 英国国教会の理念と相容れなくなった父Richard Hale(Tim Pigott-Smith)が牧師を辞め、19歳のMargaret Hale(Daniela Denby-Ashe)は母Maria Hale(Lesley Manville)・家政婦Dixon(Pauline Quirke)と共に、気候温暖で穏やかな南部の田園地帯Helstoneから北部の工業都市Miltonへ移り住む。何もかも違う生活に戸惑う彼女の前に、Miltonで紡績工場を経営する青年実業家John Thornton(Richard Armitage)が現れた。工場で働くNicholas Higgins(Brendan Coyle)と知り合った彼女は、労資対立の仲介役を務めることになる。折しも彼の工場の労働者たちがストライキを始め、労働者たちは暴徒化していた。Elizabeth Gaskellの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら


e0059574_0462445.jpg
e0059574_0465095.jpg
e0059574_047184.jpg
Richard Armitageの出世作と言われますが、やっと観ました。彼との出会いは、『ハンニバル』の中でタコ踊りするレッド・ドラゴンだったので、良い印象がありません。まるでMargaretとJohnの出会いと同じ。不気味で頭のおかしい男という、衝撃的なイメージが強く残ってしまい、しばらく彼の出演作品を観る気になれなかった。ところが人に勧められてこのドラマを観てみたら、いえ、もっと的を絞って言うなら、第4話の駅のシーンを観たその瞬間、恋に落ちました。単純な人間です、私は(苦笑)

いつも眉間にシワを寄せて、気難しく厳しく暗い表情を浮かべている男。間違って手を触れたりしたら、冷ややかなあのまなざしや鋭い鼻で、サクッと切り落とされそうな、恋とは無縁の世界に生きているような男が、第4話でMargaretをみた瞬間、頬をゆるめ口角を軽く上げ、はにかむように笑いかけてくるではありませんか。別人?? ダメな労働者たちを叩きのめしたあの両手で、Margaretの頬をそっと包み込み、いつもならキッと真一文字に結んだ薄い唇が、ぽってりしたMargaretの唇にそっとそーっと重なる。うわぁ、悩殺です。このシーンを、何度リピートして観たことやら。画面はピンクのバラの花に包まれ、萌えまくりました。究極のラブロマンスです。当時は少女漫画の代わりに、こうした小説が庶民の心に潤いをもたらしてくれたのでしょう。


e0059574_0471551.jpg
様々な社会背景を織り込みながら、2人の恋の行方が描かれるので、リアルで説得力があり、次の展開が待ち遠しくて仕方がなかった。経営者と労働者が徐々に和解して、共にやっていこうという男同士の絆にも、胸が熱くなった。悲しいエピソードも多々あり、ドラマを包む空気は決して明るくはないけれど、より良い方向へ進もうとするMargaretたちが、湿っぽく鬱々とした北部の工業都市を照らす、小さな灯りのような存在だ。

脇役も素晴らしい役者が揃っている。人情あふれる家政婦、Margaretをあからさまに嫌うJohnの母、KYで世間知らずなJohnの妹、機転がききユーモアに溢れたMr. Bellなどなど。全4話で完結するというのも、私には丁度良い長さだった。


[PR]
# by amore_spacey | 2018-05-23 00:47 | - TV series | Comments(0)