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Educazione fisica

ネタばれあり!?
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【あらすじ】 中学3年生3人の保護者が、校長(Giovanna Mezzogiorno)に体育館に呼び出される。Cristian の父 Franco(Claudio Santamaria)は不動産売買を営み、彼と不倫関係にある Giordano の母 Carmen(Raffaella Rea)は離婚したシングルマザーだ。一方、病院受付の Aldo(Sergio Rubini)と Rossella(Angela Finocchiaro)は、アフリカ系少年 Arsen を養子縁組で迎えた慎ましい夫婦である。
 校長はこの4人に衝撃的な事件を伝えた。まさに保護者たちが集まっているこの体育館で、彼らの子供たち3人が、クラスメイトの女子生徒を拘束して、交代でレイプしたというのだ。大人たちは信じられない思いから、何としても子供たちを救いたい一心になり、被害者を信用せず、一切の責任を否定する。
 しかしその後、4人の保護者たちの道徳観を試す出来事が起こり、事態はさらに厄介で複雑になっていく。Giorgio Scianna の同名戯曲をもとに映画化。(作品の詳細


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Claudio Santamaria と Giovanna Mezzogiorno の1人祭り。タイトルの直訳は、体育の意。体育館という狭い空間の中で、保護者の誰もが建て前をかなぐり捨てて、なりふり構わず繰り広げる惨劇は、『おとなのけんか』を彷彿させるが、本作品では世間体が立ちはだかり、事件をさらにややこしく歪めていく。

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卑劣なことをやった加害者が愛するわが子だった。たいていの場合は頭ごなしに叱り飛ばすだろう。が、最終的には何とかして守ってやりたい、というのが親心ってもんです。まさかあの子が!あんなにいい子が、そんなことをするはずがない。驚きと悲しみと若干の疑いの中で、堂々巡りする。

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しかし、「警察に通報したい」と校長が発言した途端、状況は一転。一気に目が覚めた保護者たちは、子どものためよりも、自分や家族の体面を保つために、何とかしなくては、と考えを巡らせるのです。

そのためにできることは、ただ1つ。真実を操作して歪める。レイプをなかったことにする。もしくはレイプしたとされる3人が、実は女子生徒に誘惑された、この彼女こそ悪の根源だと責め始める。良心の呵責に苛まれつつも、自分たちの名誉を守ることが第一なのだ。

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悪いことは重なるもので、終盤に起きるもう1つの事件が、保護者たちに最後の一撃をくらわす。ああ、モラルを失った人間の醜さよ。模範的な親であるはずの善良な人々が、他人を脅迫する危険な犯罪者に変わっていく。アフリカ系少年Arsenの母親を演じた、Angela Finocchiaro の変貌には一番驚いた。言い訳ならまかせろ!なイタリア人ですから、ぼんやりしているといつの間にか、加害者が被害者に、被害者が加害者にされてしまいます。

わたしたちの日常生活を振り返ってみれば、有りなくはない話ですが、こんな大事件が起きたのに、保護者を呼び出す場所が、体育館って!?!? それより何より、あの後どうなったのか知りたいのに、一番いいトコで終わってしまったから、このもやもやをどうしたらいいのやら。

 
# by amore_spacey | 2026-02-12 00:59 | Italian film | Comments(0)

The Dig

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【あらすじ】 ある夜、男(Taylor Kitsch)は水で満タンのプラスチックのガロンボトル2本を持って、女(Lily Collins)が運転する車に乗る。その少し前、2人はビルの清掃員を装って、ある企業に忍び込み、女は機密データをUSBメモリにコピーしていた。しかしあと数秒で完了するその時、夜間警備員(Khalid Ghajji)に見つかってしまう。Sony CineAlta VENICE を使用した最初のプロジェクト。(作品の詳細


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Taylor Kitschの1人祭り。8分足らずの短編(←音が出ます)です。

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上空からみたビジネス街の夜景がとても美しく、台詞なしの映像と若干煽り過ぎの音楽ではあるが、

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ここまでテンションを上げられるなんて、素晴らしい。

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オチは何となく分かってしまうが、改めて映像で見ると、そんなあぁぁ…( ⊙д⊙)


# by amore_spacey | 2026-02-10 21:46 | Other film | Comments(0)

ありがとう、トニ・エルドマン (Toni Erdmann)

ネタばれあり!!!
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【あらすじ】 悪ふざけが大好きな父 Winfried (Peter Simonischek)と、コンサルタント会社で働く娘 Ines(Sandra Hüller)は、性格も正反対。そんな2人の関係はあまり上手くいっていない。たまに会ってもInesは仕事の電話ばかりで、2人はろくに話すこともできなかった。
 ある日、娘を心配した Winfried は愛犬の死をきっかけに、彼女が働くブカレストへ向かう。父の突然の訪問に Ines は驚いたが、ぎくしゃくしながらも何とか数日間を一緒に過ごし、父はドイツに帰って行く。
 だがホッとしたのも束の間、彼女のもとに Toni Erdmann という別人になった父が現れる。職場・レストラン・パーティー会場…と、神出鬼没の Toni Erdmann /父の行動に Ines のイライラも募っていくが、2人が衝突すればするほどお互いの仲は縮まっていくのだった。(作品の詳細


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Sandra Hüller の1人祭り。男手ひとつで娘を育てた父親の思いが重すぎて、イライラなんて簡単な言葉では済まない。Winfried は娘を心配する体(てい)の、究極のかまってちゃんなんですよね。

なんですが、もうね、なんでしょう、気まずいシチュエーションをブラックユーモアに包んで、コミカルに展開していくんだけど、終盤は涙じわじわ熱いものが胸に込み上げ、毛むくじゃらの精霊クケリを着たパパの腕の中で、Ines が泣きじゃくるシーンで涙腺崩壊しました。

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こんな父とは対照的に、いつも仏頂面の娘。大事な取引の場に父親が現れて、予想通り色々やらかすのに、Ines はキレない。彼の悪ふざけには慣れっこで、もはや諦めの境地ですかねえ。けれど、父親が娘を思う気持ちは、決して一方通行ではなくて、娘にも充分過ぎるくらいに伝わっているんです。そこに繊細な彼女の葛藤が、透けて見えてくる。

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父のキーボード伴奏で歌うことを促された Ines が、次第にノリノリになってきて、Whitney Schunuck(笑)が Whitney Houston の The Greatest Love for All(←音が出ます)を熱唱する。私はもう大丈夫だから、そして父のことを誇りに思っているから。そんな歌詞と力強い歌声で、誰よりも父に伝えたかった。

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ふだんはクールで淡々としている Ines が、みんなの前で巨大な花火(歌)を打ち上げた。彼女が本気出したら、パパより凄いんだから。ファスナーが上がらなくてイライラからの全裸パーティーも、パパ譲りのDNAのせいよね。

この先も Ines は、父に振り回されながら(彼も娘に振り回されながら)、あーだーこーだ言いながら生きていくんだろうなぁ。父親が一発芸で使っている出っ歯の入れ歯を、彼女が装着したのは、親子と言えどあれはないわぁ(´・д・`)ヤダァ!!!


# by amore_spacey | 2026-02-08 20:07 | Other film | Comments(0)

ミラノ・コルティナ2026冬季五輪の開会式

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ミラノの平和の門(Arco della Pace)の
聖火台に火が灯る。

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日本選手団の入場

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五輪の輪から花火が吹き出す
サンシーロスタジアム

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最後にイタリア選手団が入場

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Pierfrancesco Favino による
Giacomo Leopardi の詩集 Canti から L'infinito

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オーケストラの指揮者に扮した
Matilda De Angelis

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Sabrina Impacciatore のミュージカル

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Lang Lang と Cecilia Bartoli による
オリンピック賛歌

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イタリア国旗を手渡す
Vittoria Ceretti
(Giorgio Armani のドレス)


# by amore_spacey | 2026-02-07 18:14 | My talk | Comments(2)

フィフス・エステート 世界から狙われた男 (The Fifth Estate)

ネタばれあり!!!
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【あらすじ】 内部告発サイト WikiLeaks。その創設者 Julian Assange(Benedict Cumberbatch)とともに、カリスマ的な彼の魅力に囚われていった Daniel Berg(Daniel Brühl)ら仲間たちは、世界的なマスメディアを上回る、数々の秘密情報をウェブサイトで発信していく。彼らはわずかな資金で、内部告発者が匿名で秘密情報をリークできるプラットフォームを構築し、政府の機密情報や企業犯罪の闇に光を当てるのだ
 しかし、米ペンタゴンをはじめ世界の目から追われながら、彼らが暴露する機密情報は、あまりにも過激で危険なものになり、世界主要国の国家機関にとって脅威となっていく。同時に、自由社会において秘密を守ること、秘密を暴露することにかかる労力や、告発者をどこまで守るのかに直面し、Assange と Berg は次第に対立していった。
 Domscheit-Berg の著書 Inside WikiLeaks: My Time with Julian Assange at the World's Most Dangerous Website、David Leigh と Luke Hardingm の共著 WikiLeaks: Inside Julian Assange's War on Secrecy をもとに映画化。(作品の詳細


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Dan Stevensの1人祭り。のはずだったのですが、あまりにも出番が少ないので、Daniel Brühl に変えました。世界を騒がせた WikiLeaks の、米機密外交文書漏洩事件を描いた社会派サスペンス。創設者 Julian Assange を演じる Benedict Cumberbatch が、驚くほどハマっていた。自分の信念や美学に基づいて孤独を貫き、自らの道をひたむきに歩んでいく、頑固で偏屈な男。白髪がまた独特の雰囲気を醸し出しています。

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そして期待を裏切らないDaniel Brühl。自分の信念や良心に正直に生きる役どころは、彼の十八番で、Assange との対立は見逃せません。ラストの素早い決断と行動は、鮮やでした。他にも Carice van Houten や Peter Capaldi や Laura Linney やStanley Tucci など、錚々たる顔ぶれが脇を固めている。 

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報道や言論の自由は守られるべきとはいえ、その報道によって危険にさらされる人たちがいるというジレンマを、どう解決するのか。Assange がやったことは正しいのか、真の正義からくるものなのか、それとも野心やエゴによるものなのか?

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情報の正確さ、告発者の倫理観や彼らの安全、情報を世に出すべきかどうかの判断基準など、現代の情報社会に問いかける、メッセージ性の強い作品でした。オープニングタイトル(←音が出ます)やデータ破壊や、妄想オフィスなどの心象風景が面白いのに、大袈裟な邦題がブチ壊してる… ┐(-。ー;)┌


# by amore_spacey | 2026-02-06 01:02 | Other film | Comments(0)