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A Moon for the Misbegotten 5

【パンフレット】

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大きな満月。
この月の光を浴びながら
Jimは母との和解を達成。
Josieは「理想の女性」として
Jimの人生の終幕を飾る。




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練習風景。
どの場面なのか?
う~ん、分からない。
Kevinのこの表情が
ぐぐっと胸に迫り来る…。


  《完》 お付き合い下さってありがとうございました。
by amore_spacey | 2006-11-09 04:28 | Theatre | Comments(14)

A Moon for the Misbegotten 4

【ステージ・ドア・後編】

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出待ちのKevinファンの7人目=最後がアタシ。


amore 「きょ、今日は…、素晴らしいステージをありがとうございました。」 上ずる声。
Kevin 「こちらこそありがとう。」 パンフレットにサインをしながら…。
amore 「原作を読んだのだけれど、難しかったです。」
Kevin 「ん?…」 にっこりキューピー笑顔。
amore 「あの、去年の『リチャード2世』のほうが楽しめました。」 大胆発言( ̄∇ ̄;)
Kevin 「そう。ありがとう」 また彼にっこり。


毛穴まで見えてしまう至近距離。
こんなに近づいちゃっていいの?


amore 「去年はOld Vicのドイツツアー&ファンの集いが行われたそうですね。」
Kevin 「うん。そうだったね。」
amore 「イタリアにもたくさんファンが待ってます。イタリア・ツアーも検討して下さいませ」
Kevin 「∂ ㈱ Ю ♯ Ф $ …だよね?」


え゛っ?


何て言ったの?
Kevinが問いかけてくるなんて、私の筋書きにはないゾ~(汗)
想定外の出来事に慌てる。


amore 「は?」 思い切り尻上がりの語尾。
Kevin 「…うん、イタリアは近くて遠い国だね(苦笑しながら)」
amore 「えっと、あのぉ、それは?」 Kevin、何が言いたい?
Kevin 「いや、いつか舞台ツアーで行きたいね。」 はぐらかされ…た? 
amore 「おいしいものもたくさんありますから、ぜひぜひきて下さい。」 
Kevin 「ありがとう。」 にっこりキューピー笑顔。


間髪入れず右手を差し出して握手。
もみじのような小さな小さな
私の手をすっぽり包み込む、大きくて包容力のある手。
そして、なんて長くて綺麗な指。
Kevinの手をじーーっと見る。


じーーーーーーーーっ



い、いかん。
ぼんやり見つめている場合ではない。
写真、写真☆

ハッと現実に戻り…



amore 「あの、一緒に写真を撮らせてもらってもいいですか?」 
Kevin 「もちろんどうぞ。」
パチッ☆

A Moon for the Misbegotten 4_e0059574_1813317.jpg

amore 「本当にありがとうございました。」 お辞儀~。
Kevin 「どういたしまして。」 にこっ。 そしてまた握手。

最初の一言が出たら
あの緊張がうそのように気持ちが落ち着いてきて
言葉が数珠つなぎに連なって出てきました。
とても長い時間に感じたのだけれど…
正味1分くらいだったでしょうか。
彼は誰にも気さくに話しかけてました。
上機嫌な彼をこんな間近に見る幸せ~♡



A Moon for the Misbegotten 4_e0059574_18133363.jpg心の底から沸き上がる
幸せな気持ちをかみしめながら
湯たんぽを抱いたように
ポカポカあったかい気持ちで
Old Vic劇場をあとにした私は
雨上がりのテムズ川畔を歩きました。



  《続く》 
by amore_spacey | 2006-11-05 18:14 | Theatre | Comments(22)

A Moon for the Misbegotten 3

【舞台 & Eugene O'Neill】

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Eugene の描くJosie Hoganは、母・娼婦・処女と、男性にとって好ましい役柄を次々に使い分ける、まさに「女優」のような存在。大柄で粗野で決して美人ではないが、温かみのある顔立ちが人をほっとさせる。したたかさと気風のよさは、父親譲りに加え幼い頃から農作業で培ったものであろう。


Eve Best扮するJosieは、カバを2頭並べたようなデカいサイズでも不細工でもなく、どちらかといえば均整がとれた体格に、都会的ですらある魅力的な容貌の女性だなぁと思った。しかし舞台が進行するにつれ、Eveの身体の中から発するしなやかなエネルギーが、Josieの粗雑であばずれなうわべとは裏腹な女の温かさや懐の深さに重なり合い、「彼女の小柄な体格でJosieを演ずるのは無理ではないか?」 というスタッフの当初の不安を覆す素晴らしい演技を見せてくれた。


A Moon for the Misbegotten 3_e0059574_1182711.jpgColm Meaney演ずるJosieの父親Phil Hogan。
安酒場で酔っ払った男たちが交わすような下世話な会話を、実にコミカル&リズミカルに娘と交わしている。父親でありながらJosieの中に女の部分を嗅ぎ取る、それはやもめの身であるが故の?危うさなのか。娘への限りない愛情と慈しみを素直にストレートに表せないでいる不器用な父親を巧みに演じていた。


不器用と言えば、PhilもJimもJosieも、本音を語ることが実に下手くそ。些細な行き違いに悶々としながら、相手の心の底を何とか探ろうと紆余曲折を辿る、誠に不器用な人たちなのである。そんなJimやJosieにも幸福の瞬間が訪れる。月明かりが2人を照らし出す ほんの束の間の幸せ。


A Moon for the Misbegotten 3_e0059574_119025.jpg 母がいないこの世界を認めることができない、現在を否定するJim。酒の力を借りて自分を誤魔化し、現実直視を避けながらその日その日をやっと生きのびている。母に捨てられたと絶望するJimの母性への渇望。それをJosieとの一夜の心の通い合いによって取り戻し、母との和解を達成する。 
 一方「母親」としての精神的な自立と勇気があり男並みの腕力を持つ一方で、はすっぱな女を演じながら、実は汚れなき処女であるJosieは、「理想の女性」としてJimの人生の終幕を飾る。Josieは処女のまま彼と別れ、父親との生活に戻る。そんな娘を不憫に思いながらも、また2人のいつもの生活が続けられることへのかすかな安堵に浸る父親Phil。


おのおの、また新たな一歩を踏み出さねばならない。


ノーベル文学賞やピュリッツァ賞を受賞し、華々しい劇作家の出世街道を走るかに見えるEugene。しかし彼の私生活には常に暗い影が忍び寄り、心の平安を得ることがなかったであろうEugeneの哀しみと絶望。

「(悲しげな、やさしく憐れむような顔で -- 静かに)ねえ、Jim(Tyrone)。
もうすぐ、望みどおりに、眠ったまま死んで行っておくれ。
いつまでも、罪を許されて、安らかに」

ラストシーンのJosieの台詞に出てくるForgiveness and peace、これはJimの姿を借りたEugeneの兄や母や家族への許しでもあるのだろうけれど、おそらく自分自身への許しと心の平和を請いたかったのでは?と思えてならない。

Misbegotten means 'misbirthed'
- it describes people who are of neither world, and who cannot settle.
 high life:Kevin Spaceyへのインタビューより引用

*************************************************
Written by Eugene O'Neill
Directed by Howard Davies

Cast
Josie Hogan : Eve Best
Mike Hogan (Josie's brother) : Eugene O'Hara
Phil Hogan (Josie and Mike's father) : Colm Meaney
Jim Tyrone : Kevin Spacey
T Stedman Harder : Billy Carter

Design : Bob Crowley
Costumes : Lynette Mauro
Lighting : Paule Constable
Music : Cominic Muldowney
Sound : Christopher Shutt
Running time : Three hours with one interval

写真(C)はこちらから、写真(H)はこちらから拝借。

  《続く》 
by amore_spacey | 2006-11-01 01:22 | Theatre | Comments(2)

A Moon for the Misbegotten 2

【ステージ・ドア・前編】
未消化の敗北感を背負い、
うなだれて劇場から出てきました。
が、私には次なるミッションがあるのです。
去年の大失敗を踏まえて、
今年はなんとしてでも
出待ちを成功させねば~!!! =з =з =з


A Moon for the Misbegotten 2_e0059574_143215.jpgステージ・ドアからは
最初に若手役者のEugene O'Haraくんと
Billy Carterくんが出てくる。
うっ、2人とも足早に通り過ぎてしまった。
Billy Carterくん(画像)のサインが
欲しかったのに。



A Moon for the Misbegotten 2_e0059574_154691.jpg何だか嫌~な予感…。
もやもやしているところへ
Colm Meaney氏がふらりと。
快くサインに応じて下さる。
舞台のお礼を言うと
「どうもありがとう」
気さくなおぢさま。




ああ、そして待望のKevin★ 
白のTシャツに
細い白ストライプの入った濃紺のジャケット。

この日ステージ・ドアには7人。
去年と同じく私は列の最後に並びました。

去年のKevinは
とてもクール(事務的)だったけれど
今年は本当にご機嫌でキューピーのように可愛かった。

一番にサインを頼んだ彼女が
出待ちの雰囲気を盛り上げてくれたのではないかしら? 
ウィノナ・ライダーとキーラ・ナイトリーを足して2で割ったような
華奢ですらりとした髪の長い美少女。
彼女は舞台を見たわけではなく
あの時間帯にKevinがステージ・ドアに出てくるという話を聞きつけて
何となくここに来た…らしいの。

くちゃくちゃになった地下鉄の切符を
サイン用に差し出してました( ̄∇ ̄;)
その切符にサインしながら
Kevinと彼女は和気藹々と楽しそうにお話。
う~ん、何かちょっとくやしー(嫉妬)

そうそう
Kevinはサイン用の青マジックを持って
ステージ・ドアに来ました。


A Moon for the Misbegotten 2_e0059574_1111319.jpg
30代前半と思われるファンが、一緒に連れてきた娘とKevinのツーショットを希望。
やや緊張気味の女の子とKevinの視線が…和やかなショットです。


  《続く》 
by amore_spacey | 2006-10-26 01:03 | Theatre | Comments(12)

A Moon for the Misbegotten 1

【Kevin Spacey】

A Moon for the Misbegotten 1_e0059574_22325084.jpg
圧倒された!
Kevinの演技に!他の役者さんたちの演技に、息づかいに、そして舞台の熱気に。

事前にペーパーバックを読んだけれど、あらすじをざっとつかむのが精一杯。とてもじゃないけれどアイルランド訛りのスラングの意味まで調べる時間がなかった。メインキャスト3人の、スラング入りの小気味のよいやりとりや、かなり品の悪い下ネタや、土地売買の駆け引き、そしてJosieとJimが心の内を吐露するハイライトシーン …、私の中ではいずれも未消化のまま終わってしまいました。



A Moon for the Misbegotten 1_e0059574_2233507.jpg開演後、半時間ほどしてKevin登場。
「あれっ?」と思ったのは、私が思い描いていたJim Tyroneより、遥かに上質で古風なエレガンスが漂っていたから。
Jimの人物設定が、「顔立ちがよく金に糸目をつけない彼に群がる女たちとの遊びがお盛んでありながら、博識で洗練された男」だから、はまり役ではあるのだけれど、もっと陰鬱で痩せこけて暗い目をした男を想像していた。


いや、しかし、いったんKevinが口を開き手足が動き始めると、そこに彼独自の世界が展開され、私が想像したJimなど吹き飛んだ。彼がステージにいる2時間、酔っ払って呂律の回らない40過ぎの男が、ある時は子どもになったり融通のきかない老いぼれ爺さんになったり、またある時には前途洋々たる若者になったり自暴自棄の酔いどれおやぢになったり…、無意識に移り変わる(揺れ動く)心の内を、見事に演じ分ける。



A Moon for the Misbegotten 1_e0059574_22345049.jpg艶やかな声がいい。
劇場内を真っ直ぐ突っ切る豊かな声量が、耳に心地よい。
他の俳優さんたちが唾を飛ばし合う中、Kevinは違った。『マイ・フェア・レディー』に出てくる、下町の花売り娘イライザが発音矯正のため、ろうそくの炎がゆれないようになるまで何度も練習するシーンを思い出す。口の中の発音構造(というのか?)が鍛錬されているから、唾が飛んだりしないのだろう。などということに気をとられるのも、実は私の脳が細かい会話に理解が及ばないため…。第3幕のハイライト・シーンに至っては、酒に酔って自分がどこにいるのか分からないJimのウダウダした語りが、鬱陶しくさえ感じてしまう。何度もあくびをかみ殺す隣席のご婦人を見て、何だかほっとする。ひとえにワタクシの勉強不足であります、悪しからず。


~ 劇場の日常にあこがれるよ。それを心から愛しているんだ。そして、自分の能力を試されるような芝居をやりたいと思う。実のところ、毎夜ここへ来て、舞台にあがり、すばらしい俳優仲間たちと仕事をするのが、たまらなく好きなんだ。~
ある雑誌のインタビューにケヴィンはこう答えている。彼は本当に舞台が好きなんだ。俳優仲間と劇場と観客が一体になる、あの独特の熱気の渦の中に身を投じることで、生きている実感と喜びを味わうKevin。やり直しのきかない舞台だからこそ、高揚する・魂が揺さぶられる。麻薬のようなもの。手足や身体の動きに、あらゆる視線に、彼の役者魂を感じた、「ああ、これをKevinはやりたかったのだなぁ」と思わせる舞台だった。

カーテン・コールの最後には、いつもケヴィが「観に来てくれてありがとう」感謝の気持ちを込めて、両手を高らかにあげて観衆に向けて拍手をする。その時の充足感と疲労感に包まれた何とも言えないKevinの表情が、いつまでも私の脳裏に残っている。

写真(C)はこちらから、写真(H)はこちらから拝借。

  《続く》
 
by amore_spacey | 2006-10-18 22:37 | Theatre | Comments(7)