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パンフレット 【 RICHARD II 4】

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Old Vicでは若手役者への積極的な援助や、ロンドンの小中高等学校の生徒及び25歳以下の若者を対象にした、楽屋裏見学ツアーや舞台俳優との意見交換会など、非常に興味深い企画が盛りだくさん用意されています。


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映画・舞台・監督…とパワフルに活動を続けるケヴィの次なるターゲットは、後輩育成であります。上記の企画からは彼の熱い思いを感じますね。ケヴィの「リチャード2世」のお陰で、大学時代は苦手で逃げていたシェークスピア文学がぐんと身近になりました。ケヴィ効果が多方面に表れますように。


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Old Vicのケヴィの舞台予定:2006年9月~ 「A Moon For The Misbegotten」
by amore_spacey | 2005-11-06 19:17 | Theatre | Comments(24)

気になる役者 【 RICHARD II (6)】

舞台は、黒と茶色とグレーが基本色で、あとはシーンに合わせて、会議のための大テーブルと椅子や応接間の長いすや、独房のベットと椅子…が入れ替えられるといった具合に、極めつきのミニマリズム。余計なものがない分、役者の力量が試されるのですね。目をひいたのは、客席の両側に設置された2つの大スクリーン。舞台の大道具が入れ替わる間、こちらの大スクリーンが駆使され、舞台は途切れることなく最後まで流れていきました。

「リチャード2世」の舞台で見つけた気になる3人の役者。

気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_21161666.jpg気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_21164332.jpg気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_21165951.jpg気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_215082.jpg
①Ben Miles(ヘンリー・ボリングブロク)
②Susan Tracy(オーマール公の母)
③Owen Wilson(突然ですが…)
④Oliver Kieran-Jones(オーマール公)


気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_21174119.jpg気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_21275427.gif気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_21275427.gif気になる役者 【 RICHARD II (6)】_e0059574_2117574.jpg

ケヴィからサインをもらい損ねて、ステージ・ドアの前でヘタリ込んでいましたが、打たれ強いというのか?転んでもタダでは起きない。何か戦利品を!の気持ちがむくむく沸いてきました。私を置いてケヴィが行ってしまったあと、ステージ・ドアから出てきた上記3人からちゃっかりサインをもらいました。Susan Tracyからは、「遠いところからようこそ」と微笑みかけられ、落ち込んだ気持ちが吹っ飛びました。Ben Milesも太陽のように健康的で明るい役者さんでした。Oliver Kieran-Jonesはまだ20代なのかな、若い頃のオーウェン・ウィルソンにそっくり。きさくに握手もしてくれました。
by amore_spacey | 2005-11-05 00:01 | Theatre | Comments(6)

悲劇のステージ・ドア 【 RICHARD II 3】

「で、サインはもらったの?」は、禁句ですから。
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ステージ・ドアでケヴィを待っている間、ふっと嫌な予感がよぎったのです。はい、嫌な予感の予告はその前にもありました。朝7時のフライトに乗るため、5時起床。顔を洗い終わってちらっと鏡を見たら、ねぐせのついた髪が、左後頭部にぴよよ~んと跳びはねていた。そういう日に限って、今までロクなことがありませんでした。


悲劇のステージ・ドア 【 RICHARD II 3】_e0059574_0345186.jpg私が行った時、すでにステージ・ドアには女性が10人ほどいました。ケヴィを待って5分。あっ、白い野球帽に黒の普段着のケヴィが階段から降りて参りましたョ。あっ、立ち止まった。ドア越しに彼の一挙一動を見守っていた私は、はっとしてバッグからデジカメを取り出した。私の前に髪の長い女が立ちはだかって、パシパシ撮り始めたから。こいつに負けるもんか。邪魔なんだよ、髪長の女が。アタシが撮るケヴィ全部に、アンタがかぶっちゃってるぢゃん。それにしてもデジカメって、どーしてこうノロいのかしら?連続シャッターが切れなくて、私はイライラの絶頂。ケヴィったら何を喋ってるんだろ?打ち合わせ?いつドアから出て来てくれるの?

…てなことを薄ぼんやり思っていたら、いきなり、いきなり、ですよ、ケヴィがドアの外に出てきたのは。ドア付近にいた3人連れの女性が、先頭きってサインへ突入。一人は「アメリカン・ビューティー」を、もう一人は「ユージュアル・サスペクツ」のDVDを手に、あとはみんなプログラム。その間も私はデジカメで撮りまくり。サインのことなど、すっかり頭から飛んでいたのかもしれません。

次々とサインが終わり(たかだか10人だから、ものの1分でおしまい)、「さぁ、私の番だわね、ぐふふっ」とばかりにデジカメをバッグに戻し、色紙を取り出すのに5秒くらいかかったかな。その時、「xxx xxx?」蚊のなくような声が聞こえたような、聞こえなかったような。胸騒ぎがして顔をあげると、ケヴィの姿はもうドアの向こう側で、あたしに背中むけて階段を下りていくところだった。

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蚊のなくような声はもちろんケヴィ。「Anyone else?(= 他にサインが欲しい人はいるのかなァ?)」とファンにきいていたのである。あの時、「ちょっと待ったァ~!!アタシがいるわっっ!!」と大声で叫んでいたなら、確実に間に合っていました。彼は振り向いて、もう一度ドアを開けて戻って来て、サインをしてくれたはず。なのに、私にはそれができませんでした。どうして?と言われても、「太陽が赤かったから…」としか言いようがない。あの一瞬、金縛りにあったように、身体は動かず声も出なかったのです。   リチャード2世の呪い?! ヒ~ッ (*_*;

思いっきり脱力。
膝から力が抜けましたよ~。ああ、もう立ち直れない。ついさきほどの舞台のあの熱狂・興奮から一気に奈落の底。北極のブリザードの真っ只中にたったひとり。ぐすっ、もう、嫌になっちゃう。心の底から自分が嫌に…。肝心な場面でコケる癖があることを、うすうす承知はしていたのだけれど、一生にそうそうない貴重な場面であたしったら、バカ、バカ、大バカ~!目の前真っ白。
 
せめてケヴィの呼吸をもらっていくことでバカな自分を納得させようと、彼が立っていたあたりに戻って、彼が吐き出したと思われるCO2を何度も胸いっぱい吸い込みました。夏の甲子園で敗退した野球チームの気持ち。(例えが適切ではないんだけど)


悲劇のステージ・ドア 【 RICHARD II 3】_e0059574_0585275.jpg悲劇のステージ・ドア 【 RICHARD II 3】_e0059574_059133.jpg悲劇のステージ・ドア 【 RICHARD II 3】_e0059574_059347.jpg
ケヴィのサインをもらい損ねて落ち込んでいた私は、せめて夫に慰めてもらおうと、劇場前の公園にぽつんと立って、携帯からメッセージを送った。そしたら…

「なんちゅー、ダサい奴や!!ぶはははっ(≧∇≦)」

まだまだ続くであるよ、舞台「RICHARD II」 のこぼれ話。
by amore_spacey | 2005-11-03 01:02 | Theatre | Comments(14)

第二幕 【 RICHARD II 2】

~王位剥奪から非業の最期まで~
第二幕 【 RICHARD II 2】_e0059574_19301414.jpg
盛者必衰の理・栄枯盛衰はどの時代にもありました。今この瞬間にも、王座剥奪戦が権力争いがクーデターが、世界のどこかで繰り広げられているのです。さて舞台はいよいよ佳境を迎え、中盤からエピローグまで息もつかず一気に進んで参ります。

王位継承順位に従い、わずか10歳で権力の座についたリチャード2世。
33歳というまことに短い生涯を、波乱万丈の人生を、駆け足で生き抜いた一人の男の劇的な半生が、第二幕では彼の内面にスポットをあてて分かりやすく描き出されています。

棚ぼたのごとく転がり込んできた王位の座、そして初めは遠慮がちであったはずのリチャード2世も、指一本動かせば思うがままになる国王の権力に酔いしれ、当時の貴族の誰もが抱いていたイングランド王位への野望が、彼の中に芽生えるのは当然の成り行きでありましょう。京都に幕府を構え日本の国家統一を夢みた信長や秀吉も然り。

そうした国王に、民衆を置き去りにした国政に反感を持つ反体制派が、リチャード2世の甥ヘンリー・ボリングブロク(ランカスター公の息子、のちのヘンリー4世)のもとに集まり、下剋上のチャンスを狙って、着々とその準備を始めるのです。第一幕では、その不穏な動きがごく控えめに描かれ、若くして国王となったリチャードの、いささか高慢・傲慢たる態度を前面に押し出した演出がなされていました。それだけに第二幕は、自分が辿るであろう運命を予感したリチャード2世の、若さゆえの不器用さや人生の悲哀や栄華のはかなさを、時には劇的に時には冷めた諦観の念で、ケヴィが見事に演じていました。

そんな中に必ずいるのが日和見主義の家来。
関が原の戦いで、徳川 vs 豊臣のいずれについたものか心を決めかねて、松尾山中に息をひそめていた、そしてついには西軍から東軍へと寝返った小早川秀明。ヨーク公の息子オーマール公もまた、リチャード2世に可愛がられた側近・重臣でありながら、最後には自己保身と一族の存続を選ぶ。そしてリチャード亡き後は、ヘンリー・ボリングブロクの重臣として活躍することになるのです。おのれ~っ、裏切り者っっ!


第二幕 【 RICHARD II 2】_e0059574_19304915.jpgああ、ついに王位剥奪の日
ボリングブロクに追い詰められたリチャードは、「最後にもう一度だけ国王の椅子に座らせてくれ」と懇願。いったんは王冠をぬいで、ボリングブロクに「ほら」と手渡す素振りをみせるが、ボリングブロクが王冠を掴んでもそのまま手放さず、両者王冠の取り合い。しかしリチャードが、「やっぱり渡すのは嫌だ」と王冠を抱え込んでしまう。と思えば、リチャードは椅子の背もたれに駆け登って、泣きながら哀願してみせたりする。 これら一連の子どもじみた行動は、決定的な運命が背後に迫っていると知りつつ、しかし何としてでも王位にすがろうとする、追い込まれた彼の最後のあがきであり、悲哀の裏返しであったのでしょう。揺れ動くリチャードの繊細で不安に慄く心の内を、ケヴィは見事に演じていました。

獄中での毒殺に失敗した反対派は、逆上してその場でリチャードを一思いに刺殺。食事を運び込むワゴン車の上で、リチャード絶命。享年33歳。

リチャードの厳粛なる国葬の日
国王支持派も反体制派も、ともにリチャードの棺を担ぎ、式場へと向かう。
あれほどまでに王冠に執着した新国王ヘンリー4世も、亡き国王を偲び彼の生涯に敬意を表し、王冠をリチャードに返すべく棺の上に置いて、しばしの間黙祷。参列者もこうべを垂れて前国王の死を悼む。
舞台のライトが徐々におとされ暗闇に。舞台中央の棺の上に置かれた王冠にスポットライトがあてられ、王冠だけが舞台に浮かび上がる。そのライトも徐々に暗闇の中に消え、音もなく閉幕。"Am I not king?" 王冠を失い失意のうちに死んでいったリチャードに、人生のはかなさを感じずにはいられません。

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第二幕 【 RICHARD II 2】_e0059574_19311622.jpg第二幕のケヴィの衣装を見てみましょう。
リチャード2世派はカーキー色の英国軍服(写真→)、ボリングブロク派は黒を基調とした忍者衣装。視覚的に分かりやすい。軍服に身を包んだケヴィ、うんうん、似合ってる、絶対にいいです。

王位剥奪後のリチャードは、光沢のあるグレーのスーツにネクタイという、シンプルなスタイルに、真ん中分けの髪…。きっちり真ん中分けのケヴィは、多分これが初めて。明治維新の侍のザンギリ頭…ですね。しかも王冠のない頭というのは、何と頼りないものでしょう。それは誰よりもケヴィが実感したはず。

獄中のリチャードの衣装は、ごく普通の白色のYシャツにグレーのズボン。クタクタにくたびれたズボンは膝が出ており、ねぐせのついた髪は、手入れした跡すらなくあちこちはねたまま。刺殺シーンは「LAコンフィデンシャル」のごとく、あっけないものでした。ケヴィの長くてきれいな形の指先についた鮮紅色の血糊には、妙に生々しいものがありました。



カーテンコール
by amore_spacey | 2005-11-01 19:38 | Theatre | Comments(6)

第一幕 【 RICHARD II 1】

~リチャードの戴冠式から絶頂期まで~
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場内の照明が徐々におとされ、暗闇の舞台に青白いスポットライトがひとすじ、おりる。舞台の奥、向かって右のドアが静かに開けられ、リチャードが登場。今日は彼の戴冠式。

青白いライトの中に光るデコが、ケヴィ登場の暗黙の合図でした。本当にテカッてたんだもん。厳粛な雰囲気の中で、思わずクスッと笑っちゃった。デコぴか合図がなくても、彼が登場する前から、ビビッと来ていました。あれがオーラとか存在感というものなのででしょう。

ケヴィの「リチャードII」は、シェークスピア劇を「舞台装置」も「衣装」も「言葉」も、現代に置き換えられた作品。戴冠式のシーンが唯一当時の衣装に近い形で再現され、あとはすべて私たちが暮らす21世紀の日常に描きなおされていました。

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戴冠式のケヴィの衣装は、↑写真と同タイプの色違い。彼は光沢のあるヴェルヴェットに鮮やかな黄色(金色?)の縁取り刺繍がほどこされたマントと服をお召しに、そして白いタイツに黒のバレーシューズをお履きになっておられました。白タイツ姿の国王ケヴィもいいね、いいね。しかもふくらはぎの形が、これまたとてもよろしくて羨ましい限り。私のふくらはぎなんて、ぷっくり子持ちシシャモなんだから(涙)シクシク

王冠が重いせいか?少々お疲れ気味であったのか?デコが押され気味で、ケヴィのつぶらな瞳がやや細長くなっておりました。が、これもご愛嬌。

ああ、彼のvelvet voiceが劇場内に響き渡っております。口の中でくぐもった喋り方をする人がいる中、彼の英語はとても分かりやすい、聞き取りやすい。はしょったり語尾をぼかしたりごまかしたりしないで、丁寧にはっきりと発音してくれるので、すんなり耳に馴染むのです。

「間」のとり方、呼吸の整え方、緊張と弛緩のタイミングが絶妙。悲劇の中にも笑いは必ずある。戦争中といえども、みんなが毎日泣いて暮らしていたかというと、そうではなかったように(…と出兵した祖父や幼かった両親が申しておりました)。涙を流す大笑いやバカ笑いではなくて、自分や今の世の中を振り返りつつ、「そう、そうなんだよなぁ」、つくづく共感できる静かな笑いであったり含み笑いであったり、苦笑や自嘲だったり…なんです。

あのしなやかな手の仕草…。
戴冠式、三種の神器を侍従から受け取る際のポーズがよい。手首の動きが指先の動きが繊細で優雅で、実に美しいのです。もみじの手の私はオクターブがぎりぎりで、ピアノを弾くにも一苦労している。ケヴィのあの細くて長い指が欲しい。

ああ、ケヴィのあの機関銃的な喋りが、ここにも。
「ザ・プロデューサー」のたたみかけるような喋りを、この舞台で私のこの耳でしかと聞きました。首筋の血管が浮いている。顔が紅潮!!そしてデコには汗がきらきら煌めく。私のハンカチで拭いて差し上げたい。

劇団四季の「コーラスライン」「キャッツ」以来の生舞台…、だから20年振りでした。生舞台の迫力というのは、こんなにも凄いものだったかなァ。躍動感や熱気が桁外れに違います。Old Vicは割合こじんまりとした劇場なので、第一幕終盤あたりから、舞台と客席の呼吸が徐々に一体化して、大喝采のうちに第一幕が終了しました。拍手をしながら、鳥肌が立つような感動をかみしめていた自分がいました。あっという間の1時間半でした。

休憩時間は、場内スタッフがアイスクリームの売り子さんに早がわり(笑) 怪我をしたおじ様の手当てをしているスタッフもいました。お隣に座ったおば様から、「あなた、日本からいらっしゃったのね。切符がとれたなんてラッキーよ。ケヴィンの舞台は本当に無駄がなくてタイトでメリハリがあって、いいわね…」 そのようなことを立て板に水のごとく話しかけられて、私はうなずくばかりでした。体格のよろしいその婦人のパワーに彼女の声に笑顔に、圧倒されてしまったというのが本音。

間もなく第二幕が始まりますよ。
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ケヴィがいるこの場所に私も立ったの。ケヴィがあなたの来場を待っています。



by amore_spacey | 2005-10-30 17:49 | Theatre | Comments(12)