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Gli ultimi saranno ultimi

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【あらすじ】 南イタリアの田舎町ラングイッラーラに暮らすLuciana(Paola Cortellesi)は、車の修理士Stefano(Alessandro Gassmann)と結婚し、友人や地元の人々に慕われ、工場の従業員仲間にも恵まれて、慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかし現実味のない夢のような事業を思いつく夫は、本気で働く気がなく常に失業状態で、妻の給料だけでは暮らしに余裕がない。しかも二人の長年の夢だった赤ちゃんが授かった喜びも束の間、Lucianaは工場から解雇される。
  一方、職務上の不祥事により、北イタリアからこの町に左遷された警官のAntonio Zanzotto(Fabrizio Bentivoglio)は、転勤早々、上司や同僚から小さな嫌がらせを受け、ここで知り合いになったManuela(Irma Carolina Di Monte)との関係も、地元の人々や同僚の悪意ある噂のせいで、こじれてしまう。(作品の詳細はこちら) 


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衝撃のシーンで始まるこの作品は、Lucianaと警官Antonioの2つの物語が同時進行していき、最後の最後に起きるある事件で二人が交差する。何もこんな形で出会わなくても良かったのに、運命の神様は意地悪なもんです。長引く不況の中で、老いも若きも自分の生活に追われて、他人のことなど構っていられないが、そんな中でささやかな幸せを見つけ、軽い冗談をたたいて不安を笑い飛ばし、束の間の安らぎに満たされる。と同時にこの平穏がいつ壊れるとも知れない不安に、誰もが付きまとわれている。不況がベースになっている『幸せの椅子』と異なり、この作品は人々が厳しい現実に打ちのめされ、自暴自棄になって人としての尊厳を失って行く。けれど最後に一筋の光が射し込むはずなのです。

お節介面倒見のいいイタリア人は、他人が困っていると、本気で助けようと親身になるが、この映画ではLucianaが解雇されたあと、元同僚たちは、「何とかなるよ」「オレが上司に掛け合ってやるからさ」という気休めで、その場の気まずい空気を何とかやり過ごそうとする。切羽詰まると、誰でも自分が一番大事なんです。絶望に打ちひしがれたLucianaは、我慢の限界を越えて、ある行動に出る。

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北イタリアからやってきた警官のAntonioは、近所の噂話が三度の飯より好きで、他人をいつもチェックする、小さな田舎町にありがちな息苦しい雰囲気の中で、自分一人が異星人のような居心地の悪さを抱えている。それでも何とか職場や町に溶け込もうと、小さな嫌がらせや噂に耐え、淡々と毎日を過ごしている。しかしそれにも、限界があります。

主役の三人を演じたPaola CortellesiやAlessandro GassmannやFabrizio Bentivoglioは、軽快なコメディタッチの役どころが多く、先日観た『Croce e delizia』は、AlessandroとFabrizioが素敵なゲイカップルを演じたばかりなので、彼らの演技の振り幅の広さに感心するばかりです。ある一線を越え常軌を逸脱した時のFabrizioは、何を仕出かすか分からない狂気を孕んでいて、絶対に近づいてはいけません。彼の母親(Ariella Reggio)が、キュートで可愛らしかった。


by amore_spacey | 2019-11-25 02:08 | - Italian film | Comments(0)

Croce e delizia

ネタばれあり!
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【あらすじ】 人情味のある庶民的な魚屋一家とスノッブな知識階級の一家が、ひょんなことから同じ別荘でヴァカンスを過ごすことになった。ところがそれぞれの世帯主であるCarlo(Alessandro Gassmann)とTony(Fabrizio Bentivoglio)は、何と!付き合い始めて1年になり、2週間後に結婚式を挙げると言うではないか。両家はてんやわんやの大騒ぎになり、Carloの息子Sandro(Filippo Scicchitano)とTonyの娘Penelope(Jasmine Trinca)は、何としても阻止しようと作戦を立てる。(作品の詳細はこちら)  


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性のアイデンティティと家族をテーマにした軽快なコメディで、最初はみんなドタバタに巻き込まれるが、問題を乗り越えてハッピーエンドを迎える。よくあるイージーな展開ではありますが、まぁ、娯楽映画だからいいじゃないですか。同性カップルに扮したAlessandroとFabrizioが、お似合いで素敵でした。二人とも演技が達者で、安心して観ていられます。

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イタリアではかつて同性愛者が島流しにされていた時代があり、現在も法的に同性結婚を認めていない。同性愛を特別な目でみる人はまだまだいます。魚屋のおやじCarloの息子Sandroがその一人。昔堅気の保守的な青年で、そんな父を断固として認めないし、ゲイを受け付けない。「おやじ、冗談言ってんじゃねーよ。」「キモいよ」 激しい拒否反応をみせる。

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一方のTonyは、若い頃から家庭を省みず、自由恋愛で好き勝手に生きてきた。だから娘のPenelopeにとって、父親はエゴイストでしかなく、そんな父がCarloと結婚すると言い出した日には、もう、カチンと来るどころじゃありません。同性愛云々以前の問題で、「パパにとって、私たち家族って、何なの?」

Penelopeは自分の私生活がうまくいかないのも、メンタルがやられて不安定なのも、このハチャメチャな父親が原因だと思っているフシがあり、十分な愛情を得られないまま大人になった自分が、可哀相でならない。パパったら60歳にもなって、今さら何寝とぼけたことを!ったく、いい加減にしろ、です。が、二人の結婚宣言をきっかけに、一人一人が家族や自分を見つめ直していく。

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この作品はAlessandro Gassmann目当てで観たのですが、『ブルーノのしあわせガイド』でFabrizioと父・息子役で共演したFilippoくんが、メッチャいい青年になっていて、おばさんは驚いてしまったとです。彼ばかり追って、実はストーリーが殆ど頭に入ってきませんでした。


by amore_spacey | 2019-11-01 03:19 | - Italian film | Comments(0)

インビジブル ウィットネス 見えない目撃者 (Il testimone invisibile)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 「今年の起業家」にも選ばれた若手実業家Adriano Doria(Riccardo Scamarcio)には、美しい妻や可愛い娘のほかに、写真家の美しい愛人Laura(Miriam Leone)がいた。しかしAdrianoは愛人の殺人罪で告発・逮捕され、自宅軟禁下にある。彼は身の潔白を証明するため、法廷で一度も敗北を経験したことがないという、有能な弁護士Virginia(Maria Paiato)に援助を求め、事件前後の一部始終を話すのだった。(作品の詳細はこちら


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この映画は2つの殺人事件当時に何度も遡りつつ、1つ1つ謎を解き明かしながらフィナーレを迎える。作品の大部分を占める実業家Adrianoと弁護士Virginiaの会話シーンは、とても見応えがあります。家族や人間関係を描いたイタリア映画には優れたものが多いが、面白いミステリー・サスペンスが少ないので、この作品はなかなかいい線いってるなと思ったのですが、見終わってから2016年のスペイン映画Contratiempoを忠実にリメイクしたものと知って、なーんだとちょっぴりがっかり。

Adrianoは2つの殺人事件の容疑者として逮捕された。殺されたのはTommaso(Fabrizio Bentivoglio)とSonia夫婦の息子、そしてAdrianoの愛人Laura。後者はホテルの部屋で起きた密室殺人事件で、Adrianoが気を失って床に倒れていたことや、彼にこれといったアリバイがなく目撃者もいないことから、真っ先に犯人の疑いがかけられた。Adrianoにしてみれば、誰かが仕掛けた罠にハメられ、犯人に仕立て上げられたような状況で、何としても身の潔白を証明しなければならない。自分に不利な材料ばかりの状況の中で、窮地を脱することができるのか?

事件前後の様子は、Virginiaの質問にAdrianoが答える形で再現される。事件に関わった人物は、Adrianoと愛人Laura、TommasoとSoniaと息子、車で通りかかった男、そしてホテルの従業員たち。この中で一番疑わしいのが、AdrianoとTommasoの2人。どちらにも殺すだけの動機があるからだ。しかしVirginiaにとってAdrianoは、大事なクライアントでもある。頭から犯人と疑ってかかってはいけない。かと言って、彼を全面的に信用していいものか、100パーセント真実を語っているのか?食い違いや矛盾はないか?嘘はないか?徹底的に洗い出すのも、彼女の仕事だ。目撃者がいない限り、クライアントの証言だけが頼みの綱だから、慎重に進めていく必要がある。ここは辣腕弁護士の腕の見せ所だ。Adrianoの証言に納得がいかなければ、Virginiaはあの手この手で矛盾を明らかにし、事件の核心に近づいていく。途切れることのない2人の会話の水面下では、相手を出し抜こうと、目に見えない駆け引きや攻防戦が行われ、時には張り詰めた空気が漂う。最後にサプライズがあるが、勘のいい人は途中であれっ?と気づくかもしれません。

弁護士を演じたMaria Paiatoは今回初めてだが、舞台出身の女優らしい存在感がある。話し方や表情がやや大袈裟で、それこそ舞台劇を観ているような錯覚に陥る瞬間もあるが、何よりも役づくりがうまいので、彼女の魅力にぐいぐい引き込まれる。Lauraを演じたMiriamやAdrianoを演じたScamarcioは、Maria Paiatoの迫力や演技力に押されて、無残でした。台詞は棒読み、顔の表情はワンパターンで、学芸会レベル。BGMも耳障りでした。「これ、サスペンスなんだよ!」「ここ、山場だから。ちゃんと見てね」と言わんばかりに煽り立てる俗悪なBGMのせいで、話に集中できない。あれ、もう少し何とかならなかったのかしら。燻し銀のようなFabrizio BentivoglioがMaria Paiatoと共に脇を支えてくれたので、何とか作品として成り立ったと言えましょうか。

その後オリジナル作品Contratiempoを観たのですが、本作品は寸分違わずそっくりそのままリメイクされているんですね。いやもう、オリジナルを買い取って、CGでイタリア人俳優に置き換えただけ、のレベルで驚いた。そこまでしてリメイクする意味が、ちょっと分かりません。


by amore_spacey | 2019-05-08 01:07 | - Italian film | Comments(0)

人間の値打ち (Il capitale umano)

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

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【あらすじ】 クリスマス・イヴの夜。北イタリアの街Brianzolaの県道で、自転車に乗った男がジープにひき逃げされた。目撃者の証言によりこの事件に、機関投資家Giovanni(Fabrizio Gifuni)とCarla(Valeria Bruni Tedeschi) の裕福なBernaschi夫妻の1人息子Massimiliano(Guglielmo Pinelli)と、破産間際にある不動産業者Dino(Fabrizio Bentivoglio)と精神科医Roberta(Valeria Golino)の中産階級のOssola夫妻の1人娘Serena(Matilde Gioli)が絡んでいることが分かった。そしてひき逃げ犯を捜査するうちに、意外な真実が明るみに出る。


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観終わったあと、言い表せない重苦しい感情に包まれた作品だった。ストーリーは淡々と進んでいく。私情を挟まない。声高な主義主張やスローガンも見当たらない。そういう厳然たる現実がある、明確なのはそれだけ。この乾いた展開が却って、どうにもならない現実をより際立たせ、「そうなんだ」と認め諦めざるを得ない。それでも割り切れない嫌な感情が、残響音のようにいつまでもくすぶり続ける。

21世紀の新興ブルジョワ階級にのし上がった有能な金融トレーダーGiovanniや、何とか窮地を脱しようともがく破産寸前のDinoは、かつてないこの不況を乗り切るためなら、なりふり構わず何だってやる。モラルや良識なんて、とうの昔に忘れてしまった。そうしなければ、自分も家族も路頭に迷ってしまう。食うか?食われるか?現実は厳しい。そんな彼らを、どうして責めることができようか?極秘に裏取引きをしたDinoやGiovanniの妻Carlaにしても、別のやりかたで真実を明らかにすることができたのに、と言うは易し。私が彼らの立場だったら、同じ手段を選んだと思う。


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そんな薄汚れた大人の中で、ひっそりと、しかし毅然と健気に生きているのが、Dinoの1人娘Serenaだ。何者にも汚されない純粋な思い。厳しい不況の中で、大人たちが見失ってしまったモラルや正義のようなもの、それを彼女はまだ手放していない。真実を見ようとする、彼女のぶれない堅固な意思が、この作品の大きな救いである。


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タイトルのIl capitale umano=人的資本は、人間が持つ能力(知識や技能)を資本として捉える。この作品の場合、県道でひき逃げされた男の人間的価値で、年齢・性別・社会的地位(職業)・資格・年収・所有財産・家族の有無など、全てを指す。彼の人的資本は約3000万円と弾き出された。

製作国:Italy, France
初公開年:2014年
監督:Paolo Virzì
原作:Stephen Amidon 'Human Capital'
キャスト:Fabrizio Bentivoglio, Valeria Golino, Valeria Bruni Tedeschi, Fabrizio Gifuni, Luigi Lo Cascio, Matilde Gioli, Guglielmo Pinelli, Giovanni Anzaldo ...


by amore_spacey | 2014-03-14 02:28 | - Italian film | Comments(0)

Denti

私のお気に入り度 ★★★☆☆(66点)

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【あらすじ】 小さい頃からAntonio(Sergio Rubini)は、自分の前歯に大きなコンプレックスを抱いていた。笑ったり喋ったりするときに、ちらりと見える下駄のような前歯。そんなAntonioが大人になり結婚して娘もできたが、間もなく離婚。今は新しい彼女Mara(Anita Caprioli)と暮らしている。ある日彼女と大喧嘩した拍子に、前歯のうちの1本が折れてしまったから、さあ大変。口元へのコンプレックスは増すばかり。これを機会に前歯を何とかしようと、Antonioの歯医者行脚が始まる。


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最初から最後までグロテスクで奇妙な作品だった。特に洞窟のような胡散臭い歯科医院や、そこで働くPaolo Villaggio扮する歯医者が、不気味すぎる。あんなのを観ると、歯医者には金輪際、絶対に行きたくないと思ってしまう。しかし幼い頃から下駄のような巨大な前歯のせいで、鬱々とした性格になったAntonioにとって、歯医者は自分の人生を変えてくれる場所だった。はずなのだ。それなのに診察台に乗ると、子どもの頃の嫌な思い出ばかりが蘇ってくる。そして行き着いたのは、母親の愛情に飢えた幼いAntonioだったのだ。

船員の制服を着たFabrizio Bentivoglioが、ほんの一瞬だけ登場するが、実にいい。少し前は彼のシェフの白衣姿に萌えたばかり^^ 軍服や医師の白衣もよく似合いそうだなァ。

製作国:Italy
初公開年:2000年
監督:Gabriele Salvatores
キャスト:Sergio Rubini, Anouk Grinberg, Tom Novembre, Anita Caprioli, Fabrizio Bentivoglio, Paolo Villaggio, Claudio Ammendola, Massimo De Lorenzo ...


by amore_spacey | 2013-09-19 03:52 | - Italian film | Comments(0)

La balia

私のお気に入り度 ★★★☆☆(75点)

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【あらすじ】 20世紀初頭のローマ。裕福な社会階級の精神科医Ennio Mori(Fabrizio Bentivoglio)と妻Vittoria Mori(Valeria Bruni Tedeschi)に子どもが生まれる。しかし妻が出産後パニックに陥り母乳が出なくなったため、赤子のために乳母を見つけなければならなかった。乳母として選ばれた農民Annetta(Maya Sansa)は、自分の赤子や家族を残して、精神科医夫妻の屋敷にやって来る。自分の子どもを抱くことすらできない母性愛の薄いVittoriaに代わって、Annettaはまるで実の母親のように赤子の面倒をよくみた。ある日Annettaは左翼デモで投獄中の夫から手紙を受け取るが、文盲の彼女はEnnioに読んでもらう。これを機にAnnettaはEnnioに読み書きを習いたいと申し出るのだった。


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La balia=乳母。Fabrizio Bentivoglioと元仏首相の奥方Carla Bruniの姉Valeria Bruni Tedeschiという、ちょっと珍しい組み合わせに食指が動いた。けれどValeriaの魅力の乏しさにがっかり。乳母を演じたMaya Sansaが、きらきら輝いていた。


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育ちのよさがにじみ出ている精神科医@Fabrizio Bentivoglioは、言うまでもなく素晴らしかった。ますます彼にのめりこんでしまいそう(*^^*)

製作国:Italy
初公開年:1999年
監督:Marco Bellocchio
原作:Luigi Pirandello "In silenzio"
キャスト:Fabrizio Bentivoglio, Valeria Bruni Tedeschi, Maya Sansa, Michele Placido, Elda Alvigini, Pier Giorgio Bellocchio ...


by amore_spacey | 2013-06-17 03:28 | - Italian film | Comments(0)

Un'anima divisa in due

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】  Pietro Di Leo(Fabrizio Bentivoglio)はミラノのデパートで、警備員として働いていた。妻(Philippine Leroy-Beaulieu:)とは別居中で、週末になると息子が会いに来る。同じデパートの化粧品売り場で働くLidia(Silvia Mocci)とは、恋人未満の関係。何もかもが中途半端の彼は、精神不安から鼻血が出たり、突如として怒りが爆発したりする。
そんなある日勤め先のデパートで、ジプシーの少女Pabe(Maria Bakò)に出会う。彼女と関わっていくうちに不思議な感情が芽生え、Pietro Di Leoは彼女をジプシーの生活から救ってやりたいと思うようになった。そして彼女と一緒にミラノから脱出して、逃亡生活をしようと企てる。本作品でFabrizio Bentivoglioは、1993年第50回ヴェネチア映画祭の主演男優賞を受賞。


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普通に暮らしていたら、どこかですれ違うだけの2人。1人はミラノのデパートの警備員Pietro、もう1人はジプシーの少女Pabe。彼女のことがなぜか気になる。それがきっかけだった。PietroとPabeの間には、燃え上がるような男女の愛というより、彼女を守ってやりたい、何とかしてやりたい、という父性愛に近いものだった。ぽっかりあいた彼の心を埋めるのに、彼女の存在は大きかった。逃亡生活は無謀で有り得ないとはいえ、「いい夢を見させてもらった」以上のものがあったに違いない。冒険にわくわくする少年のようなPietroや、外界におびえる子どものようなPabeに、愛しさを感じた。

Fabrizio Bentivoglioが若い。20年前だから36歳か。彼には男女の関係をこえた優しさがにじみ出ていて、たまらなく好きだ。ちらっと出てくるGiuseppe BattistonやAntonio Albaneseも若い。Antonioはむかしから、頭の真ん中がつるつるだったんだぁ(爆) 

製作国:Italy
初公開年:1993年
監督:Silvio Soldini
キャスト:Fabrizio Bentivoglio, Maria Bakò, Philippine Leroy-Beaulieu, Jessica Forde, Felice Andreasi, Silvia Mocci, Giuseppe Battiston, Antonio Albanese ...


by amore_spacey | 2013-05-16 00:31 | - Italian film | Comments(0)

Testimone a rischio

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

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【あらすじ】 セキュリティ・システムのセールスマンPiero Nava(Fabrizio Bentivoglio)は、妻Franca(Margherita Buy)と小さな2人の子どもたちと共に北イタリアに暮らしている。1990年9月21日の朝、彼はアグリジェントのクライアントに会うため、シチリアの高速道路を走っていた。その道中に目撃した妙な事故が気になり、警察に連絡する。彼が見た事故は、実はマフィアの一味がRosario Livatino判事を殺害した大事件だったのだ。警察の要請により、Pieroは当時の様子を証言する。重要な目撃者となったPieroは家族とともに、Nardelli検査官(Claudio Amendola)率いる警官たちの保護下におかれ、仕事も自宅も捨てて、転々と仮住まいを続けることになった。


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この作品は、目撃証言をした一市民を守ることができない国や制度に対して痛烈な批判を投げかけている。証言者保護は、あくまでも犯人を見極めさせ、証言台に立たせて勝訴するためだけ。証言者の私生活など関知しない。国はそういうスタンスで、証言者は都合よく使い捨てられる。ある意味、国というのはマフィア以上に一筋縄ではいかない厄介なものなのだ。

正しいことや正義が評価されることもあれば、面倒なことの引き金になることもある。この作品は後者のよい例。マフィアの追っ手から逃れるため、証言者家族は普通に営んできた暮らしを捨てねばならなかった。自由を奪われ、夫婦の間も険悪になる。事件を見なかったことにすればよかったのに。このNava一家と国の板ばさみになったNardelli検査官のような人が、国や警察の上層部に居て欲しいのに、現実はいつも冷酷なもの。


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名前を変え全く見知らぬ土地で暮らすことになった一家。最後にPieroはこう呟く。「この一件によって、私も妻も以前より丸く寛容になった気がする。」 今まで築いてきたものを全部奪われてしまったのに、そんな台詞が吐けるなんて、泣けるじゃないか。それがFabrizio Bentivoglioの口から出た言葉だから、何があっても人生を投げちゃいけないな、と思わせてくれる。

製作国:Italy
初公開年:1997年
監督:Pasquale Pozzessere
キャスト:Fabrizio Bentivoglio, Claudio Amendola, Arnaldo Ninchi, Margherita Buy, Carlo Cartier, Maurizio Donadoni, Paolo Montevecchi, Paolo Maria Scalondro ...


by amore_spacey | 2013-04-12 00:08 | - Italian film | Comments(0)

Del perduto amore

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】  1958年、プーリアにある小さな村。熱血漢の共産党員である若い教師Liliana(Giovanna Mezzogiorno)は、天井もない廃墟を学校がわりにして、村の少女たちに教えていた。そんな彼女に淡い恋心を抱く14歳のGerardo少年(Pietro Pischedda)は、宗教への純粋な思いと篤い信仰心から、将来は教会の司祭になりたいと思っていた。何もない荒涼とした村や暴君のような教会の司祭、キリスト教民主党員と共産党員のぶつかりあい、少年から青年への過渡期にあるGerardoの、Lilianaに寄せるプラトニックな思いなどが、大人になったGerardo(Michele Placido)の脳裏に浮かぶのだった。


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Fabrizio Bentivoglioが出ているからというだけで観はじめたら、これがなかなかよかった。彼はGerardo少年の父親役で、今回はプーリア地方のアクセントで喋っている。いつもよりさらに庶民的で土着の人間臭さがにじみ出て、「お父さん」より「オヤジ」とか「とーちゃん」と呼んだほうがふさわしい雰囲気。そんな彼が夕食の席で、生の唐辛子をかじるシーンがある。「これはなァ、血のめぐりをよくするんだから。お前も食べろ」と息子にも食べさせる。彼は食事のときにも帽子をかぶったまま。ミサなど改まった場所に出かけるときは、スーツを着て精一杯のおめかしをする。自分の無学をどこかで恥じているところがあるのだ。女房は何が気に食わないのか?いつも喧嘩腰。そんな状況の中でも、飄々として生きているFabrizioがよかった。

Gerardo少年を通して、子どもの頃にあったはずの純粋で潔癖な気持ちを思い出し、ちょっぴり胸がきゅんとなった。それにしてもSergio Rubiniってどんだけ嫌なヤツなんだ?嬉しいサプライズは、Giovanna Mezzogiornoの女性らしい優しさや柔らかい一面に触れることができたこと。15年前の作品だから、当時彼女は24歳。ふっとした表情や横顔に、少女の頃の面影が蘇り、「あ、可愛いなぁ」と初めて心の底から思った。いや、彼女って可愛いんだけど、いつもヒステリー起こして切れまくってる役が多いから、素直に可愛いなぁとは思えなかったの。プーリア地方のアクセントは、分かり辛かったな。I need 字幕~!

製作国:Italy
初公開年:1998年
監督:Michele Placido
キャスト:Giovanna Mezzogiorno, Pietro Pischedda, Fabrizio Bentivoglio, Rocco Papaleo Enrico Lo Verso, Rino Cassano, Michele Placido, Sergio Rubini ...


by amore_spacey | 2013-03-15 00:32 | - Italian film | Comments(0)

La lingua del santo (聖アントニオと盗人たち)

私のお気に入り度 ★★★★☆(83点)

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【あらすじ】 パドヴァ。元高級文具セールスマンのWilly(Fabrizio Bentivoglio)は、失業しただけでなく妻のPatrizia(Isabella Ferrari)とも別居している。Antonio(Antonio Albanese)はしがないラグビー選手で、ベンチを温めていることがほとんど。そんな冴えない40代の2人の男が、ひょんなことから泥棒コンビを組むことになった。ある夜、「仕事中」の2人は運悪く警官に見つかり、聖アントニオ大聖堂に逃げ込んだ。そのどさくさに紛れて、Antonioが大聖堂にまつられている聖人の尊い舌を盗み出して来てしまったから、マスコミやジャーナリストは大騒ぎ。2人はこれをネタに、何億ものの身代金をゆすり取ろうと計画した。金は受け取りたいが、逮捕されるのは真っ平御免である。さあこの計画はうまくいくのか?


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コメディでありながら、笑い飛ばすだけに終わらない作品だった。Willyを演じるFabrizio Bentivoglioがナレーターも務める。この作品は彼の視線で展開していくのだ。彼の心の奥底で揺れ動く気持ちが、ある時はパドヴァの街中、ある時はヴェネト州の丘、またある時はヴェネツィア沖のラグーナを背景に描かれる。『ある海辺の詩人 ~ 小さなヴェニスで ~』の中にも登場したラグーナは、観光客が押し寄せている水の都ヴェネチアの喧騒から遠く離れたところで、静かに潮の満ち引きを繰り返す。ここにやって来ると、Willyはほっとする。自分自身を取り戻すことができる。ドタバタ事件に巻き込まれ、いつになく喜怒哀楽の感情を揺さぶられたが、ラグーナで素の自分に戻った。そこで自分の人生にとって大切なものを見つけるのだ。ヴェネトのアクセントで話すFabrizioがいいね。

製作国:Italy
初公開年:2000年
監督:Carlo Mazzacurati
キャスト:Antonio Albanese, Fabrizio Bentivoglio, Toni Bertorelli, Ivano Marescotti, Isabella Ferrari, Marco Paolini ...


by amore_spacey | 2013-03-11 02:28 | - Italian film | Comments(0)