タグ:Silvio Orlando ( 4 ) タグの人気記事

Fuori dal mondo (もう一つの世界)

私のお気に入り度 ★★★★☆(86点)

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【あらすじ】 舞台はミラノ。生真面目で意志の固い修道女Caterina(Margherita Buy)。自分の健康状態にばかり神経質で、他人とのかかわりを疎ましく思うクリーニング店の社長Ernesto(Silvio Orlando)。そして家庭の不和から家出をして、警察官の恋人Gabriele(Alessandro Di Natale)の元に身を寄せ、新しい生活を始めようとしているTeresa(Carolina Freschi)。何の接点もない3人がある出来事によって偶然知り合い、自分の世界に閉じこもりがちだったそれぞれが少しずつ心を開き始める。1999年David di Donatello賞の作品賞や主演女優賞(Margherita Buy)など5部門を受賞。



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見終わったあと心がしーーんと静まり返り、もやもやした邪念が一掃された(一瞬だけどね)。決まりきった日々の生活に希望が見い出せず、心の張りになるものも拠り所になるものもない。みんな孤独で淋しい思いを心の底に抱えている。けれどもそれぞれが持つ目に見えない小さな檻の中から一歩外へ出てみれば、それだけで世の中が違って見えてくる。ついさっきまで他人だった隣人が、日常の風景に彩を添えてくれる。たった一人で生きていると思い込んでいるそれぞれが、実は多くの見知らぬ人々によって支えられている。そんな些細なことに気づかないで、自分は不幸だと思い込んでいるだけなのね。



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『Genitori e figli ...』『元カレ/ カノ』のSilvio Orlandoもそれなりにいいが、あのはしゃぎぶりはどーも無理しているような気がして、見ていて痛すぎる。Ernestoのような役をやらせると、燻し銀の渋さが光るんだな。しっくりする。(香川照之氏+Kevin Spacey様)÷2=Silvioの公式が出来上がり~♪ 芯のある修道女を演じたMargherita Buyは、本当に素晴らしかった(唸!)

製作国:Italy
初公開年:1999年
監督:Giuseppe Piccioni
キャスト:Margherita Buy, Silvio Orlando, Carolina Freschi, Maria Cristina Minerva, Alessandro Di Natale ...


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by amore_spacey | 2010-06-22 00:02 | - Italian film | Comments(0)

Genitori e figli - Agitare bene prima dell'uso

私のお気に入り度 ★★★★☆(88点)

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【あらすじ】 14歳の少女Nina(Chiara Passarelli)は、パパGianni(Silvio Orlando)・ママLuisa(Luciana Littizzetto)・8歳の弟Ettore(Matteo Amata)と4人で暮している。この家族が問題だらけ。学校で人種差別的な作文や絵を描く弟の担任や学校長から、両親がたびたび呼び出されている。その両親と来たら顔を合わせれば激しい言い争い合戦を繰り広げて、とうとう別居。父親と祖母のLeaばあちゃん(Piera Degli Esposti)とは折り合いが悪く、20年も会っていない。当のNinaは女友だちの中でただ1人ヴァージン。そんなある日彼女が通う高校の授業で、イタリア語の教師(Michele Placido)から、「親と子の取り扱い説明書」というタイトルで作文の課題を出された。



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『イタリア的、恋愛マニュアル』の4話をすっきり1つにまとめたような、私の好きなタイプの作品だ。前半に爆笑シーンを盛り込み、後半でそれぞれが客観的に本質に迫ろうとする姿を描く。芭蕉の俳句「面白うて やがて哀しき 鵜舟哉」を思い出したりしてね(ちょっと違うが…)。決してハッピーエンドではないけれど、私たちの心に何かを残してくれる。誰もが作品の中の人物と同じような日常生活を送っているから、感情移入や自己投影が容易なんだな。



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Ninaの家族、そしてイタリア語の教師Alberto・妻Rossana(Margherita Buy)・息子Gigio(Andrea Fachinetti)の家族。この2つの家族の大人と今どきの子どもたちの関係を、Giovanni Veronesi監督はとても愛情のこもったまなざしで描いてくれた。「仲のよい家族や崩壊寸前の家族や堅苦しい家族、いろいろあるけれど、この作品はそういった全ての家族に捧げた。」と彼が話すように、登場するそれぞれの人物を肯定も否定もしない。あるがままの姿を受け止めたいということなのだろう。



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ぎゃははーっ!『元カレ/ カノ』の時のように、今回もSilvio Orlandoが炸裂(≧∇≦) 妻役のLuciana Littizzettoは映画・コメディ番組・CM…のどこで観ても、軽妙で毒があってテンション高くていいわぁ。Margherita BuyはLaura MoranteやGiovanna Mezzogiornoに負けず劣らずナーヴァスな人なんだけど、彼女が他の2人と違うのは、「ひょっとしたら私のせいなのよ…ね?」といつも心の片隅に自責の念があって、ガンガン言いながら引き気味&遠慮気味なところが可愛い(^^) そしてLeaばあちゃん!凄いパワーだわぁ。むかしは町内に必ずいた評判の意地悪ばあさんという役どころ。でも彼女は意地悪じゃないの。本当のことを言っているだけ。こういう人が家族にいれば、潤滑油になって(嫁にとってはムカつく存在だけど)世の中丸く収まることが多いかも?ばあちゃんと孫の関係っていいよね。

製作国:Italy
初公開年:2010年
監督:Giovanni Veronesi
キャスト:Margherita Buy, Michele Placido, Andrea Fachinetti, Silvio Orlando, Luciana Littizzetto, Chiara Passarelli, Piera Degli Esposti, Elena Sofia Ricci, Massimiliano Tortora, Gianna Nannini ...


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by amore_spacey | 2010-06-18 00:00 | - Italian film | Comments(0)

Ex (元カレ/ カノ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 転勤で国を越えた遠距離恋愛になってしまうカップル、離婚するにあたってお互いに子供の親権を放棄しようとする夫妻、元恋人をあきらめきれず、新しい恋人が出来ようものなら脅迫して別れさせようとするストーカー警官、結婚間近なのに神父になったかつての最愛の恋人に出会ってしまったスーパーのレジ係など、問題を抱えた様々な年齢のカップルや夫婦の6つのエピソードが絶妙に織り交ぜられながら、愛の素晴らしさや切なさが描かれる。



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エピソードを盛り込みすぎて尻切れトンボに終わった『バレンタインデー』と大きく異なり、こちらは登場する男女が多いにもかかわらず、各々の繋がりや絡み具合に無理がなく(あんな偶然はありえない!という無粋な突っ込みはやめよう)、どの役者もハマり役で巧い!Silvio Orlando扮するLucaと妻が繰り広げる汚い言葉てんこ盛りの罵りあいは、イタリアのどこかで日々展開されているリアルな喧嘩そのもの。だから私たちは腹を抱えて笑いながらも、あのシーンに自分の姿を重ねて、ふっと恥ずかしくなり内省するのだ。

親権放棄をしようとする夫婦に「大切なのは家族の絆ですよ」と正論を振りかざす判事が、家に帰れば長年連れ添った妻に暴言を浴びせる、なんてのはよくある風景だ。Silvioの逆切れぶりがすごいや(≧∇≦) ああいうシーンはイタリア女(Giovanna Mezzogiornoの十八番)だけのものと思ってたけど、男もやるじゃないか。彼と言いAntonio Albaneseと言い、ずんぐりむっくりで見るからに風采が上がらない。地味な哲学者や実直な公務員がピッタリで、何を考えているのかちょっぴり謎。でも本音をむき出しにした時に人間味が滲み出る可愛い男たちである。状況を冷静に客観的に判断する子どもたちには、いや、参った。うちの娘と似たり寄ったり(汗) 真実を突いているだけに、大人は口をあんぐり。どのエピソードも丸く収まるかに見えるが、同じようなことが第2ラウンド、第3ラウンド…と続くんだろうな。



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しかし、たまげた。1997年のサンレモ音楽祭で優勝したJalisseの♪ Fiumi di parole ♪(音が出ます!)を、こんなところで聞くとは!後にも先にもヒット曲はアレだけで、優勝後ポップス界から姿を消したと思っていたのに、地方巡業や温泉町で細々と歌っていたのかしらん?大好きなBiagio Antonacciの♪ Tu mi piaci ♪(音!) がとても効果的に使われていたのは嬉しかった(^^) 日本語タイトルもうまいっ!

製作国:Italy
初公開年:2009年
監督:Fausto Brizzi
キャスト:Claudio Bisio, Elena Sofia Ricci, Nancy Brilli, Cristiana Capotondi, Fabio De Luigi, Alessandro Gassman, Claudia Gerini, Silvio Orlando, Gianmarco Tognazzi ...


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by amore_spacey | 2010-05-21 00:01 | - Italian film | Comments(4)

Il papa' di Giovanna (ボローニャの夕暮れ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(83点)

ネタばれありあり。

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ファシスト体制下で戦火が激しくなる1938年のボローニャ。高校の美術教師として働くMicheleは、精神的に不安定な一人娘Giovannaをとても可愛がっていた。その娘がある事件を起こし、裁判のかけられて精神病院に入れられてしまう。第二次世界大戦前後の激動期に生きる家族を描く。



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予告編で1930年代のボローニャが舞台となると知り、昔のボローニャの姿を見たい&知りたい!気持ちが大きく動いた。当時は歴然たる階級格差があり、庶民(Michele一家) vs ブルジョワ階級や体制派(Ezio Greggio一家)の間には明暗を分ける線が引かれていた。庶民が日々の生活に追われる一方で、ブルジョワ階級はお手伝いさんを雇う余裕があり、体制派は警察手帳を見せるだけで、手に入れにくい物資を入手できたり、映画館などは顔パスであったり…、何かと待遇がよかった。しかしそうした階級差を越えた人々の情愛や慈しみや心の交流が、暗黒の時代を生きる人々の心の支えであり勇気を与えてくれたに違いない。

何がビックリってEzio Greggioの登場です。「はれっ?これってコメディなの?」 だって10年以上司会を務めるTV番組Striscia la Notiziaや数々のお手軽コメディ映画では、ボケやつっこみキャラがウケて、決して俳優の力量があるとは思えないような(と言い切っては失礼かすら?)彼ですから。いやいや、お見逸れしました。なかなか存在感と人間味溢れる警官でありました。最期のシーンはやってくれましたね。あれこそEzioであります(^^) しかしFrancesca Neri & Ezio Greggioの意味ありな目配せ。お互いに思いを寄せているのは分かりますが、あの安っぽい芝居にはトホホッでした。



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画家を夢見たMicheleは、自分の才能の限界を知って高校の美術教師に甘んじている。妻Deliaとの間も冷め切っている。彼女は娘に母親らしい愛情を注ぐどころか、いつも一線を画した冷ややかな物腰。こんな生活にうんざりしているDeliaは誰にも素直になれない。いつもぎくしゃくしている家庭の中で、心が休まらず窒息しそうなMicheleの愛情は、自然と一人娘Giovannaに向けられていくのだ。何があっても彼はGiovannaを信じた。「おまえは世界一素晴らしい娘なんだよ」事あるごとに褒め、最後まで決して見捨てなかった。全てを投げ出して逃亡したくなるような状況に置かれながら、Micheleは娘に無償の愛を注ぎ続けた。そうすることで自分自身が生きていると実感したのかもしれない。Giovannaが彼の生き甲斐だったのだ。父娘を演じたSilvio & Alba、お見事でした。

製作国:Italy
初公開年:2008年
監督:Pupi Avati
キャスト:Silvio Orlando, Francesca Neri, Ezio Greggio, Alba Rohrwacher, Serena Grandi ...


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by amore_spacey | 2009-04-01 00:09 | - Italian film | Comments(0)