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はじまりは5つ星ホテルから (Viaggio sola)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (72点)

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【あらすじ】 ローマで一人で暮らす40代のIrene(Margherita Buy)は、高級ホテルの覆面調査員で、素性を隠して世界各国の5つ星ホテルに滞在しては、サービスの徹底度を事細かくチェックする。自由気ままな人生で誰もが羨む仕事をしていると固く信じていた。しかしある出来事をきっかけに、仕事や家族や愛や友情といったさまざまなものを見つめ直すようになる。(作品の詳細はこちら


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25回目の結婚記念日に、この映画を観ました。どのホテルもゴージャス・シック・エレガントで、平凡な暮らしの私から見れば、仕事とは言え世界各国の5つ星ホテルに滞在できるなんて、もう羨ましくて仕方がありません。ストーリーはホテルに対するサービスの問いかけから、徐々に彼女の人生への問いかけに変わっていく。Ireneが自分を見つめるための旅の物語だったように、私もこの作品を通して日常の中にひそんでいる、小さな幸せを見直しました。自由気ままなIreneの人生もいいけれど、負け惜しみでなく、色々ある私の人生も捨てたもんじゃないなと。ただ、邦題が残念過ぎます。

たまに帰る自宅の植物が枯れているのを見たとき、2人の姪っ子の相手をしながらふっとした拍子に、以前一緒に暮らしていた元カレAndrea(Stefano Accorsi)のことを思うとき、何気ない日常の出来事をきっかけに、普段は忙しさに紛れて忘れている孤独感や虚無感が、どっと押し寄せてくる。パンドラの箱が、ぽんと開いてしまうのだ。こんな時、身も心も委ねられるような人が、傍に居てくれたら。飾らない・気取らない、おっさん真っ只中のStefano Accorsiが、とても人間臭くていい。StefanoとDavide Iacopiniのイタリア版『おっさんずラブ』なんて、想像しただけでゾクゾク。

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ベルリンで会ったバリキャリのKate Sherman(Lesley Manville)は、聡明で人を惹き付ける魅力にあふれ、歳相応の落ち着きや分別も持ち合わせている。Ireneは一瞬にして、彼女のファンになってしまった。憧れの女性像だったんだな。でもその直後に起きた事件が、Ireneの人生観を一変させるのです。

Ireneを演じるMargherita Buyが、実生活で役者・監督のSergio Rubiniと結婚・離婚を経て、公私共に良い関係にあるように、この作品の元カレAndreaとも、フランクな付き合いが続いている。悔やまれるのは、子どもが出来なかったことだ。Ireneの妹は自分が持てなかった物を全て持っている。だからどんなに否定しても、心の底には嫉妬心や羨望の念がある。その感情をどうにも抑えられず、つい妹と喧嘩してしまう。隣の芝生が青く見えている限り、いつまでたっても心はザワザワとして落ち着かない。幸せは人それぞれ。何が幸せなのかは、自分にしか分からない。そして誰もが小さな幸せと隣り合わせ。

私たちは孤独を心のどこかに抱えて生きている。結婚していようがいまいが、子どもがいようがいまいが、関係ない。孤独とうまく付き合えるようになると、一人の人間としてもっと自由になれる気がする。孤独は決して乗り越えようとしたり、ネガティブで忌み嫌うものではないのです。「今回の旅はいかがでしたか?…中略… 心のおもむくままに、この旅はあなたのもの。どうぞお気をつけて!」


by amore_spacey | 2019-10-02 00:12 | - Italian film | Comments(0)

メイド・イン・イタリー (Made in Italy)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 北イタリアの小さな町にある食肉加工工場で働くRiko(Stefano Accorsi)は、美容師の妻Sara(Kasia Smutniak)と大学生になる息子Pietro(Tobia De Angelis)と、父親から受け継いだ大きな一軒家に暮らしている。不景気やグローバル化の影響で工場を去らざるを得ない同僚が出る中、仕事に不満がありつつも解雇されることなく、家族や画家のCarnevale(Fausto Maria Sciarappa)ら気のおけない友人たちとの関係も良好で、表向きは幸せに見えたが、心の空虚感を埋められないでいた。心機一転を図ろうと友人たちとローマへの旅に出るが、ローマでの出来事が思わぬ事態を招く。シンガー・ソングライターLuciano Ligabueの3作目。(作品の詳細はこちら


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Ligabueの歌(音が出ます!)にのってStefanoが踊る。右へ左へと動く彼の真っ赤なジャケットが、やがて工場のブルーのエプロンに変わり、束の間の夢から現実に引き戻される冒頭のシーンが、とても印象的。ちょっとくたびれたStefanoの時代遅れな振り付けも、イタリア人のある年齢層には懐かしく映るらしい。

この作品の主人公RikoとSaraの夫婦は倦怠期を迎え、一人息子のPietroは一向に自立する気がない。職場では次々と解雇されていく同僚を目の当たりにする毎日で、施設に入っている痴呆症の父親とは、もうマトモに話ができないし、友だちはやっかいな問題を持ち込んで来る。真っ当に生きているのに、明けても暮れてもストレスだらけで、先は見えず希望も持てそうにない。現状維持ができれば御の字だ。こんな気持ちを抱えながら、やり過ごしているイタリア人は多い。

そんな彼らは喋ることで気持ちをリセットし、エネルギーを充電するのがうまい。仕事帰りに一杯やったり、馴染みの店に行ったり、週末友だちと会ったり、食事に呼んだり呼ばれたりして、息抜きをし気持ちを切り替える。時には少し踏み込んだプライベートな話もする。そこで答えなんか出なくてもいい、聞いてくれるだけでいいのだ。

行き詰まったRikoたちも様々なことを乗り越えて、もう1度やり直そうと仕切り直す。このままハッピーエンドかと思いきや、ああ、再び躓いてしまう。どうしてこうなる?私たちはもうダメなのか?ここからの立て直しは、前回より険しい道のりだ。ここでさっさと諦める夫婦もいるが、彼らは問題や困難のたびに、ケンカしたりよそ見(浮気)したりしながらも、一方では辛抱強く耐えながら、何とか踏みとどまる。そしてより強い絆を築いていく。2人を取り持つのに一役買ったPietroの企画は、なかなか粋でよかったな。

Laetitia Castaと別れてイタリアに戻ってきてから、Stefano Accorsiは肩の力が抜けて、演ずることを心から楽しんでいるような気がする。公私ともに積み重ねた経験のお陰で、最近は強烈な生活臭のあるおっさんが、ハマり役になってきた。Stefanoは人間が好きなんだ。イタリアが好き、生まれ故郷を本当に愛している。そんな彼がRikoをやったからこそ、この作品には強い説得力があると思う。Lucianoの監督処女作Radiofrecciaから20年、LucianoもStefanoも味のある魅力的な中年になりました。


by amore_spacey | 2019-04-11 00:38 | - Italian film | Comments(2)

心の陽だまり (Tous les soleils) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (75点)

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【あらすじ】 大学でイタリアバロック音楽を教えるかたわら、病院を訪ねて朗読のボランティアをしているイタリア人Alessandro(Stefano Accorsi)は、15歳の娘Irina(Lisa Cipriani)とアナーキストの兄Luigi(Neri Marcorè)とストラスブールで暮らしている。娘が生まれて間もなく妻を亡くしたAlessandroは、男手一つで娘を育ててきたが、思春期を迎え恋する年頃になったIrinaを、いつまでたっても子ども扱いする。それが彼女には鬱陶しくてたまらず、2人は些細なことでよく衝突した。そんな折Alessandroは、彼を慕っていた入院患者Agathe(Anouk Aimée)の葬儀で、彼女の娘Florence(Clotilde Courau)に出会う。(作品の詳細はこちら


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L'ArpeggiataのLuna Lunedda(←音が出ます)に合わせて、Alessandroが乗る電動自転車が、ストラスブールの街中をスイスイ軽快に駆け抜けていく。一緒に踊りたくなるような、とても素敵なオープニング。音楽が鳴り終わっても、あのリズムが頭の片隅でリフレインしている。大学では好きなイタリアバロック音楽を教え、家に帰れば、反抗期真っ只中の娘や風変わりな絵描きの兄(ベルルスコーニ政権に反抗して、自分を政治亡命者だと主張する)たちとの、喜怒哀楽や思いやりに満ちた暮らしがある。末期患者のために病室で本を朗読するボランティアしたり、アマチュア合唱団で歌ったり、友人たちにも恵まれている。


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毎日スケジュールぎっしりだから、独り身の寂しさを感じない。そうすることで、心の奥底に封印している深い悲しみや喪失感を、他人に悟らせない。人を癒したり幸福にする心優しい存在なのに、彼自身は他人に気持ちをオープンに出来ない。亡き妻との思い出に囚われて、そこから出られない。たとえ恋をしたとしても、娘や亡き妻を裏切るようで、良心の呵責に耐えられそうにない。Alessandroは古風な人間なのだろう。


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そんな彼がFlorenceに出会い、少しずつ心が潤っていくのを感じる。張り詰めていた自分の内側が、柔らかく優しくなっていく。Agathe(彼女を演じたAnouk Aiméeの存在感!)への想いを通して、AlessandroとFlorenceは互いに心を寄せ合うが、そこでも亡き妻の存在が彼を引き留める。末期患者に愛を朗読し、アマチュア合唱団でも愛を歌う。愛が一番必要なのは、彼なのに。何ためらっているの!今でしょ!


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シャイな彼は自分の気持ちを、歌に託した。愛を詠った中世のシチリア民謡Silenzio D'Amuri(←音!)を独唱するAlessandroが、とても切なく愛おしい。「好きだ」の一言より、遥かにロマンチックで洒落ている。郷愁に包まれた清らかで純朴な歌に、胸を打たれた。アルザス地方の古い町並み、そこに暮らすイタリア人、様々な愛の形、中世のシチリア民謡。これらがほどよく溶け合い、遠い過去と現在が見えない線で、ふっと繋がる。小さな、けれど新鮮な感動だ。またストラスブールに行きたくなってきたなぁ。

ただね、イタリア語のタイトルNon ci posso credereが・・・。Alessandroの口癖からとったものと思われるが、やっつけ仕事で残念すぎる。次回はフランス語のオリジナル版を観たい。


by amore_spacey | 2018-03-15 00:53 | - Other film | Comments(0)

フォルトゥナータ (Fortunata)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (76点)

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【あらすじ】 Fortunata(Jasmine Trinca)は、結婚に失敗したが、元夫Franco(Edoardo Pesce)と娘の養育権を巡って争いながら、8歳の娘Barbara(Nicole Centanni)を1人で育てている。そんな彼女には、経済的な独立と自分の幸せのために、自分のヘア・サロンを開く夢があった。その資金調達のため、今は美容道具を持って戸別訪問している。しかしBarbaraの小児心理学医Patrizio(Stefano Accorsi)と、長年の男友だちChicano(Alessandro Borghi)の間で、Fortunataは揺れるのだった。(作品の詳細はこちら


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何となくAlessandro Borghiの1人祭り。インタビューなどに答えるときの彼は、笑顔が爽やかな今風の若者で、誰ともそつなく付き合える。きっと撮影現場でも、下品にならないシモネタをバンバン言いながら、スタッフの和ませてくれる存在に違いない。が、一旦役に入ると、別人だ。良い意味で、白黒はっきりしたスイッチが入る。

今回の役はアルツハイマーになった母の面倒を見る息子だが、真っ当な人生を歩んで来ていないのは一目瞭然。世の中の底辺でやっと生きている、ゴミのような存在に近いかもしれない。こんなダメ男だけど、彼の心根の良さはFortunataが一番良く知っていた。立派な肩書きや定職や金はなく、とても不器用な生き方しかできないが、人を思いやる心は、登場人物の中では抜きん出ている。それにしても爽やかなAlessandroが、メイクとヅラでこれだけネガティブな人間に変身するなんて…。たかがメイク、されどメイクです。


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小児心理学医Patrizioは、社会的には安心できる存在だが、深く付き合ってみると、人間性が破綻している哀れな男だ。Fortunataにはそれがはっきり分かった。この手の男と一緒になるより、1人で生きていったほうが良いと。ところで脚本に書かれていたのか?監督の指示か?Stefanoがそう演じたかったのか?分からないが、後半に入るとかなりオーバーアクションが続き、Stefanoの茶番劇っぷりが空回りして、非常に残念でした。


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娘のBarbaraを演じたNicoleちゃんが、とっても可愛いかった。最近の子役は国籍を問わず、表情といい演技力といい、大人顔負けで驚きです。8歳のBarbaraはマンマの気を引きたくて、素直に言うことを聞かない。あどけない顔をしながら、しれっと小さな反抗を繰り返す。ひねくれたくなる気持ちが、良く分かる。音楽の選択もナイス。各シーンを引き立てて良かった。


by amore_spacey | 2017-12-05 00:33 | - Italian film | Comments(0)

おめでとう、ステファノ・アッコルシ!

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2日前に2017年のDavid di Donatello賞が発表され、予想通り『ゴッド・スピード・ユー!』が圧勝で、6部門を受賞しました。


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主演男優賞を受賞したStefano Accorsi(前回は1999年)、とても嬉しそうですね。Laetitia Castaと結婚していた頃に比べると、表情が柔らかになり、生き生きとしているような気がします。


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この日は、奥さんのBianca Vitali(25歳)と一緒に出席しました。現在妊娠8ヶ月で、Biancaにとっては初めての子、Stefanoは3人目の子になります。「受賞できたのは、キミのお陰だ!」と、受賞スピーチでもBiancaへお礼のメッセージを忘れません。


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特別賞に輝いたのは、Roberto Benigni


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因みに昨年の主演男優賞を受賞したClaudio Santamariaは、こんな頭で登場して会場を驚かせた。クランク・インした次作のメイクで来たそうです。ウケを狙ったClaudio、やっぱりお茶目。


 
by amore_spacey | 2017-03-31 02:14 | My talk | Comments(0)

ゴッド・スピード・ユー! (Veloce come il vento)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (85点)

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【あらすじ】 代々ラリーのチャンピオンを出した家に生まれたGiulia(Matilda De Angelis)は、有望なツーリングカーのドライバーである。父の指導の下、たった17歳でGiuliaは、GT選手権参加を目標に、数々のレースに参加して腕を磨いた。しかし父の死によって全てが一変し、Giuliaはレースも自分の人生も、1人で立ち向かわねばならなくなる。
 ところが父の葬式当日、10年も顔を見せなかった兄Loris(Stefano Accorsi)が、彼女を連れてひょっこり帰ってきた。数々のラリーに優勝した輝かしい過去をもつLorisだが、薬物依存に陥り、いまや見る影もない。そんな兄が父に代わってGiuliaのコーチとして指導することになった。元ラリードライバーCarlo Caponeの半生からインスピレーションを受けて映画化された。(作品の詳細はこちら


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うわぁぁ、最初から最後までテンションが高くて、アドレナリン上昇しっ放し。車やレースに全く興味がない人も、レースの詳細が分からない人も、あっと言うまに引き込まれ、まるで自分がドライバーになったかのような、臨場感あふれる素晴らしいカメラアングル&演出&フィルム編集に唸るはず。スポーツ(と言っても色々あるが、今回は自動車レース)を軸に家族のあり方を描いたイタリア映画は、これが最初かもしれない。しかもウェットじゃない。突き抜けた感のある潔いドラマ展開が、家族をテーマにした従来のイタリア映画とは一線を画している。

自動車産業が盛んで、F1王国でもあるエミリア・ロマーニャ地方を舞台にしたアクション・ムービー、しかもStefano Accorsiが出ていると聞いて、公開初日に観にいった。イモラの町やサーキットを舞台に、スピード&躍動感あり、束の間の静寂あり、アイロニーを含んだ笑いありの、期待を裏切らないドラマチックな作品だった。監督は弱冠34歳のMatteo Rovere。監督としては7本目の作品。


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いや、それにしてもAccorsiが登場したときには、場内一同唖然でした。全く別人&別キャラですもん。壊れ方が半端ない。完全にイッちゃってます。クールだったあのAccorsiはどこへ?しかもモデナ方言そっくりのイモラ方言で話すAccorsiがおかしくて、場内爆笑。久しぶりにエミリア・ロマーニャ地方を舞台にした作品に、ボローニャ生まれのAccorsiは懐かしさと郷土愛から、オファーを速攻でOKしたという。Lorisを演じるため、12キロ以上体重を落とし髪も伸ばした。目の下には隈がくっきり。目はうつろで、焦点もあわない。じっと立っていられず、いつもゆらゆら状態。そんな彼が一度(ひとたび)妹のコーチになると、見る間に本領を発揮し、自分らしさを取り戻していくのだ。


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Giuliaを演じたMatilda De Angelisは、本作品で主役デビューだが、あの落ち着きやしなやかさを、一体どこで身につけたんだろう?20歳とは思えない迫力に圧倒された。ありがちな恋愛物ではなく、男の世界を描いた作品で開花するなんてすごい。男勝りで負けず嫌いだけど、凹んだ時は年齢相応の無邪気な顔を覗かせる。キュートでカッコいい。彼女が歌う♪ SEVENTEEN ♪(音!)もタイトでカッコいい。どんな女優になっていくのか、楽しみだ。


by amore_spacey | 2016-04-14 01:16 | - Italian film | Comments(0)

Radiofreccia (ラジオフレッチャ)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

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【あらすじ】 1993年6月20日の夜。18年間続いた地域ラジオ局Radiofrecciaが、間もなく閉鎖する。DJのBruno(Luciano Federico)は、ラジオ局の名前の由来となった、麻薬のODで命を失った仲間Freccia(Stefano Accorsi)のことを語りながら、1970年代エミリア・ロマーニャ州の小さな街で、Tito(Enrico Salimbeni)やIena(Alessio Modica)やBoris(Roberto Zibetti)の5人で独立ラジオ放送局を立ち上げた当時を思い出している。人気ロック歌手Ligabueの監督デビュー作。本作品は1999年度のDavid di Donatelloで3部門(最優秀主演男優賞にStefano Accorsi)、Nastri d'argentoで2部門(最優秀新人監督賞にLuciano Ligabue)、Ciak d'oroで4部門を受賞。


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《一言感想》 エミリア・ロマーニャ州の小さな街で、独立ラジオ局を立ち上げた若者たちの友情と恋愛を描く、Luciano Ligabueの自伝的作品で、1970年代の若者の暮らしや文化を垣間見ることができる。イタリアの片田舎に、70年代のアメリカのヒット曲が次々に流れ、あの当時青年期を過ごした人々には、懐かしくてたまらない風景が満載。


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Stefano AccorsiのM字デコ化は、この頃から進んでいたのかしら。でもまだMaxibonの頃のあどけなさが残っていて、可愛い。

製作国:Italy
初公開年:1998年
監督:Luciano Ligabue
キャスト:Stefano Accorsi, Luciano Federico, Serena Grandi, Francesco Guccini, Cristina Moglia, Patrizia Piccinini, Enrico Salimbeni, Paolo Maria Scalondro ...


by amore_spacey | 2013-05-13 00:31 | - Italian film | Comments(0)

Ruggine (錆び)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★☆☆(60点)

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【あらすじ】 1970年代後半。トリノの小さな町はずれに殺風景なアパートが立ち並び、荒涼とした野原には錆び付いたサイロや鉄材の廃棄場がある。アパートの子どもたちはこの廃棄場に集まって、ゲームをしたり冒険ごっこをして遊んでいた。ある日この街に優秀なBoldrini医師(Filippo Timi)が赴任してきたが、彼の奇行を見た子どもたちは、本能的に危険なにおいを感じ取る。やがて2人の少女が暴行・殺害された。大人たちは、近辺をうろつく愚鈍な男が犯人だと決めつけたが、子どもたちは他に犯人がいると確信していた。これら一連の事件は、Sandro・Carmine・Cinzia3人の少年少女に大きなトラウマを残す。30年後、大人になった3人は…。


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重すぎる。ズズーーンと気が滅入った。希望の光も救いも逃げ場もない。Boldrini医師を演じたFilippo Timiの、幾分大袈裟だが舞台劇のような怪演は、一見の価値アリかも?あの医者はいったいどんな理由で、少女たちを毒牙にかけたんだろう?どんなことをしちゃったんだろう?子どもたちはそこんトコが、とても気になる。そして幼いなりに、「ひょっとしたら、アレ?」という疑惑があった。


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その疑惑は大人になって、確かなものになる。あの医者は、少女たちを性欲のはけ口にしていた。もて遊んで殺した。大人たちはあの医者のことを、「金持ちで立派な人だ」と褒めていたのに、真っ赤なウソじゃないか。疑惑が明らかになり、二重のショックである。人間不信だ。トラウマにならないのがおかしい。あのときの3人は大人になった今でも、日常生活の端々でおかしな言動をとってしまう。職員会議でCarmine(Valeria Solarino)は、ある生徒のことを執拗にかばい、Sandro(Stefano Accorsi)は半端ない密着度で息子にぴったりくっついて遊び、やや挙動不審なCarmine(Valerio Mastandrea)は、いつまでたっても真っ当な大人になりきれない。経済危機の先が見えないイタリアのようで、絶望的だ。

製作国:Italy
公開年:2011年
監督:Daniele Gaglianone
キャスト:Filippo Timi, Stefano Accorsi, Valerio Mastandrea, Valeria Solarino, Giampaolo Stella, Giuseppe Furlò, Giulia Coccellato ...


by amore_spacey | 2012-09-27 01:13 | - Italian film | Comments(0)

La vita facile (気楽な人生)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 ケニアの僻地で医療に従事するLuca Manzi(Stefano Accorsi)のもとへ、ローマの有名私立病院で働くエリート外科医Mario Tirelli(Pierfrancesco Favino)が派遣されてきた。その後まもなく彼の妻Ginevra(Vittoria Puccini)もやってきた。しかしローマで裕福な暮らしをしていた2人は、現地の不便な生活になかなか馴染めない。その一方でMarioがケニアにやって来た謎や三者それぞれの思惑が、次第に明らかになっていく。


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ケニアを舞台に、1人の女性を巡って2人の男性が争うストーリー?な~んて全く予備知識なく観たので、意外な展開や最後のどんでん返しに大笑い(≧∇≦) PierfrancescoとStefanoの2人はたびたび共演しているだけあって、どのシーンもあ・うんの呼吸でアドリブのよう。近頃のStefano Accorsiはちょっぴり辛気臭く近づきがたいオーラを漂わせていたが、そこにPierfrancescoを投入すると、まるで玩具をもらった子どものようにStefanoが輝きはじめるんだなぁ。Pierfrancescoの半端ないブチ切れっぷりや、言ったもん勝ち&声の大きいもん勝ち的な口喧嘩などは、イタリア人の日常生活そのまんま(爆) あんな光景が、いたるところに転がっているノダ。

『30日の不倫』のPierfrancescoには心底がっかりしたが、『星の子どもたち』でエア・ギター弾きながら歌って踊る彼をみて、「えっ、ひょっとしたら3枚目キャラ?」なんて思ったんだけど、本作品で確信。ゴツくて濃い容貌&渋い雰囲気を漂わせているので、面白キャラな彼って意外性が高くていいんだわぁ~♪


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展開部分をも少し時間短縮するなり、別のエピソードを入れるなりして、一定のテンションを保ってくれたらもっとよかったかなぁ。でもラストのどんでん返しをよりインパクトあるものにするには、これでいいのか?Stefanoのにんまり顔( ̄ー ̄)は、この作品で初めて観たかも。そんな彼につりこまれて、思わず私もに~んまり( ̄ー ̄) 有り得ないエピソードなんだけど、この2人が演じると「さもありなん」と思えてくるから不思議だ。

製作国:Italy
初公開年:2011年
監督:Lucio Pellegrini
キャスト:Pierfrancesco Favino, Stefano Accorsi, Ivano Marescotti, Vittoria Puccini, Camilla Filippi, Angelo Orlando, Djibril Kébé, Eliana Miglio ...


by amore_spacey | 2012-05-21 00:54 | - Italian film | Comments(2)

無邪気な妖精たち (Le fate ignoranti)

私のお気に入り度 ★★★★☆(86点)

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Antonia(Margherita Buy)とMassimo(Andrea Renzi)は結婚して10年あまり、ローマ郊外の川のほとりにある瀟洒な屋敷で幸せに暮していた。が、ある日突然Massimoを交通事故でなくし、Antoniaは絶望のあまり全ての関係を断って自分の中に閉じこもってしまう。悲しみの中で夫の遺品を片づけ始めたとき、一枚の肖像画を見つけた。絵の裏には、愛のメッセージと“無邪気な妖精より”と書かれたサインが記されていた。夫には愛人がいたのだ。しかもMichele(Stefano Accorsi)という名の男の愛人。Micheleが暮すアパートを訪ね、夫の「もう一つの家族」と呼べる少々奇妙な人間関係に、初めは戸惑い面食らうAntoniaだが、夫の死を受け止め、自分の足で新たな人生を切り開いて行こうという気持ちになるのだ。



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愛するMassimoが浮気をしていた。しかも相手は男!結婚して以来ずっと夫だけを愛し続け、医師という仕事にも誇りをもって、真面目に誠実に生きてきたAntoniaにとって、それは青天の霹靂だっただろう。同性愛が市民権を得て日常的に見聞きはするものの、私を含めた多くの人にとってそれは、あくまでも他人事なのだから。身も心もズタズタになっている彼女に、あっけらかーんと、時にはずけずけと物を言う母親Veronicaに扮するErika Blancの味のある演技に、思わずクスッと笑いがもれる。

Massimoの「もう一つの家族」の一員であるSerra扮するSerra Yilmazも、辛口ながらユーモアがあって頼り甲斐のある中年女性らしい役どころを、気負いなく演じていた。彼女たちのお陰で、緊迫した雰囲気がふっと和らぐ。素晴らしい脇役たちである。「もう一つの家族」にはそんな人たちがたくさんいた。何度も傷つき悲しんだ者たち特有の、暗黙の了解のようなものがあり、適度な距離を保ちつつ互いに労わりあうことができるのだ。



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Micheleにとっても、愛人の妻であるAntoniaとの劇的な出会いは、彼女ほどショックは受けなかったにしても、心のバランスを崩すに充分な威力はあった。Antoniaに辛くあたったのも、崩れそうになる自分を守るためだったに違いない。Stefano Accorsiの畳みかけるような機関銃喋りが、健在であることをここで再確認。Margherita Buyはいつにも増して優雅で綺麗だわぁ。冒頭シーンの高貴な姿は、彼女ならでは…でした。。「もう一つの家族」と一緒に暮す中で、Antoniaは自分の中の頑なで世間知らずなところに気付いていく。そしてMicheleへの慈しみの気持ちが、徐々に愛情へと変っていくのである。最愛の夫を亡くしても、全てを失った訳ではない。女性がそう確信した時ほど強いものはない。新しい一歩を踏み出そうとするAntoniaにエールを送りたい。

製作国:Italy
初公開年:2001年
監督:Ferzan Ozpetek
キャスト:Margherita Buy, Stefano Accorsi, Serra Yilmaz, Filippo Nigro, Gabriel Garko, Erika Blanc, Andrea Renzi ...


by amore_spacey | 2009-09-01 22:14 | - Italian film | Comments(0)